マムートとは?
マムートは、ロープづくりから始まったスイスの老舗アウトドアブランドだ。原点は1862年にカスパー・タナーが開いたロープ工房で、アパレルではなく、命綱というハードギアから歴史を刻んできた。
険しい山でもラフに使い倒せるタフさの象徴として、いまやおなじみのマンモスロゴが誕生したのは1943年のこと。1964年には墜落の衝撃を吸収する世界初のダイナミックロープを開発するなど、アルパイン界の技術革新をリードしてきた存在でもある。
そこで培った安全性と技術力を武器に、いまではウェアやバックパック、フットウェアまで手がける総合ブランドへと成長した。
現在掲げるのは「Rise with the Mountain – 挑戦こそが人生だ。」というブランドメッセージ。過酷な山に挑むための本格派ギアに加え、街やビジネスシーンに馴染む洗練されたアイテムも充実していて、外遊び好きのさまざまなライフスタイルに応えてくれる。
過酷な環境を耐え抜く、アルパインスペック
マムートのウェアやギアは、雪山や岩場といった厳しいフィールドで、山岳ガイドやトップアスリートによるプロトタイプのテストを重ねて完成する。机上で描いたデザインではなく、現場のリアルな声をもとにスペックを磨き上げているのが特徴だ。
たとえば、手足を大きく伸ばすクライミングの動きを想定した立体裁断。腕を高く上げても裾がずり上がりにくく、肩や背中も突っ張りにくい。この可動域の広さは、テント設営や自転車での移動といった日常の動きでも、ストレスのない着心地につながる。
GORE-TEXなどの高機能素材を使ったモデルなら、雨風を防ぎながら衣服内のムレも逃がしてくれるので、山の急な天候変化やフェスでの突然の雨でもドライな状態を保てる。さらに、岩肌やギアとの摩擦に強いタフな表地のアイテムなら、重いバックパックを背負っても、薪を抱えても、ダメージを気にせずガシガシ使える。
一見オーバースペックな山岳仕様の機能が、結果的に外遊びのあらゆるシーンを快適にしてくれるのだ。
街でもフィールドでも映える、スイス発の機能美
アウトドアウェアというと、アメリカ系ブランドのゆったりとしたサイズ感を思い浮かべる人も多いかもしれない。対してマムートは、体のラインに沿うすっきりとしたシルエットのアイテムが多いのが特徴。街で着ても着膨れしにくく、いわゆる「ヨーロピアンシルエット」できれいにまとまる。
欧州サイズだと袖丈が気になる……という人には、日本人の体型に合わせたAF(アジアンフィット)モデルも用意されているので安心だ。
ロゴやカラーの選び方次第で、山仕様にも街仕様にも振れるのもうれしいところ。おなじみのマンモスロゴは、フィールドで映える赤×黒の定番配色のほか、生地となじむ同色で控えめに仕上げたモデルもある。
カラーも、雪山で視認性の高いビビッドな赤やオレンジから、ブラックやオリーブといった落ち着いたトーンまで幅広い。ロゴも色も抑えた一着を選べば、アウトドアらしいスポーティさがほどよく抜けて、スラックスやきれいめなパンツと合わせたビジネスカジュアルにもすんなり馴染む。
山でも街でも、さらりとサマになる。それもまた、マムートを選ぶ理由のひとつだ。
各界のトップランナーと仕掛ける、妥協なきコラボ
マムートの確かな機能性は、アウトドアの枠を超え、異分野のクリエイターたちをも惹きつけている。藤原ヒロシ氏が主宰する「fragment design」をはじめ、これまでに錚々たる顔ぶれとタッグを組んできた。
英国の「ナイジェル・ケーボン」とは、1969年に日本隊が切り拓いたアイガー北壁の“日本直登ルート”にオマージュを捧げ、当時の遠征装備をベンタイルやウールといったクラシックな素材で再構築。「eYe JUNYA WATANABE MAN」との協業では、マムートのアーカイブを渡辺淳弥氏の視点で再解釈したジャケットなどが揃った。カシオの「PRO TREK」からは、マムートオリジナルの雪山柄をバンドにプリントしたコラボウオッチも登場している。
どのコラボも単なる色替えやロゴ使いでは終わらないが、なかでも象徴的なのが、fragment designとの協業で生まれたアバランチビーコン(雪崩捜索用トランシーバー)「Barryvox(バリーボックス)」の特別仕様だ。
藤原氏自身も雪山で愛用しているアイテムで、ビーコンの普及率を高め、より多くの人に安全に雪山を楽しんでほしいという両者の思いから実現したという。人命に関わる安全装備にまで踏み込めるのは、ロープづくりから始まったマムートだからこそといえるだろう。
フィールドに合わせて選ぶ、マムートの主要ライン
本格的なアルパインギアから都市生活向けのバックパックまで、マムートのラインナップは実に幅広い。スペックを突き詰めた一着を選ぶのもギア好きのロマンだが、自分の用途や「遊びのフィールド」に合ったラインを知っておけば、より実践的で快適なアイテム選びができる。
