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機能性に優れたレイヤリングシステムを採用。
米陸軍で研究開発された、エクワックスの第一世代が登場したのは、1985年のこと。
1970年代からアウトドア市場で絶大な支持を得ていたゴアテックスをアウターに採用し、フリースのミッドレイヤーや、吸汗速乾性に優れたベースレイヤーを設定するなど、アウトドアウエアのレイヤリングに着想を得て開発されたこのシステムは、陸軍の戦闘服におけるスタンダードとなった。
第三世代となる現在では、極端に寒冷な状況でも耐えられるよう、レベル1〜レベル7までのアイテムが用意され、それらの組み合せによりあらゆる環境に対応できるようになっている。
記事頭の写真のレイヤリングは、時代などの設定も無視した極端な例で、実際には気温や天候、任務に応じて、最適なレベルのアイテムを選択的に組み合せて着用することになる。
エクワックスのひとつの特徴は、戦闘服でありながらアウトドアウエアのメーカーが開発・製造に関わっていること。だから民生品とほとんど変わらないアイテムも見ることができ、つまりはアウトドアウエアとして着ることもできるというわけ。
当初陸軍のみで採用されていたエクワックスだが、後に海兵隊でも同システムが採用されるようになり、また空軍・海軍でも類似のアイテムが正式に採用されるようになった。そして特殊部隊用としては、さらに先鋭的なシステムとして、PCUというものが開発されており、こちらについては続編の記事でご紹介しよう。
軍用品として製造されるエクワックスの製品は、決して広く流通しているものではないが、そのマニアックさもまた魅力と言えるのではないだろうか。
次回の記事では、ECWCSのレベル1〜レベル7まで、各レベルごとに紐解いてご紹介していくので、乞うご期待!
- Edit/Takatoshi Akutagawa(Thunderbird Design)
- Photo/Hiroyuki Yamada Styling/Takahiro Nakajima
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