東京クラフトとは?焚き火台からテントまで手がける日本発ブランド
東京クラフトとは、YouTubeチャンネル「タナちゃんねる」代表のタナ氏が2021年に立ち上げた日本発のアウトドアブランドだ。「言語化できない満足感を。」をコンセプトに掲げ、軽量焚き火台「マクライト」のヒットを皮切りに一躍キャンパーの間で知られる存在となった。
現在では焚き火ギアにとどまらず、独創的なフレームワークのテントやシェルターをはじめ、ファニチャーや小物まで幅広くラインナップ。ブランドのアイコンともいえるグレーを基調にしたソリッドな佇まいの中に、膨大なギアに触れてきたタナ氏ならではの「気の利いたディテール」が光る。
サイトにすっきり馴染むルックスに加え、直販(D2C)による手の届きやすい価格設定も相まって、ベテランからビギナーまで幅広いキャンパーに支持されている。
GO OUTがTOKYO CRAFTSを追い続けてきた理由
GO OUTが立ち上げ当初から東京クラフトを追い続けてきた理由は、「都会的なルックスと機能性の共存」にある。
ブランドの象徴といえるテントを前にすると、まずシャープなシルエットに目を奪われる。だが、これは単に見栄えを意識した造形ではなく、実際の使い勝手を突き詰めて生まれた形だ。
たとえばソロテント「ダイヤフォート」は、タープのダイヤモンド張りをヒントに、リビングと寝室をひと張りにまとめた設計。前方を高く取って居住空間を広げ、後方は寝るのに必要な高さに抑えるという合理的なレイアウトが、そのままあのソリッドなフォルムへと繋がっている。
ブランドを象徴するグレーにも、ちゃんと理由がある。都会的でありながら、自然にもなじむ色合いを目指したという。キャンプ場の緑のなかで浮くことなく、それでいてどこか洗練されて見えるのは、このさじ加減があってこそだ。
さらに面白いのが、テントの内側から見える景色までデザインしていること。光が差し込む開放的なシェルターや、くつろぎながら外の自然を見渡せる六角形のモデルなど、張った後の過ごし心地まで計算されている。なかには意匠出願中のものもあるほど、その形は独創的だ。
ユーザーに寄り添いすぎな独自スタンス
誕生からわずか5年。大型幕から小物まで揃う総合ブランドへと、東京クラフトがこれほどのスピードで成長できた背景には、徹底したユーザー目線のモノづくりがある。
座ったままくるりと向きを変えられるチェア、2本を組み合わせてケースなしで持ち歩ける箸、先端が傷んでも回して使い続けられるうちわなど、「そこ、気になってた」と膝を打つアイテムが次々に登場。
YouTubeなどを通じてキャンパーのリアルな声をダイレクトに拾い上げ、現場の小さなストレスを解消していくスピード感は、まさにこのブランドならではだ。
また、直販(D2C)に特化することで、本格的なスペックやデザイン性を保ちつつ、手の届きやすいプライスを実現しているのも見逃せない。その一方で、全国を巡回する展示販売会「PLACE」を定期的に開催し、ユーザーが直接ギアを手に取り、スタッフと熱量を共有できるリアルな場も大切にしている。
オンラインで声を集めて納得のプライスで還元し、オフラインの現場で直につながる。このブレない両輪のスタイルこそが、彼らがキャンプシーンで躍進を続ける理由なのだろう。
外遊びを格上げする、個性派テント5選
立ったまま着替えられるソロ幕に、焚き火を特等席で楽しめるドーム、タープいらずの2ルームまで。東京クラフトのテントは、一張りごとにまるで違う顔を持っている。ここでは、そんな個性派の5張りをソロ向けから順に見ていこう。
立ったまま動ける開放派ソロ幕|ダイヤフォートTC
ダイヤフォート ¥39800
「窮屈なソロキャンプをもっと快適に」。ダイヤフォートは、そんな思いから生まれたソロ幕だ。一般的なソロテントは天井が低く、どうしても身をかがめがちだが、こちらは最高部が215cmもあり、幕内で立ったまま着替えられるほどの開放感を備える。
