真冬のキャンプはやっぱり鍋? 達人たちがおすすめするカンタン&個性派「鍋」を食べ比べ!

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冬にはやっぱり温まる鍋が最高。家はもちろん、寒さの厳しいキャンプならより一層鍋は美味しく感じれるでしょう。最近は出来合いの鍋スープも色々あって十分美味しいのですが、せっかくなら、それに頼らず、美味しい鍋を作りたいところです。

ということで、今回は食にこだわりのある3人と一緒に冬キャンプを敢行。それぞれおすすめの鍋を振る舞ってもらいました。

左から/TOM(セールスレップ)GO OUT WEBのクラフトビール企画でも登場。参加するキャンプではだいたい料理係。コビン(クラフトケチャップ製造)某アウトドアブランドの元スタッフで、現在は規格外トマトを活用したクラフトケチャップを手がけている。アレキサンダーリーチャン(ALEX飯店)GO OUT本誌でもレシピを紹介してくれていたALEXが、今回はこだわりの鍋レシピを披露。

今回、集まってもらったのは、昨年クラフトビール企画でも登場してくれたTOMさんと、クラフトケチャップを製造しているコビンさん、そして「ALEX飯店」でお馴染みのアレキサンダーリーチャンさん(以下、ALEX)の3名。

3人には、冬キャンプで食べたい鍋を考えてもらい、それぞれ持ち寄ってもらいました。するとTOMさんはキムチ鍋、コビンさんはトマト鍋、ALEXさんはカレー鍋と三者三様の鍋が勢揃い。そして贅沢なこと、全部作って食べ比べします。

TOM「ほんとだったらキャンプに来たらバーベキューとかしたいところだけど、冬は寒くてとても無理。シェルターの中でぬくぬく鍋を食べるのが一番いいよね。」

コビン「やっぱりキャンプで作るものだから、簡単に作れるのが一つのポイントかなとは思いますね。でもお鍋スープがそのままパウチになっているのは楽だけど少し嵩張るし、せっかくならゼロから作って自分好みの味に仕上げたいですね。」

ALEX「逆に、いろんな食材を使ってみて、実験的にいろんな味を試せるのも鍋の良さ。味だけじゃなく見た目にもこだわっておしゃれにするのもありだと思うな。」

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こだわり出汁にレトルトカレーを大胆に合わせたカレー鍋。

カレー鍋の材料:バター、ニンニク、生姜、昆布、ニボシ、フライドオニオン、チーズ、粉末出汁、春菊、白菜、ハナビラダケ、切り餅、ラディッシュ、ピンクペッパー、そしてALEX飯店のレトルトカレー「きのことワイン無塩カレー」。
基本的に調理中の味付けに塩を使わないので、あと乗せで味を調節するための塩を、カレー付属のものを合わせ5種類も用意。

最初はALEXさんのカレー鍋。出汁も即席に頼らず、昆布や煮干しなど素材を準備。キーとなるカレーの味付けには、ALEX飯店と日本初のクラフトレトルトフードブランドである「ONE POT WONDER」がコラボした「きのことワイン無塩カレー」を使用。

鮭に火が通ったところで、レトルトカレーを投入。昆布とニボシから丁寧に取った出汁に惜しげもなくカレーを混ぜるという贅沢な鍋に。シャケの切り身は漁港勤めの友人が送ってくれた物だそう。

まずオリーブオイルを鍋に敷いて、ニンニクと生姜を炒め、そのあと昆布やニボシを投入して丁寧に出汁を取るかと思いきや、飲んでいたクラフトビールをアドリブで投入。なんともストリート感あふれる料理スタイルを披露。出汁が取れたあと、野菜やシャケの切り身を入れて煮えたらカレーを混ぜます。

ALEX「鍋はいろんな食材をノリで入れて楽しめるのも良いところですよね。」

カレーが全体的に混ざると、仕上げにフライドオニオン、チーズ、ピンクペッパーを上に乗せて完成。見た目にも華やかなカレー鍋が完成した。今回は締めの餅も一緒に入れて一緒に煮ている。

