ドイツ・ミュンヘンで2月5日から8日まで開催されたスポーツ・アウトドア業界の見本市「ISPO」（イスポ）。2017年は同見本市ではこれまでで最大となる2732の出展者が揃い、8万5000人の来場者で賑わいました。現地で見つけた注目のギアや新製品の情報を、全3回にてお送りします。今回は、世界中で人気のバーナーブランド、プリムスの最新事情をご紹介！
Photo & Text／Aki SCHULTE-KARASAWA
125年の歴史を持つスウェーデンのブランド「PRIMUS」（プリムス）。ブランド創始のフラッグシップ製品となるストーブに、新モデル「PRIMATECH STOVE SET」（プライムテック ストーブ セット）が登場する。
セット内容は、バーナー、セラミックコーティングを施したポットとアルミ製のポット、シリコンの持ち手が付いた蓋、点火器、そして付け外しができるポットのグリップ。付属のパッド付きバッグにすべて重ねてコンパクトに収納できる。
プライムテック ストーブ セットの最大の特徴は、セラミックコーティングのポット下にインテグレートされた防風機構。バーナーをぐるりと囲むウィンドスクリーンと合わせた使用で、従来比およそ50%の燃料の削減が期待できるそうだ（使用状況により異なる）。アウトドアでは調理時間がかかりがちなスープや煮込み料理を時短で作ることができるのか…と夢が広がる。
またポットをつかむグリップに改良を加え、ロックができるタイプに。ポットのサイズは2.3Lと1.3Lの大小2つが用意されている。2017年春頃には店頭に並ぶ…かと思いきや、日本では欧州と同時期に販売をすることができないのだそうだ。どういうことか、プリムスのラース＝ウーラ・ブルーリンソンCEOに現地で尋ねると、「日本で販売するための規格は特に厳しく、現在その規格をパスするための過程」とのことだ。
「世界で最も厳しい規格をクリアするということはプリムスにとって大きなメリット。またデザインに対する眼識がある日本で販売できることは自信になる。残念ながら未定だけれど、（日本のイワタニ・プリムスと協力し）2017年中には出したいと望んでいる。」
ブルーリンソンCEOの力強い言葉に表されるように、実際に2016年に登場した「ONJA」（オンジャ）は、日本市場へ適したデザインに姿を変えて販売されている。2つのバーナーを備え持ち運びに適した形のオンジャは、日本ではコンロの有無が外から確認できる仕様になっている。プライムテック ストーブ セットも、早期の販売を期待したい。
プリムスではまた、カトラリーやボトルを刷新。チタンやアルミ素材のフォークスプーン「TRAILSAPORK」（トレイルスポーク）やカラーバリエーション豊富なフォーク・スプーン・ナイフのセット「LIGHTWEIGHT TRAILCUTLERY TRITAN」（ライトウェイト・トレイルカトラリー・トライタン）が並んだほか、柄の長い「LONG SPOON」（ロングスプーン）も登場した。三角の形状をした柄は持ちやすく、レトルトパックやポットから直接食べられる長さが嬉しい。
ボトルは新たに「TRAILBOTTLE」（トレイルボトル）シリーズをラインナップ。より飲みやすく掃除がしやすくなったキャップ部分が特徴だ。0.6Lと1Lのサイズが揃う「TRITAN」（トライタン）、「STAINLESS STEEL」（ステンレススチール）と、0.5Lと0.8Lサイズでステンレス2層構造の「VACUUM STAINLESS STEEL」（バキューム・ステンレススチール）が各4色で展開されている。
