ジャクリ(Jackery)とは?

Jackery(ジャクリ)とは、キャンプや車中泊などの外遊びにおいて、すっかり定番の道具となった「ポータブル電源」の代表的ブランドだ。
ブランド名は「Jacket(ジャケット)」と「Battery(バッテリー)」を掛け合わせた造語で、「ジャケットのように身に着けて持ち運べるバッテリー」というコンセプトに由来する。

2012年にアメリカ・カリフォルニア州のシリコンバレーで創業。立ち上げメンバーにはAppleの元バッテリーエンジニアが関わっており、モバイルデバイスで培われたリチウムイオン電池の確かな技術をベースとしている。
ブラックとオレンジの象徴的なカラーリングが示す通り、単なる持ち運べる家電の枠を超え、タフな自然環境でも安心して使えるアウトドアギアとしての立ち位置を確固たるものにしている。
ジャクリがポータブル電源の定番になった理由。

ジャクリがアウトドアシーンでここまで浸透した背景には、いち早く外遊び向けのポータブル電源を展開してきた歴史と、現場のニーズに応える確かなアップデートがある。
2016年にブランド初のアウトドア用ポータブル電源を発売し、2018年にはポータブルソーラーパネルを開発。日本市場へは2019年に参入を果たした。
現在ではキャンプや車中泊だけでなく防災用途まで幅広く支持されているが、なぜここまで多くのキャンパーから定番として選ばれ続けているのか。その主な理由を3つの視点から紐解いていく。
小型から大容量まで、遊び方に合わせて選べる。
ジャクリが支持されている理由のひとつに、自分のキャンプスタイルに合った一台を見つけやすい点が挙げられる。
ポータブル電源を選ぶ際、つい「大は小を兼ねる」と考えがちだが、バッテリー容量に比例して本体のサイズや重量も増していく。「念のため」と大容量モデルを買ったものの、重すぎて結局持ち出すのが億劫になった、というのはよくある失敗談だ。
その点ジャクリは、手軽に持ち出せる300Whクラスから、高出力家電が稼働する2000Wh超えの大容量モデルまで、ラインナップが細かく刻まれている。
積載スペースや持ち運ぶ労力を抑えつつ、用途に対してオーバースペックにならない「ちょうどいい容量」を選べるのが、定番として支持されている理由のひとつだ。
Newシリーズは軽さと長寿命を両立。
現行の「Newシリーズ」における大きな進化ポイントが、バッテリーの寿命と持ち運びやすさの両立だ。
バッテリーには安全性が高く劣化しにくい「リン酸鉄リチウムイオン電池」を採用。充放電サイクルは約4,000回を誇り、毎日使っても約10年間使用できる計算となる。たまのキャンプ利用はもちろん、防災用として長期間保管しておく場合でもバッテリーの劣化を抑えやすい。
また、一般的にリン酸鉄バッテリーは従来型に比べて重く大きくなりやすい傾向があるが、Newシリーズでは内部構造の最適化により軽量・コンパクトなサイズ感を実現している。積載スペースが限られる車内でも場所を取りにくく、持ち運ぶ際の負担を軽減できる。
くわえて、コンセントからの急速充電にも対応しており、出発前のわずかな時間で充電を完了できる点も、実用面での使い勝手を高めている。
ソーラーパネルや拡張バッテリーまでシステムで揃えられる。

ジャクリはポータブル電源本体だけでなく、純正の周辺機器が豊富に用意されている点も見逃せない。
折りたたみ式のソーラーパネルや、容量を後から追加できる拡張バッテリーなどが公式ラインナップとして揃っている。対応モデルであれば、キャンプのスタイルがソロからファミリーへ変わったり、連泊の車中泊に挑戦したくなったりした際にも、本体を買い替えることなく容量を増設できる。
他社製品を組み合わせる際のような端子の規格違いや相性を気にする必要がなく、ケーブルを繋ぐだけで安全に使用できる手軽さも、同じブランドで一通り揃えるメリットと言える。
外遊びで「できること」の選択肢が広がる。
ポータブル電源と聞くと、単なる「スマホを何十回も充電できる巨大なバッテリー」とイメージするかもしれない。しかし、ジャクリがもたらす本当の価値はそこではない。
自然の中で過ごす時間は最高だが、これまでは「熱源」や「動力」の確保にどうしても限界があった。しかし高出力のポータブル電源があれば、フィールドでの過ごし方は根本から変わる。具体的な実例を2つ紹介しよう。
山奥が本格的なライブステージに。

