特殊部隊も唸る、最強スペックの戦闘服システム「PCU」。【米軍の戦闘服「ECWCS」とは?#3】

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アウトドアウエアのレイヤリングから着想を得て開発されたアメリカ軍の戦闘服システムECWCS(エクワックス)。これまで2回に渡ってその全容を見てきたが、今回は、特殊部隊向けに開発されたさらに先鋭的な戦闘服システム「PCU」ついてご紹介。

ECWCSについてはこちらの記事をチェック!

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ECWCSを凌駕する、特殊部隊のために生まれた新システム「PCU」とは。

米陸軍主導で開発されたECWCSは一定の評価を得ていたが、一部の過酷な任務に携わる特殊部隊の隊員などからは、防寒性能が不十分だとして不満の声が上がっていた。その理由のひとつに、陸軍の規模が大きすぎて装備の刷新に時間がかかり、民生市場におけるアウトドアウエアに比べ開発が遅れていたことがあげられた。

そこで2002年から特殊部隊を統括する特殊作戦軍(SOCOM)の主導により、ECWCSとは別に最新のスペックを持つシステムを、特殊部隊向けに開発することになった。それがProtective Combat Uniform、通称PCUだ。

LEVEL 3:ALPHA JACKET
パタゴニアが手掛けた保温中綿材ポーラーテックアルファを内封したインサレーションジャケッ ト。表面は撥水性のあるリップストップナイロン素材を採用。¥37990

 

レイヤリングに関する考えはECWCSと共通だが、素材に最新のものを 採用し短期間で世代を交替させることで、最新のアウトドアウエア並のスペックが盛り込まれている。

LEVEL 5:COLD FUSION JACKET
ビヨンド名義のソフトシェルジャケット。圧着縫製を多用しており軽量。撥水加工を施した生地は防風・通気・ストレッチ性に優れている。ADS社製。第三世代。¥12960

また、PCUの開発にはかつてパタゴニア社でテクニカルアドバイザーを務めたマーク・トゥワイト氏が携わったことから、多くのモデルがパタゴニア社で開発・製造されているのも特徴と言えるだろう。PCUはECWCSから発展した最新最高の戦闘服システムなのだ。

LEVEL 7:MONSTER PARKA
プリマロフトをふんだんに詰め込み極めて高い保温性を発揮するモンスターパーカ。こちらはSEKRI社のハウスブランドと推測されるHALYS名義。’10年、第三世代。¥37584

 

謎多き次世代の戦闘服。 LEVEL 9(PCU)

ECWCSやPCUの場合、レベルはレイヤリングの段階を表すが、実はそれ以外にレベル8や9と記載されたモデルも存在する。

これらは特殊部隊を統括する米特殊作戦軍(SOCOM)により、PCUとして実験的に採用された次世代モデルと言われ、特にレベル8は試作品に近いものだという。しかしサンプル数が少ないため全貌は不明。非常に珍しいアイテムと言えるだろう。

LEVEL 9:FIT KIT BLOUSE
パタゴニアの織りネームが付くシャツJKT で、綿50/ナイロン50%のリップストップ 生地を採用。パッドが収納できる肘当て付 き。READYONE INDUSTRIES社製。’10 年。参考商品

 

Edit/Takatoshi Akutagawa(Thunderbird Design)
Photo/Hiroyuki Yamada Styling/Takahiro Nakajima

 

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GO OUT編集部
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