
八王子市大和田町にある、黄色い倉庫のような建物。ここに、アウトドアギアやウエアを扱う「LOG SHOWROOM」はある。
オンラインを軸に活動してきたLOGが、実際に道具を見て、触れて、テントのサイズ感まで体感できる場所として構えたショールームだ。

「ショールーム」とはいえ、展示を見るだけの場所ではない。店頭在庫のある商品はその場で購入可能で、気になるギアについてスタッフに相談しながら選ぶこともできる。
店内には、LOGやneru design worksのオリジナルアイテムのほか、THE FREE SPIRITS、Pre Tents、POMOLYなどのテントやギアが並ぶ。オンラインだけでは伝わりにくいアウトドアギアの魅力を、リアルな空間で確かめられる店になっている。
Table Of Contents : 目次
- オンラインを軸に活動してきたLOGが、リアルなショールームを作った理由。
- 「LOG」に込められた、記録と外遊びのニュアンス。
- 横浜から八王子へ。フィールドへ向かう途中に立ち寄れる場所に。
- 150平米の倉庫に、大型テントを張れるショールームを。
- 黄色い外観と、平場を残したフレキシブルな店内。
- 実体験から選ぶ、LOGのセレクト。
- neru design worksのアイテムを、常設で見られる場所。
- 山だけでも、キャンプだけでもない。原点に立ち返りながら広げる外遊び。
- LOGらしさが詰まった、オリジナルの「Teon」。
- チェア全体を包み込み、暖かさをキープする「CHAIR JACKET 2」。
- 今後は、車やライフスタイルまで横断する場所へ。
- 行列のできる八王子ラーメンの名店「タンタン」へ。
- 見て、触れて、次の外遊びを考えられる場所。
オンラインを軸に活動してきたLOGが、リアルなショールームを作った理由。

LOGが立ち上がったのは2021年。コロナ禍のただなかだった。
ただ、集まったメンバーは、それ以前からそれぞれのスタイルでアウトドアを楽しんでいた。キャンプをただのレジャーとしてではなく、自分たちらしい方法で楽しみ、ライフスタイルとして広げていく。そんな思いを持ったメンバーによって、LOGはスタートしたという。
現在、LOGの運営を担っているのが鈴木さん。取締役として、日々の運営やショールーム全体を取りまとめている。
もともとLOGは、ショップとして立ち上がったわけではない。neru design worksや、当時参画していたTARPtoTARPなど、各ブランドだけではできないことを形にするためのプラットフォームのような存在だったという。

「キャンプをしながら、SUPやカヤック、山登りなど、いろいろな外遊びにも興味が広がっていきました。キャンプだけではなく、複合的なアウトドアのあり方を提案できたらいいなと思って」
そうした活動のなかで、オンラインだけでは伝えきれないものも見えてきた。アウトドアギア、とくにテントや大型ギアは、価格も決して安くない。写真やスペックだけで判断するには、どうしても不安が残る。
そこで作られたのが、実際に商品を見られるLOG SHOWROOMだった。
「LOG」に込められた、記録と外遊びのニュアンス。

LOGという名前には、いくつかの意味が込められている。
ひとつは、ログイン、ログアウトにも使われる“ログ”。アクティビティや外遊びの記録を残し、発信していくという意味を重ねている。もうひとつは、丸太を意味する“log”。自然との親和性を感じられる言葉として、この名前が選ばれた。
さらに、タグラインとして添えられているのが「Life Over Ground」。直訳すれば、地上の生活。外で遊び、過ごし、その体験を記録していく。LOGという名前には、そんなアウトドアのある暮らしを広げていきたいというニュアンスが込められている。
LOGが提案しているのは、単に道具を売ることだけではない。自分たちが実際に使い、いいと思ったものを紹介しながら、その先にある外遊びの楽しさまで伝えていくこと。ショールームも、その考え方の延長にある。
横浜から八王子へ。フィールドへ向かう途中に立ち寄れる場所に。

