趣味人たちの「アソビ」と「シゴト」のライフスタイル拝見。#3 粟野龍亮

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いろいろと世の中の状況が変化しても、みなさんの趣味の外遊びと、生計を立てる手段としての仕事の役割は変わりなく続いていることかと思います。

そんな今だからこそ、ジブンならではのバランス感覚で「アソビ」と「シゴト」のスタイルをキープしている5人のリアルを、ほんの少しだけ拝見させていただきました。

趣味人たちの「アソビ」と「シゴト」のライフスタイル一覧

Table Of Contents : 目次

東京から移住し、キャンプ場の運営とローカルの暮らしを満喫。

粟野龍亮
TINY GARDEN 蓼科 店長/32歳
PROFILE/キャンプ、ロッジ、キャビンの3タイプの宿泊施設と、カフェやウエアショップ、温泉などを併設する「タイニーガーデン蓼科」の店長。施設の運営全般に携わりながらも、休日は登山やトレラン、ファミキャンを満喫中。

シゴトとアソビを通して、都市と地方のハブ的存在に。

日本を代表する避暑地のひとつ、信州蓼科。八ヶ岳の雄大な姿を望むこの地に、アーバンリサーチがキャンプ場を含む宿泊施設、タイニーガーデン蓼科をオープンしたのは2019年夏。その運営を担う粟野さんが、家族で蓼科に移住してきたのは、今から4年ほど前になる。

タイニーガーデン蓼科のフロントはまるでホテルのような雰囲気。和室と洋室の部屋が用意され、温泉も完備されている。

東京で育ち、アーバンリサーチのスタッフとして働くなか、自然に囲まれた地方での暮らしに興味を持ち退社。観光や地方創生の事業に携わったのち、定住の地として選んだのが蓼科。その後、偶然にも同地でタイニーガーデンの計画が持ち上がり、再びアーバンリサーチから声をかけられ、現地スタッフとして復職したという異色の経歴の持ち主だ。

キャンプ場での仕事は多岐に渡り、自ら一輪車で薪を運ぶことも。

「ここでの生活は、シゴトとアソビのどちらも含めて〝暮らし〞として捉えています。仕事でお付き合いのあるお店は、日常生活でもお世話になっているところばかり。プライベートで買い物に行ったときに、新しい企画の話で盛り上がることもあります」。

「逆に、東京から同僚や友達が遊びに来てくれたときに、地元の人たちと一緒に遊びながら仕事の話をしたり。そういうのが自然とできる場所だから、今はあまりシゴトとアソビを区切る必要もないのかなと考えています」。

休日はアウトドアパパとして奮闘。家族で雪遊びをすることも。

実際にそうしたライフスタイルのなかで生まれたモノも多く、そのひとつがキャンパーから人気が高いクラフトビール。

「近所のビールの醸造所と一緒にワークショップをやらせていただいたことがありまして。それをキッカケに、地元のビール愛好家が人ほど集まって、このキャンプ場に合うビールを作ることになったんです。個人的にもビールが大好きだから進んだ話だけど、みんなで試行錯誤するのがホントに楽しくて」。

設備内にあるエカルショップは、アーバンリサーチのオリジナルブランド、エカルの旗艦店。フィールドを堪能するためのウエアやギアも厳選されている。

シゴトとアソビの境界線を設けない粟野さんのスタンスは、実はアーバンリサーチが標榜するタイニーガーデンの在り方にも通じる部分があると言う。

「ここのコンセプトに〝日常と非日常が緩やかに行き交う場所〞というのがあるんですよ。都市部から遊びに来られた人には、自然が身近にある癒しの空間。地元の人には、カフェなどで少しアーバンな雰囲気を楽しんでいただきたい」。

「メインのロッジは湖畔にありますが、湖からの心地よい風が、誰でも利用できるカフェから宿泊者用のラウンジを通って、キャンプ場へ抜けていく設計になっています。施設全体を通して、ヒト・モノ・コトが風通しよく循環することを意識していて、地元の人と遊びに来た人が緩やかに交われる場所になっているんですよ」。

現在はまだ雪が残っているフリーサイト。春夏は美しい芝生に覆われる。

昨年末には念願だったマイホームを入手。蓼科らしい暮らしを満喫するために、そして今後の移住者のモデルケースになれるようにと、別荘の物件をリノベーションすることを選んだ。

現在、リノベ中の自宅。D.I.Y.が趣味のため、大工さんと一緒に自らリノベ作業を行なっている。

「蓼科はボク的には自然との距離がちょうどいいんですよ。山遊びやキャンプが大好きだけど、ここではそれも日常の延長にあります。最近は移住者も増えているらしいですが、自然が好きな人が多そうなので、新しい出会いも楽しみです」。

リビングには薪ストーブも設置予定。

タイニーガーデン蓼科の運営に携わる傍ら、自ら率先して地域に溶け込み、蓼科の生活を楽しんでいる粟野さん。今では様々な繋がりもでき、シゴトとアソビのバランスもちょうどよくなったとか。

 

「キャンプ場も2年目だし、ボク自身もまだ5年目。やっと落ち着いて暮らせるようになってきました。今後も地域の繋がりを内外に増やしていきたいですね」。そんな中で、目標として掲げているのが、シゴトとアソビを通して都市と地方のハブ的な存在になること。

お気に入りの山道具たち。雪山も歩くためアイゼンも愛用する。

「自然の素晴らしさや厳しさも含めて、蓼科の魅力を多くの人に知ってもらいたい。そのためにも、ここを拠点にしながら、暮らして、遊んで、学んで、そのなかで感じたことを、いろんなカタチでアウトプットしていくつもり。それをライフワークにできたら最高ですね」。

Photo/Fumihiko Ikemoto Report & Text/Masatsugu Kuwabara

 

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GO OUT編集部
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