フェスでヨガをやると五感が研ぎ澄まされていく〜chama(TOKYOYOGAディレクター) GO OUT CAMPインタビュー〜

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GO OUT CAMPで数多く行われているアクティビティ。それらを運営する人たちは実は、それぞれのジャンルにおいて最大限のリスペクト受けるプロフェッショナルばかり。今年9月27(金)-29日(日)にふもとっぱらにて開催するGO OUT CAMP vol.15でも様々な方が参加してくれる。ココではそんな方々を1人ずつご紹介していきます。普段はなかなか接することができないプロフェッショナルのこだわりや歴史に少しでも興味が出たら、ぜひGO OUT CAMPの会場でアクティビティに参加してみてください。今回は朝ヨガやキャンドルヨガなどを行ってくれているchamaさんのインタビュー。

 

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「フェスのように外に広がる空間でヨガをすることで五感が研ぎ澄まされていくんですよ」

  • chama
  • 東京の人気ヨガスタジオ、TOKYOYOGA ファウンダー&ディレクター。その他フリーペーパーYOGAYOMU発行人、ヨガウエアブランドのプロデュースや各種イベントでの講師、TV-CMでのヨガ指導なども行ない、また様々なメディアを活用しヨガを広めるなど、多種多様な活動からも現在のヨガシーンを牽引する1人ともいえる。GO OUT CAMPでは全国各地に参加し、朝ヨガ~ブースでのヨガまで多くの人にヨガを紹介し、指導している。元々はレゲエクラブの経営や映像制作を行うなど面白いプロフィールも持つ。

 

ヨガはどんな人にも意味がある

 

−ヨガをはじめられた経緯を教えてください。

一番最初は’92年、25歳くらいのときに単純に悟りたい/特別な状態になってみたいという欲望からでした。それで赤坂見附にあったスタジオで教わったのが最初です。その後、オウム真理教の事件が起こってヨガのイメージがダウンし、僕も周りの人から心配されるのもあり一旦やめました。そのあと2000年に東南アジアを旅して回っているときに知り合ったおじさんがアシュタンガヨガというヨガを教えてくれて。そこで初めて動的なヨガを知ったんですね。その後、そのおじさんと日本でビジネスをすることになったのですが、そこの事務所におじさんの知人であるケン・ハラクマさんというヨガの先生が来られて、「ここでヨガをやりたい」と言われたので、ヨガ教室がスタートし、僕はアシスタントとなり3年ほど過ごしました。これが2回目のスタートです。ケン・ハラクマさんは日本ヨガ界の第一人者ですね。

 

−アシュタンガヨガにハマった理由は?

ちょうどアシュタンガヨガを始めた頃に父が入院しまして、その介護をしていたのですが、介護はする方も精神的にも肉体的にも大変で、そんな毎日の中でアシュタンガヨガという動的なヨガをやると辛い現実から心が離れられるというのが大きかったですね。介護生活の中で自分を保つために、という感じで。また父親は生活習慣からの病気だったのですが、寝ている父の姿や病院の景色を見ていて、ヨガをやって日常から身体を整えればもっとなんとかなるのでは?と思い、その後指導者になりました。最初は欲望ありきでヨガをはじめたのが、このタイミングで自分にとって必要なものとなっていたし、他の人にとっても必要なものになるだろうと思うようになっていました。

 

−ヨガをやってて良かったことはありますか?

一番は生きるのが楽になりました。それは今でも続いていますね。何がヨガか?という問いもあると思うのですが、マットの上で体を動かすということだけでなく、呼吸に意識を向けるだけでもヨガだと僕は考えています。そうすると毎日の生活のそこかしこにヨガがあるので。

 

−どんな人がヨガをやると良いのですか?

どんな人にも意味があると思います。健康状態がよくなければ改善するヨガをやればよいですし、メンタルが弱っていればメンタルを保つヨガをやれば良い。悟りを開きたい人はそういうヨガを。それだけ多くのメソッドがあり多種多様なパターンに対応できるので、自分にぴったり合ったヨガと出会えれば良い。僕もティーチャーとしてその人にぴったりあったヨガを紹介できるようにしたいと常々思っていますね。初めての方が始める際にベターなのは、マンツーマンレッスンを1度予約して、ティーチャーと話をして、自分に合うヨガをお勧めしてもらい、以降はそのヨガのクラスを受ければ良いのではないでしょうか。

 

 

スピリチュアル、ヘルシー、ビューティーの目的からその先にまでいけるのがヨガ

−体が硬い人でもヨガはできるものでしょうか?

