ツールームテントとは?
ツールームテントとは、寝室となるインナーテントと、リビングとして使える前室が一体化した構造を持つ大型テントのこと。タープとテントを別々に張らなくても、ひと張りで「くつろぐ・食べる・眠る」というキャンプの基本動作をまとめてカバーできるため、ファミリーキャンプやグループキャンプの定番として広く支持されている。
前室は、テーブルやチェアを置いてリビングとして使えるほか、荷物置きや子どもの遊び場としても活躍。靴のまま出入りできる半屋外空間があることで、テント内の生活動線が整理しやすく、キャンプ中の動きに無理が出にくいのも特徴だ。
設営にはある程度のスペースが必要になるものの、その分テント内で過ごす時間は格段に快適。近年はフレーム構造の改良や色分けポールなどにより設営手順がわかりやすくなり、扱いやすいモデルも増えている。天候に左右されにくく、キャンプ場を拠点として腰を据えて過ごしたい人にとって、安心感のある選択肢といえる。
リビングスペース+寝室スペースが分かれた構造
ツールームテントの基本は、リビングスペース+寝室スペースが明確に分かれていること。
寝室部分はインナーテントとして独立し、メッシュやフロア付きで虫や冷気を防ぎながら快適に就寝できる。一方、前室は靴のまま出入りできる半屋外空間として機能し、テーブルやチェアを置いてリビングのように使える。
生活空間を分けられることで、キャンプ中の動きに無理がなくなり、自然と“家に近い感覚”で過ごせるのが特徴だ。
快適性や滞在性を重視した設計
ソロテントやドームテントは、軽量・コンパクトで設営が簡単な反面、居住空間は最小限。一方ツールームテントは、快適性や滞在性を重視した設計が大きな違いになる。
ワンポールテントやロッジ型テントと比べても、リビングと寝室が分かれていることで生活動線が整理しやすく、人数が増えても窮屈さを感じにくい。
「長時間テントで過ごす」「天候に左右されずキャンプを楽しみたい」「家族みんなが快適に眠れる空間がほしい」──そんなニーズに応えてくれるのがツールームテントだ。
ツールームテントの魅力
ツールームテントの魅力は、単に“広い”ことではなく、キャンプ中のストレスを減らしてくれる設計にある。居住性・安心感・汎用性のバランスが取れている点が、多くのキャンパーに選ばれる理由だ。
過ごし方にメリハリが生まれる
リビングと寝室が明確に分かれていることで、キャンプ中の生活にはっきりとしたメリハリが生まれる。就寝スペースを「休む場所」としてきちんと確保できるため、テント内での過ごし方に無理が出にくい。
例えば、子どもを先に寝かせたあとでも、大人は前室でランタンを灯しながらゆっくり会話や食事を楽しめる。寝室と空間が分かれていることで、物音や明かりを気にしすぎずに済むのは、ファミリーキャンプでは大きな利点だ。また、濡れたギアや靴、クーラーボックスなどを寝室に持ち込まずに済むため、就寝スペースを清潔に保ちやすく、快適な睡眠にもつながる。
朝の時間もゆったり過ごしやすい。起きてすぐ前室に出れば、コーヒーを淹れたり朝食の準備に取りかかれたりと、身支度を整えながら自然に朝の支度が進む。寝室とは空間が分かれているため、まだ眠っている家族を起こさずに動けるのもうれしいポイントだ。
テントの中で「さあ、何をしようか」と迷う時間が減り、朝の空気を楽しみながら落ち着いて過ごせる。この余裕こそが、ツールームテントならではの快適さといえる。
天候に左右されにくい
ツールームテントは、雨や風といった天候変化に強い点も大きな魅力のひとつ。広い前室が屋根付きの半屋外空間として機能するため、雨の日でも濡れずに調理や休憩ができ、急な天候悪化にも落ち着いて対応しやすい。
風を受け止める面積が大きく、サイドパネルを下ろせば冷たい風の侵入を軽減できる。寒い季節は前室が“緩衝帯”となって冷気を和らげ、夏場は強い日差しを遮ってくれるため、季節を問わずテント内の体感温度を整えやすい。ベンチレーションを活かせば、蒸れにくさも確保できる。