過去にGO OUTでも、ポタ電のポテンシャルを実証する企画を行っている。GO OUT CAMPでもおなじみのバンド「D.W.ニコルズ」が、当時の「Jackery ポータブル電源 1000」を活用して、林間サイトでの野外セッションに挑戦した。
定格出力1000Wクラスのモデルなら、楽器用のアンプやスピーカー、マイク、さらにステージを彩る照明用のLED電飾まで同時に稼働できる。電源が一切ない山奥であっても、ジャクリに機材を繋ぐだけで即座に本格的なライブ空間を作り出せることを証明してくれた。
車内が「動く自宅」になるバンライフ。
さらに大容量・高出力なモデルになれば、クルマを完全に「動く自宅」にすることも可能だ。DIYバンライフを楽しむ夫婦キャンパー「うんまほふうふ」のケースでは、定格出力3000Wを誇る「2000 Plus」を導入している。
安全上の理由から火気を避けたい車内でも、電気ケトルやホットプレートといった熱源を気兼ねなく使える。さらには、愛車のカスタムに使う大型の電動工具まで、場所を問わずフル稼働させていた。
連泊の長旅でも、いつもの家電をそのまま車内に持ち込んで、居心地のいい空間を作り上げられるわけだ。
遊びのスタイルで決まる、3つのクラスの使い分け。

ここまで高出力モデルで広がる可能性を紹介してきたが、自分のスタイルに合った容量を見極めるのがポータブル電源選びの基本だ。大きすぎても持て余すし、小さすぎてもやりたいことが制限されてしまう。
ここではジャクリのラインナップを大きく「小型」「中型」「大型」の3つのクラスに分け、それぞれの具体的な使い勝手を整理してみよう。自分の遊び方にはどれがフィットするのか、選ぶ際の目安にしてほしい。
小型(〜300Wh):デイキャンプや身軽なソロ向け。
重量3〜4kg前後と、片手で気軽に持ち出せるコンパクトさが魅力のクラス。車のシート下やトランクのわずかな隙間にも収まるため、荷物を圧迫しない。
モバイルバッテリーとの大きな違いは、家庭用と同じACコンセントを備えている点にある。USBポートだけでなくコンセントが一口あることで、ノートPCの高速充電やカメラのバッテリー充電、ドローンの給電などをそのまま行える。
公園でのピクニックや景色のいい場所でのワーケーション、あるいは荷物を切り詰めた身軽なソロキャンプにちょうどいい。夏場に卓上扇風機を回しながらPC作業をしたり、夜間にLEDランタンやスマホを充電したりといった用途を過不足なくカバーできる。
電気ケトルやドライヤーといった熱源・高出力家電は動かせないが、身の回りのガジェットや小型ギアを動かす「ちょっとした電源」としては十分な実用性を備えている。
中型(〜1000Wh):1泊2日のファミリー・デュオキャンプの定番。

重量は約10kg台となり、車載を前提としてトランクに積んでいくファミリーやデュオキャンプの定番モデルだ。
小型クラスとの決定的な違いは、出力と容量の余裕にある。現行の1000Whクラスは定格出力が1500W以上に達するモデルが多く、小型クラスでは動かせなかった小型ケトルやコーヒーメーカーといった家電も選択肢に入ってくる。
季節を問わず活躍の幅が広く、夏場ならポータブル冷蔵庫をキャンプ場到着から翌日の撤収まで稼働させ、冷たい飲み物や食材をキープ。冷え込む冬場であれば、底冷えを防ぐ電気毛布(50W前後)を2枚同時に繋いでも、就寝から朝まで使い続けられる。
夜は小型プロジェクターとスピーカーを持ち込んでテントで映画鑑賞をするなど、野外での快適度を大きく底上げしてくれる。ソロでの贅沢使いからファミリーのメイン電源まで、最も潰しの効く万能なクラスだ。
大型(〜2000Wh):高出力家電が使える車中泊・連泊向け。
重量は20kgを超えてくるため、手持ちで長距離を運ぶのには少し気合いがいる。現行の「2000 Plus」(約27.9kg)のようにキャスター付きのモデルを転がして移動するか、車に積んだまま延長コードを伸ばして使うのが基本のスタイルだ。
先ほどの「うんまほふうふ」の事例のように、定格出力が2000〜3000Wに達するため、消費電力が1200Wを超えるヘアドライヤーや電子レンジ、IHクッキングヒーターなども難なく動かせる。ホットプレートで調理しながらポータブル冷蔵庫を冷やすといった、複数家電の同時使用ができるのは中型にはない余裕だ。
火を使えない車中泊での自炊はもちろん、冬場のテント内で電気ヒーターをつけながら、家族全員分の電気毛布を一晩中使うような「おこもりキャンプ」も現実的になる。もしもの停電時にも数日間の電力を確保できるなど、防災用のバックアップ電源としての安心感もひとまわり大きい。
サイトの雰囲気に合わせて選べるカラー展開。