LOGの拠点は、もともと横浜の桜木町にあったという。しかし、撮影やイベントで山梨や長野方面へ向かうことが多く、アウトドアの拠点としては不便さも感じていた。
そこで新たな場所として選んだのが八王子。八王子ICから近く、山梨や長野方面のキャンプ場へ向かう途中にも立ち寄りやすい。高尾や奥多摩方面へのアクセスもよく、ユーザーにとってもフィールドへ向かう前後に足を運びやすい場所だ。
街とフィールドをつなぐ中継地点。そんな立地も、LOG SHOWROOMを八王子に構えた理由のひとつになっている。
150平米の倉庫に、大型テントを張れるショールームを。

現在のショールームは、もともと運送業の倉庫として使われていた建物。広さは約150平米あり、天井も高い。
この広さを求めた理由は、大きくふたつある。
ひとつは、各地に分散していたサンプルや在庫を集約するため。もうひとつは、大型テントを実際に設営して見せるためだ。

「テントって、5万円、10万円、20万円するものもありますよね。それを見ないで買うのは、やっぱり怖いと思うんです」
店内には、直径5mクラスのテントも張れる。テントのなかに入ってサイズ感を確認したり、チェアやテーブルを置いたときの居住感を想像したりできるのは、このショールームならではの魅力だ。
写真で見ると良さそうでも、実際にテントのなかへ入ってみると、天井高の感じ方は変わったり、スペック上は広く見えても、荷物や家具を置けば印象も違ったりしてくる。そうした細かな感覚まで確かめられる場所として、LOG SHOWROOMは作られている。
黄色い外観と、平場を残したフレキシブルな店内。

倉庫らしい建物に、黄色い外壁。LOG SHOWROOMの外観はかなり印象的だが、この色はもともと塗られていたものだという。
店づくりでは、倉庫の雰囲気を活かしつつ、ショールームとしての見え方も整えていった。もともと大きなシャッターだった入口にはドアを設け、壁面には有孔ボードを貼り、什器も作り込んでいる。

一方で、店内にはあえて余白も残している。イベントやポップアップを行うときには、テントをたたんでスペースを作り、ブランドの展示やワークショップにも使えるからだ。
常設のショールームでありながら、使い方を固定しすぎない。倉庫という器を活かした、フレキシブルな空間になっている。
実体験から選ぶ、LOGのセレクト。

LOGで扱うアイテムのセレクトの基準にあるのは、自分たちの実体験だ。
アウトドアギアは、テント、マット、テーブル、チェア、ウエア、小物まで、必要なものを挙げればきりがない。すべてを自分たちで作ることは難しい。だからこそ、「このカテゴリーなら、このブランドのこれがいい」と思えるものを選び、自分たちの目線で提案していきたいという。

たとえば、THE FREE SPIRITSやPre Tents、POMOLYといったブランドのテントやギア。LOGは海外ブランドの総代理店業も行ってきたが、それは単に取り扱いを増やすためではなく、発信のスタイルや提案に共感してくれたブランドとの出会いから広がっていったものだ。
店内には、ほかではなかなか実物を見られないテントも並ぶ。ECではわかりにくい素材感や張り姿を確認できるのは、LOG SHOWROOMの大きな強みだ。
neru design worksのアイテムを、常設で見られる場所。

neru design worksは、LOGを立ち上げた中核ブランドのひとつ。イベントやポップアップで目にする機会の多いアイテムも、LOG SHOWROOMでは実際に手に取れることがある。

キャンプギアにデザイン性や質感を求める人にとって、実物を見られる意味は大きい。写真で見ていた道具のサイズ感や質感を、その場で確かめられる。これも、オンラインを軸に活動してきたLOGが、リアルな場所を持つ理由のひとつだ。
山だけでも、キャンプだけでもない。原点に立ち返りながら広げる外遊び。

