元日本代表選手が語るクライミングの魅力とオリンピック~永田乃由季 GO OUT CAMPインタビュー~

更新
Table Of Contents : 目次

米軍基地で出会ったクライミングウォール

僕がクライミングを始めたのは14歳の時、沖縄のコザに住んでた頃です。米軍基地が年に一回だけ一般開放されるんですよ。その時に8mほどのクライミングウォールがあって。それが初体験です。ロープをつけて一番上まで登るとボタンがあって押すと「ブー」って音が鳴るんですよ。その音とともに感じる達成感が気持ちよくてクセになりました。で、クライミングジムを探したら、家から5分のところに偶然、当時沖縄で唯一のジムがあったんですよ。そこで始めてから今日までずっとって感じですね。その頃、沖縄の若い子ってバスケかダンスをやるのが主流で、友達からもダンスやったらモテるよとかって誘われたんですが、生来ひねくれものなんで、人と同じことをやりたくなかったんですよね。だったら「俺はクライミングでモテてやるよ」(笑)って他はやらずにクライミングばかりやってました。そのあと、クライミングをもっとやりたくて高校を出て東京へ引っ越してきたんですよ。沖縄時代にジュニアオリンピックとかにも出てたんですが、そういう大会で色んな地方の同年代のクライマーと会うじゃないですか。沖縄では同年代がいなかったのでそれがすごく嬉しかったし、励みにもなったというのもあって東京でやろうと思いましたね。

 

運動が苦手な人にこそトライして欲しい

ボルダリングを始めるのに運動神経や年齢は関係ないですよ。歳がいって筋肉が落ちたような方でも大丈夫です。トレーニングジムで筋肉つけるのと同じで、壁に登れば筋トレになりますからね。ボルダリングの方が景色が変わるし、動きが様々あるので、楽しみながら筋トレできるって感じでしょうか。あとジムに行くと同じコースにトライしてる同じくらいのレベルの人同士って話しやすかったりするので仲間もできやすいです。で、仲良くなったら外の岩場にみんなで行って、そのままキャンプしたりとかもよくしますしね。筋トレのような単純な動きが辛いとか運動が得意じゃないって人にこそトライして欲しいですね。

 

本気のセッティングでプロのコンペもできるほどのGO OUT CAMPのボルダリングウォール

GO OUT CAMPでボルダリングを始めたのはもう7-8年前だと思うんですが、当時音楽が聴けるフェスでボルダリングをやってたのは少なくて珍しいトライだったと思います。しかも今も継続してますからね!!  ふもとっぱらに常設させてもらっているボルダリングウォールは設計から施工までやりました。あの壁の高さ、傾斜ってビギナー向けで考えるとギリギリに設定してあってあれより高いと怖くなるんですよ。怖いことって楽しめないじゃないですか。だからその辺りは誰でも参加できるようにこだわって設計しました。あと野外イベントでもボルダリングウォールを見かけるんですが、ホールドが拳サイズくらいのがついてることが多くないですか? ふもとっぱらのは本気のジムや大会で使うような大きなものも付いてるんですよ。それって多分珍しいと思います。コースが複雑になるからというのもあるのですが、クライミングって壁をパッと見てホールドのカラフルさとかサイズの大小、壁自体の傾斜なんかで視覚的に面白そう!!って思えるのも大切なんですよ。見て面白そう、やって面白いっていうのが重要。そうやってビギナーの人たちが参加しやすいように作ってるんですが、おかげさまで子供から大人まで初めての方を中心に参加してくれてますね。もちろんシューズ持参で来るような常連さんも多いですよ。あと、GO OUT CAMPで初めてクライミングをやって、その後近所にジムに通うようになって上手くなった人とかもいますしね。

以前は金曜の夜に国内の錚々たる実力者を集めてコンペをやったりもしました。お客さんもかなり集まってくれてステージショーみたいに盛り上がってくれたから嬉しかったですね。ボルダリングをよく知らない人もいる中でのコンペって初めてだったのでどうなるかと思ったんですが、あれは大成功でした。来年の春くらいにぜひもう一回やりたいですね。今は子供がたくさん集まってきますが、ぜひ大人のお客さんにも来て欲しいんですよね。子供向けと思っちゃってる人もいると思うんですけど、実は壁の右から左に向かうにつれて大人向けの課題になるようセッティングしてたりもしてます。あとはモテるようにもセッティングしてるんですよ(笑)。登る時に動きが激しく映えるようにしているので、女子と一緒に来て、見てもらった時にカッコよく見えるようになってます!!!

< 12
Tags
GO OUT編集部
更新