ポータブル電源は、キャンプ中ずっとテント内やタープの下に出しっぱなしになる道具だ。だからこそ、自分のサイトの雰囲気に馴染むかどうかも無視できないポイントになる。
ジャクリを象徴するカラーといえば、定番の「ブラック&オレンジ」。アイアン系のギアやミリタリーテイストを取り入れた無骨なサイトと相性が良く、空間をグッと引き締める。
一方で、最近のモデル(1000 Newなど)で追加された新色「サンドゴールド」は、ナチュラルなテイストを好むキャンパーにぴったりだ。ベージュやコヨーテ系のテント、ウッド調のファニチャーと並べても悪目立ちせず、サイトの風景にスッと溶け込む。
これまでは容量や出力といったスペック重視で選ばれがちだったが、カラーの選択肢が増えたことで、他のキャンプギアと同じように「サイトの雰囲気に合うか」で選べるようになっている。
ソーラーパネルが叶える「電気の自給自足」。
連泊や長旅になると、どうしてもバッテリーの残量が気になってくる。そんな時にソーラーパネルを用意しておけば、晴れている日中なら、電源設備のない場所でもバッテリーの補給が可能になる。
使い方はごくシンプルだ。純正の「SolarSaga」シリーズなら、パネルを広げてケーブルを本体に繋ぐだけ。テントの横に立てかけたり、車のルーフに広げたりと、太陽の向きに合わせて手軽に移動させながら発電できる。
日中の太陽光で発電した電気を使い、夜はランタンを灯してコーヒーを淹れる。単なるエコや防災といった視点だけでなく、「自然の中で自ら電気を作り出す」という自給自足のプロセス自体が、外遊びの楽しさを一段引き上げてくれる。
スタイルに合わせて選ぶ、ジャクリの代表アイテム。
選び方の基準を踏まえた上で、現在展開されているジャクリの代表的なモデルをピックアップした。
身軽に持ち出せる超小型タイプから、フィールドでラフに使える防水モデル、本格的な車中泊を支えるフラッグシップまで、それぞれの特徴を整理している。自分の外遊びのスタイルにフィットする1台を見極める参考にしてほしい。
300 New

Jackery ポータブル電源 300 New ¥39800
重量わずか約3.7kgと、リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したモデルとして業界最小・最軽量クラスのコンパクトさを誇る1台。
折りたたみハンドルを採用した省スペース設計に加え、待望のACコンセントが2口に増設されたことで、ノートPCや周辺機器の同時給電がよりスムーズになった。約4,000回の充放電に耐える長寿命設計や、停電時に0.01秒で給電を切り替える高速UPS機能も備える。
デイキャンプやピクニック、ワーケーションから日常の防災用まで、気軽に持ち出せる機動性の高さが光るエントリーモデルだ。
300D

Jackery ポータブル電源 300D ¥24990
重量わずか約2.5kg、底面はCDケースほどの約12cm四方と、シリーズの中でも群を抜いてコンパクトなモデル。
一般的なACコンセントを省き、USBポート(Type-C×3、Type-A×1)とDC出力に特化している点が割り切った設計だ。10,000mAhのモバイルバッテリー約9台分に相当する288Whの容量を備え、ノートPCの急速充電やスマホ、ガジェット類の給電を複数同時にこなせる。
荷物を極力小さくまとめたいデイキャンプやピクニック、車内でのガジェット充電ステーションとして重宝する。
1500 Ultra