「天気が崩れたらどうしよう」という不安を減らしてくれる点は、ファミリーやキャンプ初心者にとって特に心強いポイントだ。自然条件を完全にコントロールすることはできないからこそ、ツールームテントのように余裕のある構造が、アウトドアでの安心感と快適さを大きく底上げしてくれる。
ツールームテントの使用シーン
ツールームテントは汎用性の高いテントだが、すべてのキャンプスタイルに万能というわけではない。使う人数や過ごし方、キャンプ場の環境によって、快適さの感じ方には差が出る。ここでは代表的なシーンごとに、ツールームテントの向き不向きについて整理する。
最も活躍するのはファミリーキャンプ
ツールームテントが最も力を発揮するのが、ファミリーキャンプだ。リビングと寝室が分かれていることで、生活空間にメリハリが生まれ、子ども中心のキャンプにも対応しやすい。例えば、子どもを先に寝かせたあとも、大人は前室で食事や団らんを楽しめるし、雨の日でもテント内で安全に過ごせる。
荷物が多くなりがちなファミリーキャンプでも、前室にクーラーボックスやベビーカー、遊び道具をまとめて置けるため、寝室をすっきり保ちやすい。着替えやオムツ替えなど、人目を気にせず行えるのも大きなメリットだ。
一方で、サイズが大きいため設営にある程度の時間とスペースが必要になる点は考慮しておきたい。とはいえ、それを補って余りある快適性が、ファミリー層から支持され続ける理由といえる。
デュオ・グループキャンプでのリビングに
大人2人のデュオキャンプや、友人同士のグループキャンプでも、ツールームテントは活躍する。広い前室があることで、天候を気にせず食事や談笑ができ、ゆったり過ごせる拠点になる。
グループキャンプでは、全員が同じテントで寝るというより、リビング部分を共用し、寝室は最小限に使うスタイルも多い。そうした場合、ツールームテントは“半屋内のリビング”として機能し、タープ代わりの役割も果たしてくれる。ただし、人数に対してテントが大きすぎると設営や撤収が手間に感じることもあるため、注意が必要だ。
オートキャンプでより快適性を拡張
ツールームテントは、オートキャンプ場との相性が非常に良い。車を横付けできる環境であれば、大型テントや重めのポールも運びやすく、設営時の負担が大きく軽減される。車内を“物置”として併用しつつ、テントを生活拠点としてしっかり構えられるため、快適性を重視したキャンプがしやすい。
また、区画サイトが整備されているキャンプ場では、ツールームテントのサイズ感を活かしやすく、レイアウトも組みやすい。逆に、フリーサイトや林間サイトでは、設営スペースの確保が難しい場合もあるため、事前にサイトの広さや地形を確認しておくことが重要だ。
「車で行けて、腰を据えて過ごすキャンプ」を前提にするなら、ツールームテントは非常に心強い選択肢となる。
ツールームテントの選び方
ツールームテントはモデルごとの個性が強く、サイズ感や構造、素材の違いによって使い勝手が大きく変わる。見た目や価格だけで選んでしまうと、「思ったより狭い」「設営が大変」「天候に不安が残る」といったミスマッチが起こりがちだ。ここでは、購入前に押さえておきたい3つのポイントを整理していく。
表記人数より余裕を持ったサイズを選ぶ
ツールームテント選びで最初に考えたいのが、サイズと収容人数のバランスだ。「◯人用」という表記は、あくまで就寝可能な最大人数を示していることが多く、実際の快適人数とは異なる場合がある。
例えば、4人用と表記されていても、リビングにテーブルやチェアを置き、荷物をしっかり収納するとなると、大人2人+子ども2人が現実的なラインになることが多い。大人だけで使う場合は、表記人数より1〜2人少なめを目安にすると、余裕を持って過ごしやすい。
また、テント本体のサイズだけでなく、設営に必要なスペースも考慮したいポイント。前室をしっかり張り出すタイプは、区画サイトによっては窮屈に感じることもある。よく利用するキャンプ場のサイトサイズをイメージしながら選ぶと失敗しにくい。
構造によって設営のしやすさが変わる
ツールームテントは構造によって、設営の難易度が大きく変わる。代表的なのは、フレームを組み上げる「フレームドーム型」と、ポールを通して立ち上げる「トンネル型」。それぞれに特徴がある。
