Table Of Contents : 目次
ポートランドのクラフトビールの中でも美味しいヘイジーIPAをチョイス。
相馬さんはアメリカ西海岸のカルチャーをベースにしたコンセプトのお店をやっていることもあり、アメリカンスタイルのクラフトビール、特にポートランドのブルワリーが作っている銘柄から厳選して紹介。
10. 5種類のホップを使ったウエストコーストスタイル “BREAKSIDE WANDERLUST IPA”
ブレークサイド・ブルワリーの看板商品。2014年にグレートアメリカンビアフェスティバルでブロンズメダルを獲得して以来、数々のアワードを受賞している。強めのグレープフルーツとオレンジ、強い苦味がありつつも爽快な風味に仕上げている特徴的なヘイジーIPA。ちなみにWANDERLUST(ワンダラスト)とは、放浪・旅行・探検に対する渇望(強い欲望)を表すドイツ語の単語。
「基本IPAって呼ばれる苦みが強いビール好きなんですけど、これは5種類のホップを使ってて、飲み口もスッキリしていて一番好きなIPAです」
11. シンプルかつバランスの良い西海岸 IPA” EX NOVO CARDINAL SIM”
草原のようなアロマのに柑橘系の皮のような少しビターな香りが感じられるという、ホップの中でも人気の高いシムコー種を100%使用したウエストコーストIPA。ルビーレッドのグレープフルーツ、コットンキャンディー、パイン、タンジェリンのフレーバーが感じられ、シンプルかつバランスの良いIPAだ。苦味は強いが、毎日でも飲める美味しさ。
「こちらはホップを1種類しか使ってないんですが、苦味が際立ってるんです。ラベルも幾何学模様だったり個性的なんですよね。こういうところにもアメリカ西海岸のセンスの良さを感じます」
12. ポートランド初のエコブルワリーが作りだす“HUB ROBOT PANDA HAZY IPA”
ポートランド初のエコブルワリーとして名が知られるHOPWORKS URBAN BREWERY(ホップワークスアーバンブルワリー、HUB)は、醸造所の設備からビール醸造過程、使用する容器など、あらゆるところにリサイクル素材を使用。「サーモンセーフ」のホップを使用したり、地元のコミュニティ団体への寄付や、ボランティアも積極的に行う。
ロボットパンダヘイジーIPAは柔らかい優しい口当たりが特徴で、フルーティかつジューシー。グラスに注ぐとヘイジーならではの濁り感ある黄金色で、3種類のホップを大量に投入したことにより、口に含むとオレンジやパパイヤのような南国フルーツ感あふれる味と香りが広がる。
「じつはこのHUBとのコラボレーションで、オリジナルのクラフトビールを作ってもらってるんです。気になる方はお店にチェックしに来てください」
ブルワリーのこだわりがトコトン詰まった、おすすめ3本。
さて、最後は真打登場、キャンプ中もずっとクラフトビール愛を語っていたトムさん。作り手のこだわりを感じる最初の1本はこちら。
13. 麹の発酵技術を駆使したアバンギャルドな逸品 “FARCRY BREWING 3rd Pale Ale”
“世界に通用するビールを桐生から”を合言葉に、群馬県桐生市で産声を上げた「FARCRY BREWING(ファークライ ブルーイング)」。湧水源をいくつも有する桐生という土地で、メインのビールには日本の伝統文化に根差した発酵技術を駆使し、世界へ拳を突き上げるビールを展開する。
こちらの3rd Pale Aleは16種類のホップを使用。しっかりとした苦味のある爽やかなペールエールで、食事にも合わせやすい。
「クラフトビールって、1st、2nd、3rdっていうバッチ(1回の仕込みで出来上がるビール量の単位)によってレシピを変えるんです。この3rdバッチのペールエールは白麹由来のスッキリした酸味とホップ由来の苦味のバランスが絶妙でスッキリ仕上がってます。最近飲んだ日本のペールエールの中では断トツに美味しい!と思って選びました。やっぱり基本のペールエール が美味しいブルワリーは他の種類も安心して買えますね」
14. N.Y. で話題のブルワリーから冷蔵で空輸される”Grammatical Fiction”