ここでは、代表的な4つのラインを見ていこう。
Eiger Extreme|極限のアルパイン環境を想定した最高峰コレクション
1995年の誕生以来、マムートのフラッグシップとして進化を続けてきたライン。世界トップクラスのアスリートとテストと改良を重ねて開発されており、アルパインクライミングやアイスクライミングといった極限の現場を想定している。
GORE-TEX Proをはじめとする最高水準の素材を惜しみなく使い、オレンジ×ブルーの鮮やかな配色も山での視認性を考えたもの。キャンプや街で着るには贅沢すぎる仕様だが、ブランドの最先端技術をまるごと味わえるという意味では、ギア好きにとってロマンの詰まったコレクションだ。
Hiking/Mountaineering|登山やハイクの主力カテゴリー
ハードシェルやソフトシェルから、フットウェア、バックパックまで幅広く揃う、マムートの軸となるカテゴリー。アイガーエクストリームほど尖った仕様ではないぶん、耐久性と着心地のバランスに優れているのが特徴だ。
日帰り登山はもちろん、週末のキャンプや野外フェスなど、身近な外遊びで最も出番が多くなるラインナップといえる。マムートの実用性を日常やフィールドで体感するなら、まずはここから探すのがセオリーだ。
Fast & Light/Trail Running|軽さとスピードを重視
「軽さ」と「動きやすさ」を突き詰め、フィールドをより速く、より遠くまで楽しむためのカテゴリー。ハードシェルや中綿ジャケットからトレイルランニング用のシューズまで揃い、なかには重さ200gを切るハードシェルジャケットもある。
軽くてコンパクトに持ち運べるアイテムが多いので、トレランやファストハイクはもちろん、自転車での移動や、旅行・出張で荷物を減らしたいときにも重宝する。
Urban Collection|山の技術を街の生活へ
「From Work to Climb」をテーマに、仕事の時間からアフターワークのアクティブな時間までを自由に行き来する都市生活者に向けたコレクション。一見するとミニマルで上品なルックスだが、そのなかには山で培った技術が落とし込まれている。
代表的なのが、バックパックの「Seon(セオン)」シリーズだ。PCや書類を入れる「WORK」スペースと、仕事帰りのジムの着替えなどを入れる「CLIMB」スペースが分かれていて、オンとオフの荷物をひとつにまとめられる。
バッグのほかにも、3層構造の透湿防水素材を使ったハードシェルコートなど、ビジネスにも休日の街歩きにも馴染むアウターが揃う。
道具好きを魅了する、マムートの定番アイテム
数あるラインナップのなかでも、ギアとしての実用性と洗練されたルックスを兼ね備えたマムートの「定番」モデルたち。山岳スペックを日常に落とし込んだアウターから、天候を問わずタフに使えるフットウェアまで、道具としての完成度が高く、長く付き合える頼もしい名作をピックアップして紹介しよう。
Ayako Pro 2.0 HS Hooded Jacket AF Men Classic|山から街まで使える定番シェル

Ayako Pro 2.0 HS Hooded Jacket AF Men Classic ¥61600
マムートのハードシェルにおいて、山から街までを網羅する定番モデル「アヤコ プロ 2.0」。本作は左袖に黒×赤の旧ロゴを復刻したクラシック仕様だ。
ヘルメット対応の立体フードや止水ファスナー、脇下のベンチレーションなど、冬の山にも対応する本格的な全天候型スペックを搭載。それでいて無駄のないシンプルなルックスは、街着にもすんなり馴染む。マムートの実用性を体現する、王道の一着だ。
Crater IV HS Hooded Jacket|本格山岳向けのハードシェル
クレーター 4 ハードシェルフーデッド ジャケット ¥72600
マムートの「Mountaineering」カテゴリーを代表する、3レイヤーGORE-TEX搭載の本格ハードシェル。表地と裏地に100%リサイクル素材を採用しつつ、耐水圧28,000mmというタフなスペックを誇る。
ヘルメット対応のフードや、クライミングハーネスに干渉しないポケットなど、山岳由来のディテールが満載だ。それでいて無駄のないミニマルなルックスに仕上がっており、過酷なフィールドから日常の雨風まで頼もしくカバーしてくれる。
Gravity Insulation Hooded Jacket|冬の保温着

グラビティ インサレーションフーデッド ジャケット ¥51700
冬のフィールドで頼りになる、750フィルパワーのグースダウンをたっぷり封入した一着。特徴的なのは、表地に採用された超軽量素材「Pertex Quantum」だ。特殊な糸の構造により、ダウンジャケットでありながら擦れに強い高い耐摩耗性と撥水性を実現している。