前後のパネルはメッシュに切り替えられ、しかも網戸側が外にあるので、わざわざ外に出なくても幕内から開け閉めできる。寝る位置にも風の通り道が設けられ、巻き上げ可能なスカートと合わせて、夏は風を通し、冬は閉め切って暖かくこもれる。
TC素材のテントといえば、重さやかさばりが気になるところ。それでも収納サイズは23×23×54cmとコンパクトにまとまり、バイクへの積載もこなす。ソロ幕の窮屈さに慣れきった人ほど、その広さに驚くだろう。
2人で景色を眺める六角形のデュオ幕|ハビソル
ハビソル ¥64980
名前に込められたのは「癒しの個室」という意味。ハビソルは「2人用」にとことんこだわり、サイズや空間設計を一から見直したデュオ幕だ。
上から見ると六角形に近いフォルムで、後方を少し絞ることで両サイドにコットを斜めに配置できる設計に。2人の視線が正面だけでなく外の景色にも抜け、座る位置を少しずらせば、自然を眺めながら会話を楽しめる。コットの位置に合わせてメッシュ窓が配置されているのも心憎い。
遮光性と結露対策に優れたTPUルーフを標準装備し、スカートは外側だけでなく内側にも配置。冷気や隙間風をしっかり防いでくれるため、冬のお籠もりキャンプでも快適に過ごせる。別売りの仕切り付きインナーを組み合わせれば、就寝時や着替えの際もお互いのプライベートを確保可能。ほどよい距離感で過ごせる、2人のための隠れ家だ。
焚き火を特等席で愉しむドーム幕|オグニスドーム
オグニスドーム ¥64980
夜の静けさのなか、薪がはぜる音と揺らめく炎。オグニスドームは、そんな焚き火の時間をもっと身近に楽しむために作られたドーム型シェルターだ。
前面の跳ね上げパネルには、火の粉に強いTC生地を採用。焚き火のそばで過ごすなら、この安心感は大きい。一方、本体には耐水性に優れたポリエステルを使い、持ち運びやすさも追求したハイブリッド構造になっている。
幕内は370×360×190cmとゆとりたっぷりで、ソロなら寝室とリビングを分けても道具を広げる余裕がある。デュオでも、後方にコットを八の字に置いて寝室をつくり、入口にチェアを並べて跳ね上げの下にテーブルを置けば、炎を囲むリビングのできあがり。焚き火を主役にキャンプを組み立てたい人には、うってつけの一張りだ。
3本フレームで素早く立ち上がる中型幕|テンビ シェルター
テンビ シェルター/グレー ¥56980
シェルター選びで悩ましいのが、設営のしやすさと居心地のよさの両立。フレームを増やせば居住性は上がるが設営に手間がかかり、減らせば手軽な反面、窮屈になりがちだ。
その点テンビは、独自のフレーム構造でこのジレンマにひとつの答えを出してみせた。使うポールはわずか3本で自立するうえ、ポールとスリーブが色分けされているため、どれをどこに通すかで迷う心配もない。
前後に高低差をつけたフォルムは、収納時のコンパクトさと幕内の広さを兼ね備えるための設計だ。リビング側の天井高は最大210cmあり、家族4人でも広々と過ごせる。前方の天面には2か所のメッシュパネルを備え、フルクローズ時でも楽な姿勢のまま空を見上げられる。
TPUウィンドウやインナーテントなどの拡張パーツ(別売)を組み合わせていけば、季節やスタイルに合わせて自分好みに育てていける。設営はパパッと終わらせて、あとは幕内でのんびり。そんな過ごし方を求めるデュオや少人数ファミリーにうってつけの一張りだ。
タープ不要でリビングが完成する2ルーム|ウィングフォート
ウィングフォート ¥119900
ファミリーやグループのキャンプといえば、テントとタープを別々に張るのが定番。そんなお決まりのセッティングを、ひと張りで置き換えてしまうのがウィングフォートだ。
多彩な張り方ができる2ルームの使い勝手と、トンネル型ドームの居住性をひとつにまとめ、リビングまで完結させた。タープを張るスペースがいらないぶん、8×8mの区画サイトにも車ごと余裕をもって収まる。