Jackery ポータブル電源 1500 Ultra ¥239800
定格出力1800W、容量1536Whという圧倒的なパワーに加え、IP65の防塵・防水性能を備えたタフな一台。各ポートには保護カバーが付き、突然の雨や砂埃を気にせずフィールドで気兼ねなく使えるのが強みだ。
本体底面には水洗い可能な金属製ベースプレートを採用しており、外遊びで汚れた後のメンテナンスも手軽に行える。AC充電なら最速約85分でフル充電できるため、出発前の急な準備にも対応。連泊の本格キャンプや、電動工具を使う野外でのDIY作業などで頼りになるヘビーデューティーなモデルだ。
2000 New
Jackery ポータブル電源 2000 New ¥239800
定格出力2200W、容量2042Whという超大容量を誇りながら、同クラスの市場モデルと比較して最小・最軽量クラスを実現した革新的なモデル。
新しい内部構造(CTB技術)を採用して大幅な小型化・軽量化に成功し、「大型クラスは大きくて嵩張る」というこれまでの常識を覆した。消費電力の大きい熱源家電を複数同時に動かせる圧倒的なパワーを備えつつ、車のトランクに積んでもスペースを圧迫しにくいのがキャンパーには嬉しいポイント。
約4000回サイクルの長寿命も備え、本格的な連泊キャンプから自宅の停電対策まで、死角のないハイスペックな一台だ。
2000 Plus
Jackery ポータブル電源 2000 Plus ¥285000
定格出力3000W、容量2042Whのスペックを誇る、連泊の車中泊や本格的なバンライフに向けたフラッグシップモデル。
ACコンセント5口を含む計10個の出力ポートを備え、ホットプレートや電動工具といった熱源・高出力家電を複数同時に動かせる。これだけの大容量でありながら、独自の急速充電技術によって約2時間でフル充電が完了するスピードも実用的だ。
専用アプリを使えば、離れた場所からバッテリー残量の確認や電源のオンオフ操作も可能。外遊びの環境を極限まで「日常」に近づけてくれる、頼もしい1台だ。
FAQ:購入前によくある疑問
どこで購入できる?
Jackeryの公式オンラインストアをはじめ、Amazonや楽天市場などの主要ECサイトで購入可能だ。また、最近は全国のアウトドアショップや大型家電量販店でも取り扱いが増えている。とくに中型〜大型モデルは重量があるため、サイズ感や持ち運びのリアルな重さが気になる人は、一度店頭で実機を確かめてみるのもおすすめだ。
価格帯の相場は?
容量によって大きく異なる。今回紹介した小型クラス(300Wh前後)なら2万〜3万円台。キャンプの定番である中型クラス(1000Wh前後)で10万〜15万円前後。高出力家電が使える大型クラス(2000Wh前後)になると、15万〜20万円台後半が目安になってくる。公式サイトやECサイトのキャンペーン時期を狙うと、かなり割引されることも多い。
雨や水に濡れても大丈夫?
基本的に精密機器なので水濡れは厳禁だ。雨の日に外へ出しっぱなしにしたり、水しぶきがかかる場所で使うのは避けるのが基本ルール。ただし、一部のモデル(1500 Ultraなど)はIP65の防塵・防水性能を備えており、雨や粉塵の中でも使えるようになっている。タフな環境でガンガン使いたい場合は、こうした防水対応モデルを選ぶのが確実だ。
バッテリーの寿命はどれくらい?
最近の主要モデルには、長寿命な「リン酸鉄リチウムイオン電池」が採用されている。充放電サイクルは約4,000回。これは毎日充電・放電を繰り返しても、約10年間は初期容量の70%以上を維持できる計算になる。週末のキャンプや車中泊での利用がメインであれば、寿命を気にする場面はほぼないと言っていい。
万が一壊れた場合の保証は?
公式サイトなど正規ルートでの購入であれば、基本の3年保証に加えて2年の自動延長保証がつき、計5年間の長期保証を受けられるモデルが多い。また、使い終わったポータブル電源を無償で回収してくれるリサイクルサービスも用意されている。処分に困りがちな大型バッテリーだからこそ、最後までメーカーが面倒を見てくれるのは安心できるポイントだ。