醸造家のアンソニー・ソリスが立ち上げたブルワリーで、2022年の冬に初めて日本に入荷。Grammatical Fiction(グラマティカルフィクション)は、濁りが入ったニューイングランドIPAと呼ばれる銘柄の中でも、かなり評価の高いビールだ。
ホップにはシトラ、コメット、シムコーを使用し、副原料にオーツ麦、小麦、口にするとグレープフルーツやパッションフルーツ、洋梨のような香りが立ち、ジューシーでヘイジー。クラフトビールマニアが唸るのも頷ける味わい。
「ニューヨークスタイルの濁ったIPAなんですけど、鮮度を落とさないようアメリカから冷蔵で空輸されています。なのでどうしても高価になるんですが、その価値があるというか、温度変化による劣化がなく作りたてで飲めるので、美味しさは格別です」
15. ワインを思わせる香り立つワイルドエール“OUDE NORHWEST FOUDRE”
野生酵母を使った自然発酵により熟成される“ワイルドエール”と呼ばれる種類のクラフトビール。これはさらに1年間オーク樽で熟成した後、ブドウの品種”ソーヴィニヨン・ブラン”の皮を副原料として入れているので、まさに白ワインのような香りが楽しめる。他にもレモン、さらにはトロピカルフルーツの芳しい香りが楽しめる唯一無二の美味しさ。ワインやシャンパンが好きな人ならすんなり受け入れられる銘柄だろう。
「ワイルドエールは二次発酵させるために瓶で出すことが多いんですよね。でもこれは缶で出すっていうのが結構珍しくて、OUDE NORHWESTシリーズはどれを飲んでもハズレがない。今回選んだFOUDREはニュージーランド系ホップで香り付けし酸味も少なく海鮮料理に合わせると、めちゃくちゃ美味しいんですよ、ビール関係者の中では最近かなり評価が高く注目ですね」
編集部的、こいつも外せない!
ここからは番外編として編集部セレクトの、いま外せない5本をご紹介。
16. 釣り好きに話題! 釣り場も作る“TROUT BEER”。
岡崎を拠点に活動する “杉坂ブラザーズ”が手掛けるトラウトビールは、フライフィッシングの本場であるアメリカ・アイダホ州のアロマホップを使用。副原料にハチミツを用いて、トロピカルな香りを楽しめながらも後味はスッキリ。アルコール度数も低めなのでクラフトビール初心者にも飲みやすい1本。売上の一部を、釣り場を作る活動の資金に利用している点も見逃せない。
17. メイドイン出雲! 注目セレクトショップとの共同作。
新しいアウトドアスタイルを提案する出雲の注目ショップ「B.S.K.K」との共作。小麦畑の上を飛ぶUFOが何とも愛らしいラベルデザインだが、それもそのはず、こちらは小麦を使用するウィートエールスタイル。ライチやパッションフルーツを連想させるフレーバーと、サッパリした爽快感がクセになる。
18. パタゴニア発、限定醸造のラガービール。
この夏限定で登場したゴールドラベルのロング・ルート・ラガーは、環境革新的な多年生穀物「カーンザ」を使用し、ミュンヘン発祥のラガービールであるヘレスにアレンジ。爽やかでフローラルなホップの香りが特徴。パタゴニア プロビジョンズのビールは、ポートランドのホップワークス・アーバン・ブルワリー(HUB)にて醸造される。
19. 鎌倉の小さなブルワリーが放つ、飽きのないIPA。
花井祐介氏のイラストが目を引くこちらは、鎌倉のブルワリー「ヨロッコビール」の代表作。シンプル・イズ・ベストを追求した、飲み疲れのないスルスルと飲めるIPAスタイルで、ピルスナーモルトの旨味と小麦麦芽からの滑らかなタッチに、ホップからのトロピカル・シトラス・パイニーなフレーバーがバランスよく乗る。
20. まるで宇宙。さっぱりジューシー&フルーティなヘイジーIPA。
山梨は北杜市にあるうちゅうブルーイング。こちらは、てんびん座を形成する緑の星ズベン・エス・カマリを表現するべく4種のホップを組み合わせた、ヘイジーIPAのなかでもキレ味も感じられる、さっぱりフルーティな1本。販売店によっては一人1本までなど制限付きも多い人気のブルワリーなので見つけたら即買い必至だぞ。
【クラフトビールLOVE! ボクらがクラフトビールにハマった理由】はこちら
Photo/Fumihiko Ikemoto