フレームドーム型は、自立性が高く、設営後の安定感があるのが魅力。多少風があっても形を保ちやすく、初めてのツールームテントとしても安心感がある。一方、トンネル型は居住空間が広く取れる反面、ペグダウンが前提になるため、設営には少し慣れが必要だ。
最近は、色分けされたポールや吊り下げ式インナーテントなど、設営を簡略化する工夫が進んでいるモデルも多い。設営時間を短くしたい人や、設営・撤収を1人で行う可能性がある場合は、「何分で設営できるか」「何人で設営する想定か」といった点もチェックしておきたい。
フレームの強度や生地の素材選びも重要
快適に過ごすためには、耐候性の高さも重要な判断基準になる。ツールームテントは面積が大きい分、風や雨の影響を受けやすいため、フレームの強度や生地の素材選びが快適性を左右する。
フレームは、軽さを重視するならアルミ、安定感を重視するならスチールを選ぶのがおすすめ。生地については、ポリエステルが主流で、耐水圧の数値が高いほど雨に強い。加えて、縫い目のシーム処理や、ベンチレーションの配置も雨天時の快適性に直結するポイントだ。
風対策としては、スカート付きモデルや、張り綱を多く取れる設計かどうかも確認しておきたい。季節を問わず使いたいなら、夏の通気性と冬の防風性、その両方に配慮されたモデルを選ぶことで、使用シーンの幅がぐっと広がる。
おすすめのツールームテントブランド
ツールームテントは各ブランドからさまざまなモデルが登場しており、性能や設計思想がそれぞれ異なる。ここでは、定番から個性派まで、チェックしたい3つのブランドを紹介する。
コールマン
TOUGH SCREEN 2-ROOM AIR/LDX+(DESERT SANDS) ¥119900
コールマンは、日本で最も広く知られるアウトドアブランドのひとつで、初心者からファミリーキャンプまで幅広く支持されている。使いやすさと手頃な価格帯のバランスが魅力で、ツールームテントも例外ではない。
コールマンのツールームテントは、設営のしやすさや耐候性を重視した設計が光る。ポールの色分けや説明書のわかりやすさなど、初めてでも戸惑いにくい配慮が随所に見られ、ファミリーキャンプの定番として長年愛用されている。
種類も豊富で、手頃なモデルから本格派まで幅広いラインナップが揃うため、はじめてツールームを選ぶ人が迷いにくいのも大きな強みだ。
また、アクセサリーや純正オプション(インナーマット、ルーフキャノピー、グランドシートなど)も充実しているので、日々のキャンプスタイルに合わせてアップデートしやすいのもうれしいポイント。安心感と使いやすさを重視するなら、まずチェックしたいブランドといえる。
ゼインアーツ
LOLO ¥149930
ゼインアーツは、日本発のアウトドアブランドとして独自のデザイン美学と機能性の両立を目指す存在だ。ツールームテントでも、その世界観が色濃く反映されており、男心をくすぐるディテールと開放感のある空間設計が特徴だ。
同ブランドのツールームテントは、素材の質感や縫製の丁寧さ、張り出した前室の居住性にこだわりが見える。キャンプサイトでの存在感は抜群で、機能性と佇まいの両方を満たすモデルとして、こだわり派キャンパーから高い評価を受けている。
設営のしやすさや耐候性はもちろんだが、美しいデザインと必要十分な機能が絶妙なバランスで両立されている設計が魅力なブランド。
単なる道具としてではなく、キャンプサイトの中心になるギアとして楽しみたい人にとって、ゼインアーツはとても魅力的な選択肢だ。
トウキョウクラフト
セレニティ2ルームテント スタンダードセット ¥94140
トウキョウクラフトは、日本的な感性と丁寧なものづくりをベースにしたブランドで、ツールームテントでも独自のアプローチを見せる。機能性とデザインを両立させながら、都市生活者にも馴染む美しさを持つことが特徴だ。
素材の選定や縫製にこだわり、耐久性と快適性の両面を高いレベルで実現している。細部まで考え抜かれたフラップやポケットの配置、絶妙な色使いなど、本格的なアウトドアだけでなくライフスタイルとしてのキャンプシーンにも似合う佇まいが魅力となっている。