LOGは、ここ数年で山やランニングなど、キャンプ以外のアクティビティにも関心を広げてきた。
実際、軽量なテントや機能的なウエアを扱うなかで、LOGに対して「山寄りのブランド」というイメージを持つ人もいるかもしれない。鈴木さん自身も、その印象については自覚があるという。
ただ、LOGが目指しているのは、山だけに振り切ることではない。もともとの出発点にはキャンプがあり、今もキャンプを楽しむ人たちへ向けた提案を大切にしたいと考えている。
「キャンプもして、山もして、いろいろなアウトドアを楽しんでいるブランドだと思ってもらえるように、ちゃんと発信していきたいんです」
トレンドに寄りすぎるのではなく、キャンプに軸足を置きながら、山、旅、車、ライフスタイルまで横断していく。LOGの現在地は、そんな広がりの途中にある。
LOGらしさが詰まった、オリジナルの「Teon」。

【LOG】(手前)Teon tumbler 260 ¥3190 / (奥)Teon bowl 370 ¥3850
LOGオリジナルの代表的なアイテムとして紹介してもらったのが、「Teon bowl 370」。ステンレス真空二重断熱構造のボウルだ。
開発の出発点は、シェラカップへの素朴な疑問だった。
キャンプでシェラカップを使う人は多い。けれど、細いハンドルを持ちながら食事をしていると、意外と手が疲れる。熱いものを入れると持ちにくいこともある。だったら、皿のように持てて、断熱性もある器があってもいいのではないか。
そんな考えから生まれたのがTeonのプロダクト。取っ手をなくしたことでスタッキングしやすく、真空二重構造によって温かいスープから冷たいデザートまで幅広く使える。鏡面仕上げによる、すっきりとした見た目もLOGらしいポイントだ。

同シリーズには、タンブラー型の「Teon tumbler 260」もラインナップする。
累計で1万個近く販売されているという、LOGの定番的なヒットアイテム。キャンプ道具でありながら、家でも使いたくなる佇まいがある。
チェア全体を包み込み、暖かさをキープする「CHAIR JACKET 2」。

もうひとつ、LOGらしいアイテムとして挙げられたのが「CHAIR JACKET 2」。
Helinoxのチェアワンやタクティカルチェアに装着し、チェア全体を包み込む防寒カバーだ。元の座面を取り付けたまま、表と裏から挟むように装着する独自の構造を採用している。

上下に中綿入りのカバーを配置することで、座面側の中綿が体重で潰れても、裏側には空気の層が残る仕組み。暖められた空気が逃げにくく、寒い時期のキャンプでも暖かさをキープしてくれる。

現行モデルでは、中綿を軽量性、保温性、通気性に優れたTHERMOLITE®︎へ変更。中綿量も従来モデルから15%増量している。収納時は専用のスタッフサックにコンパクトにまとめられる。
キャンプチェアを冬仕様へアップデートでき、見た目にもジャケットを着せたような存在感がある。機能と遊び心を両立した、LOGらしいアイテムだ。
日本の4人家族に合わせて生まれた、THE FREE SPIRITSの「STARS 4」。

【THE FREE SPIRITS】STARS 4 ¥69300
LOGが扱うテントのなかで、鈴木さんが特におすすめしてくれたのが、THE FREE SPIRITSの「STARS 4」。もともと2人用と3人用のみだったSTARSシリーズに、日本に多い4人家族が使いやすいサイズを求め、LOG側から提案して生まれたテントだという。
4人用のスタンダードなドーム型で、シンプルな構造により10分以内で設営可能。吊り下げ式のインナーテントは、取り付けたまま収納できるため、次回の設営もスムーズに行える。

