後付けできる注ぎ口が人気沸騰中! 話題のアイデアギアを使ってみた。

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手持ちのクッカーやマグカップに取り付けることで、ドリップポットのようにゆっくりとお湯を注ぐことができるチタン製の注ぎ口「森乃雫」。

これまでなかったアイデアギアということで、以前こちらの記事でも紹介して大きな話題に。使い勝手はどうなのか? 実際に使ってみた。

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手持ちのクッカーをドリップポットに変身させる注ぎ口。

インプレッションの前におさらいしておくと、この「森乃雫」を作っているのはガレージブランドの「楽歩京都」。

スノーピークの「チタンシングルマグ」シリーズや、エバニューの「チタンマグポット500 RED」を始め、さまざまなクッカー、マグカップに装着できる、いわば外付け式の注ぎ口だ。


楽歩京都「森乃雫」¥10000~

クッカーやマグでそのままお湯を注ぐと、ドバッと勢いよくお湯が出てしまうことが多いが、この「森乃雫」を装着することでゆっくりとお湯を注ぐことができる。

ドリップポットのようにお湯を細くゆっくりと注ぐことでコーヒーの美味しさを一段と引き出すことができるので、アウトドアコーヒーラバーにとっては嬉しいアイテムなのだ。

 

重さわずか9g。想像以上の軽量・コンパクトさに驚き!

前回の記事で大きな反響があり、現在1ヶ月待ちとなっているこの「森乃雫」をメーカーから借りることができたので実際に使ってみた。

まず驚いたのは、その軽さ。金属感のある重厚なルックスに仕上げてあるので、重そうに感じてしまうが、わずか9g。サイズも小さいので極力荷物を減らしたい登山でも邪魔にならなそうだ。むしろしっかりケースにしまっておかないと、なくしてしまいそうな大きさだ。

形状はまるで“クチバシ”のような形で、よく見るとそのクチバシの中には“ベロ”のような構造のものが複雑に配置されていて、試行錯誤しながら工夫を凝らして生まれたアイテムであることがうかがえる。

 

取り付け方法はとても簡単。

それでは、さっそく使ってみよう。「森乃雫」は、マグやクッカーに取り付ける前に、あらかじめ装着側を水に浸しておく必要がある。

こうすることで、表面張力を使って水を吸い上げやすくなるそうだ。収納ケースなどに水を張って漬けるか、ペットボトルなどから直接水を流しかけてもOK。

取り付けは簡単。マグやクッカーのふちに「森乃雫」を載せて、マグネットで挟み込むように取りつけるだけ。マグネットの磁力で固定しているので、マグを傷つけることもなさそうだ。


ちなみに、実際に試した結果、右利きの場合、持ち手が3時方向だとすると、7時~8時の位置に注ぎ口をつけると使いやすい。

 

3つのクッカー・マグで実際にお湯を注いでみた。

この「森乃雫」のメインとなる使用シーンは、登山やソロキャンプ。そこで今回は登山やソロキャンプで人気の3つのクッカー、マグに取り付けて使ってみた。

プリムス「ライテックトレックケトル&パン」。

1つ目は、登山で愛用している人も多い定番クッカー、プリムスの「ライテックトレックケトル&パン」。名前に「ケトル」とあるようにもともと注ぎ口があって、お湯を注ぐのも得意なクッカーだ。

このもともとついている注ぎ口でもお湯を注ぐことはできるが、森乃雫を装着することでより細くお湯を注ぐことができた。コーヒーを淹れるときの「の」の字も書きやすい。

SOTO「サーモスタッククッカーコンボ」。

2つ目は、ソロキャンプや登山で愛用者が多いSOTOの「サーモスタッククッカーコンボ」のマグ(750ml)。

マグリッド(フタ)を使うことでお湯が注ぎやすくなるこのマグだが、森乃雫を使うとリッドよりもゆっくりとお湯を出すことができた。ただ、マグのふちをリフターで挟んで持ち上げるタイプなので、長時間角度をキープするには握力も必要で、少し疲れてしまうのは否めない。

ちなみに、お湯はたくさん入っている方が傾ける角度が少ないので注ぎやすいが、お湯が少なくなってもゆっくり注ぐことは可能だ。

トランギア「メスティン」。

今回、一番、注ぎ口を後付けした効果に驚いたのが、ソロキャンパーに人気のトランギア「メスティン」。

炊飯やパスタを茹でるのに使うイメージが強いメスティンは、その形状からどうしてもお湯を注ぐのは不得手。だが、「森乃雫」を装着することで、他のクッカーと同様にゆっくりお湯を注ぐことができた。

角形だからといって角度の調整がシビアということもなく、簡単にお湯を注ぐことができる。ただ、持ち手と注ぎ口が遠いので、こちらも長時間ゆっくり注ぎ続けると少し手が疲れるかもしれない。

 

使い方は簡単で、慣れれば点滴ドリップも。

しっかりした説明書も付属しているので、使用方法にはコツがいるのかと思いきや、どのクッカーに装着しても使い方は非常に簡単。クッカーをゆっくりと傾けていくだけでOKで、初めてでも扱いは難しくなかった。

また、点滴のようにポタポタとお湯を注いで、コクが強く濃厚なコーヒーに仕上げる「点滴ドリップ」という技があるが、これも感覚が慣れてきたらできそうだ。ただし、少し集中力が必要なので、長時間はきついかもしれない。

また、登山やキャンプでは場所を取らないカップオンタイプのドリップバッグを使う人も多いと思うが、ドリップバッグは、ドリッパーと比べるとお湯を注ぐ範囲が狭く、勢いよくお湯を注ぐとお湯があふれてしまうこともある。この注ぎ口があれば、その心配がないのも嬉しい。

 

全てのクッカーに装着できるわけではないので要注意。

「森乃雫」は今回使ってみた3つのクッカーの他にも、ジェットボイルなどさまざまなクッカー、マグカップに対応している。

マグネットで挟み込んで装着するので、ダブルウォールなど厚みがあるマグには非対応で、他にもクッカーの形状などにより、水が漏れやすくなる場合もあるので要注意! 詳しくは、メーカーのWEBサイトにある対応表でチェックしてほしい。

 

ソロや登山にはおすすめ!

最近は、登山やソロキャンプでも美味しくコーヒーを飲みたいという人に向けて一人用のドリップポットも数多く登場しているが、ドリップポットは注ぎ口の形状から、どうしてもスペースを取ってしまうのが欠点だった。

この「森乃雫」ならクッカーやマグの中に入れて持ち運べるので、荷物は極力減らしても、美味しいコーヒーだけは飲みたいというアウトドアコーヒーラバーにはおすすめできる。ただし、既に予約が殺到しているようなので、気になる人は早めの予約がおすすめだ。


(問)楽歩京都 www.Rappo-Kyoto.com

 

 

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Shinya Miura
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