ALEX「ピンクペッパーは料理に彩りを添えるのにめちゃ重宝します。これをちょっと振りかけるだけでオシャレ。味のアクセントにもなります。この鍋はほぼ塩を使ってないのでお好みで塩をふりかけて食べてみて下さい。」

コビン「一口目は甘さを感じますね! カレールーで作るカレー鍋と違って、重たい感じがしないです!カレー鍋というよりかはスパイス鍋って感じかも。ピンクペッパーがパンチを効かせていて、仕事をしてます!」

TOM「無塩カレーだけど、サーモンとチーズで十分塩味が効いている! ラディッシュとかハナビラタケとか普段鍋に入れないけど、美味しいですね!」

ALEX「ラディッシュって意外とお鍋に合いますよね! よかったら塩も振ってみて。ちょっとかけるだけでも全然味が変わって、塩って美味しいなって思うから(笑)」

ハーブを多用した香り豊かなトマト鍋。

トマト鍋の材料:トマト、ソーセージ、鶏もも肉、キャベツ、玉ねぎ、かぼちゃ、ブロッコリー、マッシュルーム、ジャガイモ、トマトジュース、水、塩胡椒、ハーブ、ケチャップ
ケチャップは、コビンさんが手掛ける、商品化されない規格外トマトを使った、無添加のクラフトケチャップを使用。締めにはパスタを用意。

お次はコビンさんのトマト鍋。もちろん味付けには、自身が手がけているクラフトケチャップを使用。複数種類のハーブを使うことで、香りと味わいの深い鍋ができるとのこと。

ポイントは煮込む際に入れるブーケガルニ。ローレル、オレガノ、ローズマリー、オールスパイス、サボリ、タイム、パセリ、フェンネルの8種のハーブやスパイスが一包みになっている。使いやすく、いろんな料理に入れやすい。

まずはオリーブオイルを鍋に敷いて、ハーブ(ローレルとタイム)を炒めて香りを引き立たせる。その後、鶏肉を投入し焼き色がつくまで炒める。その後、水、トマトジュース、ケチャップ、他の具材を入れ煮込む。その際、8種類のハーブを一包みにした「ブーケガルニ」を入れることが美味しさの秘訣。

完成したトマト鍋。左上に垂れているのはブーケガルニの糸。食べる前や、風味を出し切ったあとなど、好みのタイミングで取り出せる。

コビン「ブーケガルニは細かい分量とかを気にせず使えるのでとても便利です。ポンと入れるだけで料理の仕上がりが全然変わってきます!」

TOM「お野菜本来の味を楽しめるお鍋。トマトがうまい具合にまとめてくれてる!」

ALEX「キャベツを別で炒めて入れてあるんですね! 美味しいです。ちょっとコゲになっているところがまた旨味になっていていいですね!」

コビン「結構キャンプって、野菜とか食べずに結構偏りがちなメニューになることが多い気がするんですけど、鍋なら自然とお野菜を摂れるのでいいですよね。」

締めのパスタには今回はペンネを使用。

コビン「追加でチーズを入れても美味しいですよ!」

あっという間にできちゃう、間違いなしなキムチ鍋。

キムチ鍋の材料:豚バラ肉、冷凍餃子、キムチ、ニラ、ネギ、もやし、えのき、しめじ、白菜、キムチの素、締め用の辛ラーメン。
いわゆるキムチ鍋用のスープを使わないのがポイント。持ち運びやすく、量の調節もしやすい。

最後はTOMさんのキムチ鍋。一般家庭でも今や定番のキムチ鍋ですが、TOMさん流は家でキムチを漬ける時に使用する市販の「キムチの素」を採用。他にも冷凍餃子を使うなど、お手軽さも重視した食材選び。