前後には2本のリッジポールを備え、荷物置き場や出入りに使いやすい広めの前室を確保。前室のパネルは、別売りのポールやトレッキングポールを使って跳ね上げることもできる。
総重量は約3.7kgと、4人用テントとしては持ち運びやすい重さ。インナーにはメッシュを採用しており、気温の高い時期にも風を通しやすい。設営の手軽さと居住性、軽さをバランスよくまとめた、ファミリーキャンプにも取り入れやすい一張りだ。
今後は、車やライフスタイルまで横断する場所へ。

LOG SHOWROOMでは、これまでもブランドのポップアップやワークショップなど、広い空間を活かしたイベントを開催してきた。
今後は、キャンプや山に関わるものだけでなく、植物や暮らしなども含めて、アウトドアのあるライフスタイルをより広く提案していきたいという。
なかでも、具体的に考えているのが車にまつわる企画だ。LOGのメンバーには車好きが多く、これまでも車種やカスタムを含めたアウトドアスタイルの発信もしてきた。
ハイエースをそのまま入れられるショールームの広さを活かし、車両やカスタムパーツの展示、メーカーと組んだ企画なども構想しているそうだ。
車は車、キャンプギアはキャンプギアと分けるのではなく、ひとつのライフスタイルとしてつなげていく。LOG SHOWROOMは、道具を販売するだけでなく、さまざまな外遊びやカルチャーが交わる場所へ広がろうとしている。
行列のできる八王子ラーメンの名店「タンタン」へ。

取材を終えると、時刻はちょうど昼どき。鈴木さんにおすすめを尋ね、向かったのはLOG SHOWROOMから八王子駅方面へ車で約7分の「タンタン」。平日の昼にも長い列ができる、八王子ラーメンの名店だ。
八王子ラーメンは、醤油ベースのスープに細かく刻んだ玉ねぎを合わせるのが特徴。LOGが八王子へ拠点を移してから、鈴木さんもお気に入りの一杯を求めて市内の店を食べ歩いてきた。そのなかでも、タンタンには何度も足を運んでいるという。

今回注文したのは、「ミックスチャーシューメン」の並。丼を覆うように盛られたチャーシューは、部位によって脂の甘みや肉の旨み、食感の違いを楽しめる。
スープは醤油の風味がしっかりと立ちながら、表面の油がコクをプラス。見た目よりもすっきりとした味わいで、細かく刻んだ玉ねぎの甘みとシャキッとした食感が重なる。そこに細かく刻んだ玉ねぎの甘みとシャキッとした食感が重なり、チャーシューをたっぷり食べても重たさを感じにくい。
麺をすすれば、醤油スープと刻み玉ねぎが一緒に絡み、ひと口ごとに八王子ラーメンらしい味わいが広がる。並盛りでも肉の満足感は十分で、それでも最後まで重たさは残らず、スープまで飲み干したくなる一杯だった。
見て、触れて、次の外遊びを考えられる場所。

LOG SHOWROOMでは、オンラインで気になっていたテントの広さを確かめたり、実物を見る機会の少ないギアを手に取ったりできる。
キャンプや山など、さまざまな外遊びを実践してきたLOGのメンバーから、実体験を踏まえた使い方や、どんなシーンに向いているのかを聞けることも、この場所の魅力だ。
キャンプの行き帰りに立ち寄れるロケーションも、都心から出かけるキャンパーには嬉しいところ。量販店とも、キャンプや登山に特化したセレクトショップともひと味違う、LOG独自の視点で選ばれたアイテムとの出会いが待っている。
LOG SHOWROOMは、次の外遊びへ踏み出すきっかけをくれる、センスに満ちた空間だ。
◼︎LOG SHOWROOM
住所:東京都八王子市大和田町5-26-11
Open:11:00~18:00(水・木定休)
Mail:info@lifeoverground.com
Online Site
lifeoverground.com/
Instagram
@lifeoverground
※現金は利用不可。キャッシュレス決済のみ。
※駐車スペースはありません。営業スケジュールは公式Instagramをご確認ください。