重いバックパックを背負っても生地のダメージを気にせずタフに着込めるのが頼もしい。撥水ジップなどの実用的なディテールも備え、寒さの厳しい山から冬の街着まで幅広く活躍してくれる。
Seon Transporter|仕事と外遊びをつなぐバックパック
左から/Seon Transporter JE 15 BNY ¥23100、Seon Transporter JE 25 BNY ¥26400
マムートの都市型ラインを代表するバックパック「Seon Transporter」。PCや書類を収納する「WORK」ルームと、仕事帰りのジムの着替えなどを入れる「CLIMB」ルームを独立して配置。フルオープンになるボックス型の設計により、出先でもモバイルオフィスのようにスムーズに荷物へアクセスできる。
撥水性の高いポケットやキャリーケース用ループも備え、日常の通勤から出張までタフに支えてくれる。
Aenergy TR 5|Fast & Lightを象徴する小型パック
Aenergy TR 5 ¥27500
重量わずか180gに抑えられたトレイルランニング用ベスト。人間工学に基づいたショルダーストラップや細かな調節機能により、走行時の不快な揺れを防ぐ高いフィット感を実現している。
ハイドレーション対応のスリーブや、行動食に素早くアクセスできるドロップインポケット、ポールキャリアなど実用的なギミックも充実。スピードが求められるファストパッキングから、荷物を最小限にしたい身軽な外遊びまで重宝する。
Sertig II Low GTX|街にも取り入れやすいフットウェア
Sertig II Low GTX ¥22000
アクティブな日常からハイキングまで対応する、軽量な多機能シューズ。アッパーに「Gore-Tex Invisible Fit」を採用することで、高い防水性を確保しつつ、ゴアテックス特有の硬さや重さを抑えた快適な履き心地を実現している。
厚みのあるEVAミッドソールが着地時の衝撃をしっかり吸収し、独自ラバーが不整地でも確実なグリップ力を発揮。天候を問わず、街歩きから休日の外遊びまでシームレスに履き回せる一足だ。
その世界観を肌で感じるなら、全国の主要直営店へ
マムートのアイテムを実際に手に取って確かめるなら、直営店へ足を運ぶのが確実だ。
東京エリアの拠点は、関東のフラッグシップストア「MAMMUT 新宿」。クライミングギアや雪崩対策の装備まで、本格ギアから街着までフルラインナップが揃う。RAYARD MIYASHITA PARK内の「MAMMUT 渋谷」は、マムート初の都市型コンセプトショップとして誕生した店舗だ。
西日本の旗艦店となるのが、グランフロント大阪南館の「MAMMUT 大阪」。この大阪と「MAMMUT 福岡天神」には、ブランド体験スペース「ヒュッテ1862」があり、六甲山やくじゅう連山の3D造形を前に、スタッフからハイキングや登山コースの提案を受けられる。
ほかにも札幌や名古屋など、全国の主要都市に直営店を構えている。スタッフに相談しながら、納得いくまで試着できるのが直営店ならではのメリットだ。
近くに店舗がない場合は、公式オンラインストアを活用したい。商品ページには実寸が載っているので、手持ちの服と見比べながらサイズを選べる。直営店とオンラインを上手に使い分けて、自分のフィールドに合う一着を見つけてほしい。
FAQ
Q.マムートのサイズ感は?
A. アパレルはEUROサイズ、シューズはUKサイズ表記のため、日本の表記とは基準が異なる。商品ページの実寸を確認して選ぶのが確実だ。なお、商品名に「AF(アジアンフィット)」とつくモデルは、袖丈や着丈を日本人の体型に合わせたもの。ただし、サイズ表記はAFモデルでもEUROサイズのままなので、選ぶときは実寸を確認したい。
Q.マムートは値段が高い?
A. ハードシェルで見ると、4万円台から10万円を超えるモデルまであり、決して手頃とはいえない。ただ、その多くに高機能な防水透湿素材が使われ、最高峰のアイガーエクストリームに至っては、アスリートとテストを重ねて開発されている。さらに直営店や取扱店を通じた修理サービスもあるので、傷んでも直しながら長く付き合える。長い目で見れば、決して割高とはいえないだろう。
Q.登山だけでなく、街着やビジネスでも使える?
A. 使える。マムートのアパレルは、体に沿うすっきりとした「ヨーロピアンシルエット」が特徴で、街着やビジネスカジュアルにもすんなり馴染む。都市生活やビジネスシーンに向けた「Urban Collection」も展開している。
Q.破れや破損時の修理・リペアサービスはある?
A. ある。直営店や取扱店に持ち込めば、提携の修理工場で有償修理を受けられる。料金は修理箇所ごとに公式サイトの料金表で確認可能だ。ただし、経年劣化が進んだものや状態によっては修理できない場合があり、サイズ直しも対象外となる。

