TOM「キャンプではできるだけ包丁を使わないような食材を選びますね。今回も使うのはキッチンバサミオンリーです。」

豚バラ肉は、一緒に煮込まず、炒めてから最後に乗せる。味が濃い冷凍餃子を一緒に煮込むと、出汁が出て鍋全体が美味しくなる。

TOMさんのキムチ鍋は、最初にどんどんお野菜を投入。その上からキムチ鍋の素をかけて煮込む。煮込む途中で、油揚げと餃子を乗せる。豚バラ肉は別のフライパンで炒めてから入れるのがこだわり。肉本来の旨みを楽しめるそう。最後に、キムチとニラを乗せたら完成。

なんとキムチ鍋はものの15分で完成。すぐ完成するのはキャンプでも嬉しいポイント。

TOM「この鍋はもうかれこれ20年くらい作り続けてきた味ですから。名付けて“トムチ鍋”といったところですかね!(笑)」

TOM「味が濃い!(笑) これまで食べた2品と比べるとだいぶジャンクだけど、これがうまいんですよね。スープが染みまくった油揚げがまた美味しいんですよ。」

コビン「これはわかりやすくみんなが好きな味ですね! ピリ辛で体も暖まりそう!」

ALEX「冷凍の餃子から旨みが出てる! 実は僕は少しキムチが苦手なんだけど、キムチ独特の酸味がなくて美味しい。苦手な人でも食べられるね。 」

TOM「締めはインスタントの辛ラーメンの麺を入れます。付属のスープは入れても入れなくてもOKです!」

TOM「3人とも全然タイプの違う鍋でしたけど、どれも美味しかったですね! やっぱりこだわってるからか、どれも味わい深かったです。」

コビン「出来立ての鍋を3種類食べてだいぶ体も温まりました!」

ALEX「TOMくんの鍋を最後に食べてよかったね! 前の二つは優しめな味だったから、最初に食べていたら他の鍋はもう味しなかったかも(笑)」

スタッフも味見しましたが、3人の鍋はまさに三者三様、味も見た目もそれぞれの個性が現れており甲乙つけ難かったです。真似してみたいと思う一方で、自分なりのこだわりレシピの鍋を作ってみたいとも思わせられました。

即席鍋もキャンプには相性良し。

最後に、キャンプのとの相性の良さなら「こんなのもあるよ!」ということで、ここではほぼ準備不要の即席鍋を紹介!

鍋があればOK。入れて煮込むだけで完成の鍋セット。

(左上)紀文の「調理済みおでん」。スープと具材が袋に入っており、袋のまま湯煎でも、鍋に入れて煮込むでも調理が可能。写真の静岡風以外にも、ベーシックなおでんから、青森風や味噌煮込みなど5種類の味をラインナップ。(左下)キンレイの「お水がいらない鍋焼うどん」。お鍋に入れて温めるだけでできる冷凍うどん。鍋焼き以外にも、チゲや牛すき焼き、ほうとうといったバリエーションを揃えている。(右)上田商店の「博多もつ鍋」。スープ、もつ、麺、にんにく、唐辛子のセット。このままでももちろんニラやキャベツなどお好みの野菜を加えて食べることもできる。

スーパーに行くと、鍋に入れて温めるだけで出来上がるインスタント鍋が意外と豊富にラインナップされています。鍋と言わずとも、少し大きめのクッカーがあればあっという間にお鍋が出来上がるので、キャンプの心強いお供です。

鍋すら不要の簡単鍋。

(左)寄せ鍋セット(右)鍋焼きうどんセット

このアルミ鍋タイプの即席鍋ならなんとクッカーすら不要でお鍋を楽しめます! スーパーを探すと、寄せ鍋や味噌煮込みうどんなど、いろんなタイプの即席鍋があるので、ぜひ探してみて!

熱々お鍋で冬キャンプでも温かく。

今回はこだわり派な3人に、それぞれ得意の鍋を振る舞ってもらいましたが、やはりスパイスやハーブ、辛味など、体を温めるような工夫がされた鍋は冬キャンプとの相性が良さそうです。また、しっかり煮込まれた熱々のお鍋なら、どんな味でも温まることができそう。

ぜひ、今年の冬キャンプでは熱々鍋でポカポカのキャンプを楽しんでください。

Photo/Taizo Shukuri

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GO OUT編集部
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