トウキョウクラフトのツールームは、機能重視のギアというより、“日常とアウトドアの境界を曖昧にする”ギアとして位置づけられる傾向があり、シックなカラーリングからもわかるように、都会的感覚を大切にしたいキャンパーには特におすすめだ。
ツールームテントの楽しみ方
ツールームテントは、リビングと寝室が分かれているからこそ、過ごし方に余白が生まれ、キャンプの楽しみ方そのものを広げてくれる存在だ。レイアウトやギアの置き方を工夫することで、同じテントでも居心地は大きく変わる。
ここでは、ツールームテントならではの楽しみ方にフォーカスして紹介する。
その日の過ごし方で変えられるレイアウト
ツールームテントのリビングは、配置次第でダイニングにも、くつろぎのリビングにも変わる自由な空間。テーブルとチェアを中心に置けば、食事や団らんを楽しむベースが整うし、あえて中央を空けてローチェアとラグを敷けば、足を伸ばして過ごせるリラックス空間になる。
季節や人数によってレイアウトを変えやすいのも大きな魅力だ。寒い時期は人が自然と集まりやすい配置にして、会話や食事を楽しむ時間を重視。暑い時期は風の通り道を意識して余白をつくり、こもりがちな熱を逃がすことで快適さが増す。
決まった正解がなく、その日の天候や気分に合わせて変えられるのがツールームテントの良さ。「今日はゆっくり過ごす」「夜は焚き火を眺めながら語る」など、過ごし方を想像しながらレイアウトを考える時間も、キャンプの楽しみのひとつになってくれる。
動線と灯りで差がつく快適性
リビングを快適に使うためには、ギアの置き方も重要なポイント。調理に使うバーナーやクーラーボックスは出入り口側にまとめ、くつろぐためのチェアやテーブルは奥側に配置すると、自然と空間に役割が生まれる。動線を意識することで、出入りや作業がスムーズになり、無駄なストレスも減らせる。
収納ボックスやシェルフを取り入れれば、散らかりがちな小物類も整理しやすく、リビング全体がすっきりとした印象に。物が整うと、見た目だけでなく気持ちにも余裕が生まれ、くつろぎやすさが格段に上がる。
夜はランタンの高さや配置を変えるだけで、リビングの雰囲気が一変するのもツールームならではの楽しみ。手元を照らす灯りと、空間を包む柔らかな灯りを使い分けることで、より居心地のいい時間が生まれる。ギアをどう使い、どう見せるかを考えることが、滞在時間そのものを豊かにしてくれる。
ツールームテントを長く使うためのケア
ツールームテントはサイズも大きく、価格帯も決して安くはないギア。だからこそ、日々のちょっとしたケアが、使い心地や寿命に大きく影響する。
「使ったらしまう」ではなく、「次も気持ちよく使うために整える」という意識を持つことで、テントはより頼れる相棒になってくれる。
撤収時の乾燥と保管
テントケアの基本中の基本が、しっかり乾かしてから保管すること。ツールームテントは面積が広い分、結露や雨水が残りやすく、湿ったまま収納するとカビや臭いの原因になりやすい。
キャンプ場で完全に乾かせない場合は、自宅に戻ってから必ず広げて陰干しするのがおすすめ。フライシートだけでなく、インナーテントやスカート部分も忘れずにチェックしたい。保管時は高温多湿を避け、風通しの良い場所に保管するのがポイント。収納袋にきつく詰め込まず、余裕を持たせることで生地への負担も軽減できる。
長く使うためのケア習慣
長く使うためには、使用後の軽いメンテナンスも欠かせない。砂や泥は乾いてから払い落とし、汚れが気になる部分は水拭きで対応するのが基本。洗剤を使う場合は、生地を傷めにくい中性タイプを選びたい。
また、防水性能は経年で徐々に低下するため、撥水性が弱くなってきたと感じたら防水スプレーでケアするのもひとつの方法。ポールの歪みやファスナーの噛み込みなども定期的に確認しておくと、トラブルを未然に防げる。
丁寧に手をかけることで、ツールームテントは「消耗品」ではなく、長く付き合える道具として活躍する。
GO OUTで紹介しているツールームテント関連記事一覧
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