体が硬いとやりづらいと言ってクラスを受けなくなる人もいるんですが、体の柔らかい人が多いクラスの中でも硬い体を持ってヨガをやれる人ほど心の修行になるんじゃないかな、と思います。そういう状況では他の人との比較よりも、自分の身体に向かわざるを得ないので。ヨガは身体を通して気づきをもらえるというのがメリットなんですね。体をこう動かすとこう感じるんだ、そうすることで心がこう変わったなど、変化の中での気づき。体が硬い人の方が変化が大きい分気づきやすくもなると思います。だからこそ体が硬い人やポーズが苦手な人の方がヨガに向いてるとも言えますね。できないこと、できない自分を許してあげる/認めてあげるというのは解放に近づくのだと思います。

 

−ヨガってスポーツ? 修行? ダイエット? 何なんでしょうか?

優劣がついたりジャッジがないので、スポーツではありません。修行の側面はクラシックヨガのスタイルでは強かったです。悟りに至るための修行というのがあるので。もちろん今もそういう部分はあります。ただそれはやる人がどう思っているかによりますね。世の中的にヨガをやる人はスピリチュアル、ヘルシー、ビューティーの3つが主目的であると言われています。ただ、ビューティーを求めて始めた人がある程度痩せたあとにスピリチュアル、本当の私ってどういう人間?という風に向かうこともありますし、ダイエットきっかけだったのがヨガを続けることで食事に気を使って、ヘルシーな方向へ向くこともあるでしょう。ヨガは何を目的として始めても次のステージを受け入れる奥行きがあるのが魅力ですね。

 

−様々なフェスでヨガが行われていますが、フェスとヨガの相性の良さってどこにありますか?

人は個々でエネルギーを持っていて、フェスのように大勢が集まる場所だとそれを他の人と共有することになりますよね。例えば息を吐いたら他の人にかかるというように。ですので、多くの人が集まれば個人のエネルギーが充満していくので、非常に良い空間になることがあります。そういう場所だからヨガを行うのにいい場所になるんだと思います。あとは大自然の中で火、土、水を感じながら過ごす、そういう状況の中でヨガをやって五感を整えていく、研ぎ澄ましていく、そうすると心も身体も楽になりやすいですし、仕事をする上での生産性にも繋がると思いますね。今の生活スタイルだとやらなきゃいけないことが多くて、自分はどう感じているのか?みたいなことを気にしながら仕事したりはなかなか出来ないですよね。そうやって五感がどんどん失われていっているので、外に広がる空間でヨガをすることで五感が研ぎ澄まされていくのはみなさん気持ちいいんじゃないでしょうか。

 

GO OUT CAMPではキャンプヨガでとにかく楽しんで欲しい

−GO OUT CAMPでやっていただいているヨガはなんというヨガになりますか?

キャンプヨガという名前で、ヨガを始めるのに最適な内容にしています。まずは楽しんでもらうというのが第一でして、ポーズは様々なヨガの流派からキュレーションして作っています。その中でヨガの持つ奥行きや可能性まで気づいてもらえるように配慮もしています。例えば朝ヨガだと終わった後に気持ちよく撤収ができるようになる流れなんかは意識していますね。ほか具体的にはスクワットを盛り込んでいるのですが、あれはヨガ後のテント撤収の時に重いものを持つでしょうから、その際に腰が痛くならないようにとかって考えています。またブースでやっているヨガは人数も少ないのでもっと個人的にどんなことをやりたいか聞いてから、その人に合わせてやっています。そこだと時間が取れるので、ヨガに興味を持ってもらえれば全国各地のスタジオを紹介したりもしていますよ。自分のスタジオだけを紹介するようなことはしませんので(笑)。

 

−次のGO OUT CAMPではどんなヨガを?

今まで楽しんでもらうことを重視してきたんですが、この秋は次のステージに入っていいかなと思っています。「あげ」「さげ」のバランスが取れる、緩急をつけられるようなものを紹介したいですね。ヨガでは「あげ」ともいえる交感神経を優位に働かせることもできれば、「さげ」ともいえる副交感神経を落ち着けていくということもできます。その「あげ」と「さげ」の波長を整えていくことで落ち着いた心をつくり、人としての器を大きくしていけるんですね。今までは誰でも参加しやすいように立つポーズがメインで「あげ」気味な動きが多く、弛緩するというのが難しかったのですが、次回からはマットや敷物をご用意いただいて緩める「さげ」な方向もコンビネーションでやりたいですね。

 

 

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GO OUT編集部
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