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こだわりを追求してたどり着いた、チルアウトな生活。
長野県軽井沢でカフェを営む、黒澤一進さん。カフェ空間や珈琲豆はもちろん、趣味の釣りやスノーボード、愛車まで、ライフスタイルの基盤となっている“こだわり”のセレクトを拝見してきた。
- 黒澤一進さん
- コーヒーハウスシェーカー オーナー
- 群馬県出身。老舗の珈琲店で5年ほど修行後、軽井沢へ移住し「コーヒーハウス シェーカー」をオープン。フライフィッシング、スノーボードなどのアウトドアアクティビティをライフスタイルの一部とする。
ライフスタイルを形成する、仕事も趣味も楽しむ“遊び心”。
趣味人とは、まさに黒澤さんのこと。「物心ついたころ、おそらく10歳くらいには、すでに川で釣りをしていました。実家から歩いて数分の場所に川があって、当時、山女魚がよく釣れたものです」。
冷水域に生息し、警戒心が強いことから、釣り上げるのに難易度が高く、多くのフライフィッシャーマンたちにとってターゲットとなっている山女魚。日本屈指の避暑地として名を馳せる長野県軽井沢町は、大自然に囲まれ、四季折々の豊かな表情を見せるだけでなく、全国でも有数のフライフィッシングのメッカとしても知られている。
そして、フライフィッシング界において、雑誌や本、さらには著書を手掛けるなど、一目置かれる黒澤さんを知らない人はいないだろう。
「禁漁期間以外は、ほとんど毎日のようにカフェのオープン前はもちろん、クローズの30分後には川に入っていて、そんな生活をかれこれ20年ほど続けています。自分で作った毛鉤やロッドの調子を確認したり、新たなポイントを開拓したり、自然相手なのでまったく飽きない。のめり込む程、奥深さを感じるものです」。
濃淡のコントラストで緑色の森が、黄色から紅く色付き始める、9月、10月を境に川が禁漁期間へと入ると、釣りと同じようにライフワークとして、時間を費やすのがスノーボード。季節的には夏の避暑地として知られる軽井沢だが、冬季オリンピックの開催地となったことがあるほど、雪深くなる長野県。
当然ながら、ウインタースポーツも盛んな土地だ。そして、黒澤さんにとってもスノーボードは、フライフィッシングに並ぶ肝入りのアクティビティ。カフェの入口に収納されているこの冬のための複数枚のボードには、丁寧にカバーが付けられていた。その几帳面さから道具を大切にするモノへの愛情を垣間見ることができた。
長く付き合いたいからこその、“違い”を実感できる道具選び。
「挽きたてじゃないと豆の油分が飛んでしまい、酸化を早め、結果、風味が損なわれてしまう。珈琲豆はすごく繊細です」。長年、使用しているというミルや銅製のポット、ドリッパー、カップなど、彼の周りにはこだわりの道具のみが揃っている。
「釣りにしても、スノーボードにしても、そして仕事道具である珈琲器具をはじめ、キッチンウエアやカトラリーにしても、デザインやブランドに関係なく、少々値段が高くても、長く使える道具が好み。どうせ使うのなら、愛着の湧くものが良いですしね。」
「僕の場合、作られたモノの背景やストーリーも好きかも。例えば、軽井沢の地で、その昔、宣教師が開拓した背景があってのシェーカー教徒をイメージしたショップのデザインだったり、もともと貴族の遊びだったフライフィッシングの発祥である英国のクルマを愛車にしたり。お気に入りに囲まれることで日々のモチベーションも大きく変わるもの。常に違いを実感できるモノを選べるようになりたいですね」。
仕事と趣味の拠点「コーヒーハウス シェーカー」。
四季折々の自然を楽しめる環境に恵まれた軽井沢の片隅にひっそりとたたずむ隠れ家カフェが、黒澤さんの仕事と趣味の拠点。
■コーヒーハウス シェーカー
住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉3460-16
tel:0267-45-8573
Photo/Takahiro Tsuji Report & Text/Tamaki Itakura
(企画協力)昭和シェル石油 www.showa-shell.co.jp