クラフトビールLOVE! ボクらがクラフトビールにハマった理由。

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2023.7.20更新

ボクらの一番身近なお酒といえば、ビール! 大手飲料メーカーからは毎年たくさんの新銘柄が発売されますが、近年は国内外で独自のこだわりを持って作られた「クラフトビール」が数多く誕生しており、その個性的な味に惚れ込んだファンから多くの支持を得ています。

もちろん流行りに乗じて飲んだことはあるけれど、そもそも何なのか、どんなものを選んでいいかわからないということで、“クラフトビールLOVE”を自認する5人に集まって頂き、その魅力を聞いてきました。

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今回集まって頂いた5人のメンバー。左から、セレクトショップ「RIVERSIDE BASE」ディレクターの相馬さん、河口湖に構える人気アウトドアストア「STANDARD point」オーナーの長田さん、アウトドアコーディネーターのトムさん、アウトドアPRやイベント制作を行うテンシックス代表の月岡さん、二子新地のアメリカンダイナー『CRAFTHOUSE TALKIE’S』オーナーの斉藤さん。

Table Of Contents : 目次

What’s Craft Beer ?

本題に移る前に、まずはそもそもクラフトビールって何なのか、どんな種類があるのかなどを整理してみましょう。

―クラフトビールの起源って? 地ビールとは何が違うのでしょうか。

トム 「ビールといえばヨーロッパが有名ですが、クラフトビールという言葉の発祥はアメリカですね。大手企業が作るものとは異なる、小規模で独立性の高いブルワリーが生産するビールと定義されています。

日本でも1994年の酒税法改正により、手軽に、そして身近にビールが作れるようになったことから、手作りのビール、いわゆる“地ビール”が誕生。でも当時の地ビールは“ご当地ビール”というお土産品的な扱いが強く、ブームは一旦沈静化しました。

その後2010年ごろから再燃。全国各地に個性的で独創的なブルワリーが登場し、本物志向で美味しさを追及したビールが注目されはじめて広く“クラフトビール”と呼ばれるようになりました」

自他ともに認めるクラフトビール好きであるトムさん。定期的に仲間と一緒にクラフトビールキャンプを開催しているそう。

トム 「ビールの原材料って基本的に、水、麦芽、ホップ、酵母の4つなんですよ。発酵方法の違いでラガー系、エール系、自然発酵に分かれるんですが(以下表参照)、そのエール系の中にペールエールっていうイギリス生まれのジャンルがあって、そのペールエールをイギリスの大航海時代にインドへ輸出する際に、ホップを沢山入れたんですよ。そうしないと味が落ちちゃうという理由で。そうやって作られたのがインディアンペールエール、頭文字をとってIPAって言われてます」

ラガー エール 自然発酵
下面発酵。ラガーは「貯蔵」を意味するドイツ語から。低温で長期間発酵させるため品質が安定。爽やかでキレのある飲み口に。 上面発酵。ラガーより歴史が古く、逆に高温かつ短期間で発酵させる。華やかで味わい深く、常温でも楽しめるものが多い。 培養されたビール酵母を使わず、木樽などで自発的に発酵させる伝統的な製法。ワインのような酸味が特徴でワイルドエールとも呼ばれる。
ピルスナー(ヘレス、ボヘミアンピルスナー、ジャーマンピルスナー) ヴァイツェン、IPAペールエールサワーエール、ポーター/スタウトなど ランビック(ストレート、グーズ、フルーツ)

例えば、こんな1本を。

上記の表だけでは説明不足しきれないのが奥深きクラフトビールの世界。そこで今回みなさんに持ち込んでもらったクラフトビールの中から厳選しつつ、種類と特徴をまとめてみました。

ペールエール

Sierra Nevada Pale Ale

発祥はイギリスで、色が淡い(Pale)エールという意。アルコール度数や苦味を抑えたイギリス生まれのイングリッシュ・ペールエールと、ホップの香りが強いアメリカン・ペールエールに分類される。写真はアメリカの老舗ブルワリー「シエラネバダ」の定番の1本。

斉藤「ボクにとってペールエールと言えばコレ。アメリカン・ペールエールの代表格ですね。爽やかで何度でも飲みたくなる味わいですよ!」

IPA(アイ・ピー・エー)

反射炉ビヤ OSAKEMAN IPA

ホップが強く効いたIPAは、独特の香りと苦味が特徴で世界中で人気のビール。一般的にアルコール度数が高めのものが多いが、最近ではアルコール度数を低く抑えた「セッションIPA」、苦味より香りを効かせた「ヘイジーIPA」など、さらに細分化される。写真はキャンプ系Youtuber「伊豆のぬし釣り」と静岡のブルワリー「反射炉ビア」の共同作。

長田「キャンプで最高の乾杯をするなら間違いのない1本。IPAのなかでは飲みやすいので初心者におすすめです!」

ヘイジーIPA

HOPWORKS URBAN BREWERY ROBOT PANDA HAZY IPA

IPAから派生したスタイルのひとつで、ヘイジーは英語の “Haze(霧、もや)”からきており、濁りのあるIPAのことを指す。アメリカのニューイングランド地方発祥のため、ニューイングランドIPAとも呼ばれ、香り豊かで苦味が控えめなのが特徴。パッケージデザインがインパクト大なこちらは、ポートランド発のブルワリーによる1本。

相馬「ヘイジーIPAは世界的に人気のビアスタイル。こちらはパッケージからは想像できない、南国果実のような優しい口当たりが特徴的です」

サワーエール

AMAKUSA SONAR BEER Fiament

エール系のなかでも酸味を特徴とするビールの総称で、ベルギーが発祥。ビール酵母以外に野生酵母や乳酸菌などを併用することで独特の酸味が生まれる。フルーツを漬け込んで発酵させたものなど作り方によっても様々。写真は熊本のAMAKUSA SONER BEERが放つスムージーサワーエール。

月岡「サワーエールは副原料によっても味が全然違うので一言で表せないですが、ほんとにビール?と疑うような個性的なものが多い印象です」

ラガー

patagonia PROVISIONS LONG ROOT LAGER

貯蔵工程で熟成させたビールがラガー。発祥はドイツのバイエルン地方で、アルコール度数は5%程度。程よい苦味と喉越しが特徴。日本の大手メーカーでもっとも多い「ピルスナー」もラガービールのひとつ。写真はパタゴニア プロビジョンズからこの夏リリースされた限定醸造のロング・ルート・ラガー。

トム「最近はラガーの波が来ているような気がしています。パタゴニアのビールはIPAもペールエールも美味しいですが、ラガーもキリッと飲みやすくておすすめです」

ワイルドエール(自然発酵)

STILL WATER OUDE NORHWEST FOUDRE

野生酵母を使った自然発酵のビールがワイルドエール。もっとも手間のかかる、もっともクラシックなスタイルのビールと言える。サワーエールとは違うナチュラルな酸味が特徴で、こちらの1本はアメリカ・ワシントン州「スティル・ウォーター」のもの。

トム「白ワインやシャンパンに近い、奥深い味わい。ワイルドエールは二次発酵させるために瓶が多いのですが、こちらは缶で出している珍しいスタイルです」


次ページでは、クラフトビールの虜となったワケを聞いた!

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