巷でウワサのSHIMANOクーラー「ICEBOX」、実際に使ってみたところ。

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クーラーボックス戦国時代に新たな風が!

昨今、キャンプ用のクーラーボックスは、種類も豊富で選びたい放題なのが現状。ただし、見た目もスペックも兼ね備えたクーラーボックスは数少なく高価であること、スペックを追い求めると重厚感がありすぎる、サイズが大きすぎるなど、自分のスタイルに合うクーラーボックスを探すのはなかなか難しい。

購入して実際に使ってみて、そこまで大きくなくてよかったとか、1泊2日のキャンプではオーバースペックすぎるな、とかとか、後悔とまではいかなくても、自分を納得させるのに時間がかかる人も少なくないだろう。

数年前からのキャンプブームで、大型量販店ではクーラーボックスをコーナー展開するほど、種類も数も多い。

また、キャンプ用クーラーがここまで普及する以前の話だが、玄人キャンパーの中では釣り用のクーラーボックスを好んで使う人たちがいた。なぜなら、釣りのシーンはキャンプよりもずっと過酷で、猛暑や炎天下の中、日を遮るものもない船の上に置きっぱなしになったり、防波堤で椅子代わりにしたり、雨風にさらされることも多いため、そもそもがタフな作りであるから。

また、釣った魚を新鮮な状態で家に持ち帰ることを第一義としているため、保冷力が高くなければ使えるクーラーボックスとして認められないからだ。ただ、釣り用クーラーの唯一の欠点といえるのがデザイン性。機能の良さを知っていても、キャンプに持ち込むと浮いてしまうということがしばしばあった。

そういった釣りのシーンでトップを走ってきたあのSHIMANO(シマノ)が、釣り人に重宝がられるスペックや機能を備えながらも、スタイリッシュさにもこだわったクーラーボックスのニューライン「ICEBOX(アイスボックス)」シリーズをリリースし、話題をさらっている。

量販店でも違和感なく並ぶシマノクーラーの新シリーズ「ICEBOX」(写真中央)。

実際にフィールドに持ち出してみた。

前置きが長くなったが、今回はそんなシマノの新型クーラー「ICEBOX」を、キャンプも釣りも好きな編集部Sが使ってみた、率直なインプレッションをお届けしたい。そこにはキャンプ用クーラーボックスにはあまり見られない使い勝手いい機能や、キャンプサイトに無理なく溶け込むデザイン性の良さが見られた。

SHIMANO「ICEBOX」の主なラインナップ。スペック&色違いの4種×2サイズがそれぞれ揃う。左:カーキ色のPR。6面極厚真空パネル+発泡ウレタン採用の最上級モデル(22L¥55000/30L¥58300) 右下段:チャコール色のELは3面真空パネル+発泡ウレタン採用(22L¥31900/30L¥34100) 右中段:サンドベージュのSTは発泡ウレタン採用のミドルスペックモデル(22L¥19800/30L¥21450) 右上段:ミディアムグレーのVLは発泡ポリスチレン採用で軽量かつリーズナブル(22L¥15950/30L¥17600)

一般的なキャンプ用クーラーボックスは、基本的には同スペックでサイズ違いの数種類がラインナップすることが多いが、シマノのそれは、さすが釣り具メーカー。保冷力の異なる4種類のラインナップで、それぞれカラーが分かれている。しかもそれぞれ22Lと30Lの2サイズ展開となっているところが、キャンパーにとっては新鮮かもしれない。

今回、4種類ある中で、あえて最もリーズナブルなミディアムグレー色のVL(30L)を使用した。理由としては、手持ちのキャンプギアやクルマと色味がマッチしやすいという点と、軽さを重視したからだ。

最も保冷力の高いPROとVLでは重量が3kg近く違う(30Lの場合)。最上級モデルのPROは最高の保冷力を保つために極厚の真空ウレタンを6面(全面)に使用しており、その分重くなる。スペックの違いは、そのクーラーボックスの中に入っているウレタンやポリエチレンなどの断熱材とその数や厚さによって変わってくるということ。そのため、保冷力(スペック)とカラーマッチング、価格帯の側面から、バランスを見て選ぶ必要がある。

シマノ公式ページによるICEBOXのスペック比較。価格は税抜表記。氷保持期間は、容量比40%の氷を入れ、30℃9h-20℃15hで保管後に氷重量を測定。氷が溶けきるまでの時間を算出(シマノ調べ)。
今回はミディアムグレーのVL(30L)を使用。正直、真夏での使用や炎天下の釣りキャンプなど、超過酷なシーンであれば上位機種のスペックが必要となってくるが、1泊2日程度であればVLで必要十分。

ただし、キャンプ用クーラーボックスとの大きな違いは、保冷力などのスペックよりも、細かな機能性だ。ディテール写真を使って、気の利いた機能を見ていこう。

ワンタッチ開閉、しかも両開き!

釣りのディテールが光るポイントとしては、まず蓋の開閉がワンタッチであること、そして両開きなので、両側からアクセスできるという点。

天板のノブを引き上げるだけで簡単に蓋が開く。それでいて天板はフラットなデザインとなっているため、物を置いても、直接座っても気にならない。
家族構成にもよるが、30Lは2〜3名での1〜2泊のキャンプなら十分な容量。VLでも4日間氷が持つので保冷力も十分。
両側にノブがついているので両開きが可能。キャンプサイトのキッチンとリビングスペースの間に設置するのもいいかも。両開きができる=蓋自体を取り外せるので洗浄する際もラクそうだ。

蓋の内側には密閉性の高いゴムのシーリングが付いており保冷力を保つ。椅子代わりに座った際の冷気漏れにも対応。

ワンアクションの水抜き機能もGOOD!

もうひとつ、かゆいところに手が届くポイントとしては、水抜きの構造にある。通常はネジ式の水抜きがほとんどだが、シマノ製はワンアクションでロックを解除するだけ。自動的に蓋が跳ね上がるので、即座に水抜きが可能、かつキャップを紛失する心配もない。

CLOSEからOPENにハンドルをひねるだけで……
パカッとオープン。手の力が必要ないので子どもや女性でも楽々カンタン。

その他にも細かなこだわりが!

裏返してみると、それぞれ頑丈な台座にクッション性の高いゴムの脚がついていた。地熱の影響を受けにくい設計であることに加え、これなら室内で保管する際も床や棚を傷つけにくい。
持ち運び用のハンドルは手馴染みのいい形状で握りやすい。システムは釣り用と同様なので、ショルダーベルトなどシマノのオプションパーツも装着可。

まとめ

これらのディテールはICEBOX全ラインナップ共通となっているのも嬉しいところ。22Lと30Lの2サイズがあるので、キャンプに持ち出すならドリンク用と食材用の2つ揃えてもいいかもしれない。

キャンプサイトに映えるソリッドなカラー、ステッカチューンをしやすいシンプルデザイン。そして釣りというタフな環境で鍛え上げられてきた性能と、使いやすさを追い求めたディテール。見た目も機能も両立したいなら、ICEBOXは選択肢のひとつに入れるべきだ。

ただし、お財布事情とも相談しつつ、色で選ぶか、スペックで選ぶか、キャンプユーザーにとっては究極の選択になりそう。もしも即座にビビッと来たなら絶対に買いだ!


(問)シマノ lifestyle.shimano.com/

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GO OUT編集部
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