肝となるのが、特許を取得した2重構造だ。天井と一体になった完全防水のパネルを跳ね上げたまま、内側をフルクローズやメッシュに切り替えられる。急な雨でもレイアウトを崩さずにこもれるうえ、寝る前にわざわざ跳ね上げを片付ける必要もない。
付属の吊り下げ式インナーで4人が就寝でき、外せば最大10人が集まれる大型シェルターに早変わりする。設営はひと張りで済ませたいけれど、天気には振り回されたくない。そんな家族や仲間にとって、頼れる拠点になるだろう。
相棒として長く育てる、手厚いリペア体制も
焚き火の火の粉であいた小さな穴も、強風の日にできたほつれも、使い込んだ道具にとっては勲章のようなもの。その傷さえ味にしながら、ひとつの道具と長く付き合っていきたい――。
TOKYO CRAFTS(東京クラフト)のアフターケア「CRAFTS CARE(クラフトケア)」は、そんなキャンプフリークの思いにまっすぐ応えてくれる仕組みだ。
修理を単なる事務作業としてこなすのではなく、「大切な相棒を預かる仕事」として位置づけているのが大きな特徴。初期不良の保証期間が、購入から初めてフィールドへ持ち出すまでのタイムラグを見越して「90日間」と長めに設定されているのもその表れだ。
保証期間を過ぎても「直せるかぎり直す」が基本スタンスで、たとえ廃盤品で純正パーツがなくても代替案を提案してくれる。さらに、次のキャンプ予定に合わせて納期を相談できる点も、現場を知るキャンパー目線ならではの柔軟な配慮と言える。
社内には専用のリペアスペースが設けられており、歪んだ焚き火台の蝶番を手作業で矯正したり、裂けた幕体を同素材で補強したりと、職人の手で一つひとつ丁寧にリペアが施される。直販(D2C)スタイルゆえに中間マージンがなく、修理費用を抑えやすいのもユーザーにはありがたい。
「作って終わり」ではなく、道具とともに過ごす時間までをものづくりの延長と考える。東京クラフトの真摯なクラフトマンシップを、そのまま具現化したようなケアプログラムだ。
FAQ
Q.東京クラフトのテントは高い? コスパはどう?
A. 今回紹介したモデルでいえば、ソロ・デュオ向けが4万〜8万円台、ファミリー向けの2ルームで12万円ほど。直販を軸にすることで、本格的な仕様を手に取りやすい価格に収めているのが特徴だ。インナーテントやTPUルーフが標準で付くモデルもあり、購入後の修理体制まで含めて考えれば、コストパフォーマンスは高いといえるだろう。
Q.どこで買える? 実店舗はある?
A. 購入の中心は公式オンラインストアで、Amazonでも購入できる。実物を見たいなら、全国のアウトドアショップなどの取扱店や、各地を巡回する展示販売会「PLACE」をチェックしたい。なお、修理などのサポートの対象は、公式サイト、Amazon、ブランド管轄のイベントで購入したものに限られるので注意しよう。
Q.レンタルで借りれる?
A. 借りられる。ブランド直営のレンタルサービス「CRAFTS RENTAL」では、ダイヤフォートやウィングフォートなどのコンプリートセットを1泊単位で利用可能。利用開始日の前日に自宅へ届き、送料は往復無料(離島を除く)、返却時の手入れも不要だ。購入前のお試しとしても使える。
Q.初心者でも設営できる?
A. できる。たとえばテンビ シェルターは、色分けされた3本のポールで自立する構造で、初めてでも迷いにくい。ブランド自体、初心者でも手に取りやすい設計に重きを置いているのも心強いところ。公式YouTubeでは設営動画も公開されているので、事前に流れをつかんでおけば当日も慌てずに済む。
Q.雨の日でも使える?
A. 使える。今回紹介したモデルの多くは耐水圧2,000mmの生地を採用し、ウィングフォートの天井部分は5,000mmを確保している。跳ね上げたまま閉じられる二重構造を持つモデルなら、急な雨にもすぐ対応可能だ。ただし公式は、大雨や大雪などの悪天候時の使用は控えるよう呼びかけている。TC素材のテントは濡れたまま放置するとカビが発生しやすいので、帰宅後は十分に乾かしたい。


















