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30分もかからずに、オリジナルのTシャツが作れる!?
腹ごしらえを終えて向かったのは、高架下にひっそり佇む「ブルースト」。その場で自分の好きな写真やイラストを衣類にプリントしてくれるショップだ。
元々は東京・下北沢で営業していたのだけど、オーナーであるロッキーさんの地元が静岡ということで2年前にカムバック。ブランドやアーティストのグッズを手がけるほか、個人客のオーダーも請け負っている。
ネットでプリントをする場合、ボディを決めたり、プリントのサイズや位置を決めたりと作業が煩雑。けれど「ブルースト」であれば、来店してボディを選んで、写真やイラストをエアドロップで送るだけ。位置やサイズは、その場でフレキシブルに対応してくれる。プリントはTシャツやフーディなど、あらゆるものに可能。もちろん、一枚からオーダーすることができる。
勝山さんはこの日、イラストレーター平沼久幸さんが納車記念に描いてくれたという「ディスカバリー3」のイラストを写真で撮影し、持参。これを好みのボディにプリントしていく!
ボディは熟考の末、ユナイテッドアスレのヘビーオンスをチョイス。カラーは白。データを送って、サイズを決めて、10分もかからずに完成!
一番大きいプリントサイズの40cm×50cmのサイズを、バックにプリント。これでなんと、アンダー3000円というから驚きだ(ボディにより変動)。
「背景の方眼もくっきりプリントされていて驚きました。あと、めちゃくちゃ早い!入店してから15分も経たずに完成したんじゃないでしょうか。このためだけに、また静岡に来たいっす」
それに触発され、取材クルーもみんなでプリント。誰かのプレゼント用に作ったり、パートナーとの記念日にお揃いで作ったりもいいかもしれない。
ちなみに「ブルースト」は4月に開催するGO OUT JAMBOREEにも出展予定!
山小屋のなかでキャンプギアと工具を物色する。
富士山のお膝元だから周辺にキャンプ場は多い。それに比べ、静岡市にはキャンプギアを販売するショップは少ない。アウトドア古着の名店はあれど、ことギアに関して、特にガレージブランドを購入できるところが少ないのだ。そのなかで、県内外のキャンパーたちをも惹きつけるお店がここ「歩歩是道具店」。
地上二階建てで、山小屋のような空間にアイテムがぎゅうぎゅうに詰まっている。大物から小物まで、なんでもござれ。
ラインナップはキャンプギアにとどまらず、軍モノやアメリカ製の工具など、店主・日高さんがセレクトする興味をそそられるモノがいっぱい。廃盤になっているものなども多く、心がくすぐられっぱなしだ。
「『歩歩是道具店』はキャンプギアはもちろんですけど、アメリカの工具がめちゃくちゃ充実していてずっと見ていられますね。何に使うかわからないものだらけですけど、それが楽しい!」
ニクいアイテムがとにかく多く、都内でもここまでアメリカ工具が揃っている場所は珍しい。「これ、何用?」っていうものだらけ。キャップにペンをさせるようにできるアタッチメントとかね。
静岡にイフニあり! 愚直なコーヒーを味わう。
中心地からクルマで約5分行った先。窓を締め切っていても、焼いたコーヒー豆のいい香りが漂ってくる。においの発生源は「イフニロースティング&コー(以下、イフニ)」だ。
大きな焙煎所を備えながら、その脇でテイクアウト用のコーヒーを販売する。店前の倉庫には、海外から取り寄せたコーヒーバッグが積み上げられている。
巷によくあるおしゃれな焙煎所ではない。巨大な焙煎機で、まるで町工場のようにとんでもない量のコーヒー豆を焼き続けている。取り扱い先の希望のテイストも千差万別で、微調整にも余念がない。
軒先の直売所では焼きたての豆が量り売りされ、テイクアウトのコーヒーも販売する。その味はいわずもがななのだけど、なんたって、コーヒー屋とは思えないグッズが目を見張る。〈マウンテンリサーチ〉や〈1LDK〉、〈ウルトラヘビー〉といったブランドとコラボレーションしたアパレルも並ぶし、自社で作っているコーヒーゼリーやコーヒー羊羹も、味はもとよりデザインコンシャス。
「お店の名前は聞いたことがあり、一度来てみたかったんです。一見すると工場なので、知らなければ見逃してしまいそうですよね。コーヒーはめちゃくちゃおいしいし、販売しているアイテムも錚々たるブランドとのコラボでびっくりしました。こんな素敵な場所だったとは…」
この日はチェリーコーヒーをテイクアウトして、最後に向かうは太平洋を一望できる海岸沿い!
どうしても、おでんが食べたくて…。
クルマを15分ほど走らせ到着した海岸。大階段があって、ローカルたちも変わりゆく空模様を楽しんでいる。こうして無事、撮影を終えたとき「そういえば、おでん食ってないですよね?」と勝山さんがポツリ。
そう、静岡と言えばおでんだ。
けれど、おでんと言えば酒だ。
ただ今日はクルマだ。
企画上、宿泊することはできない。
とはいえ、やっぱりおでんは食べたい!
「ひとまず、見てみましょうか」
そうして踵をかえし市内へ向かう!
おでん街を見渡したあとに、我慢できるわけもなく、「イフニ」のオーナーがすすめてくれたお店へGO!
「静岡ならではの「だし粉」がかかった黒いおでん。正直、普通のおでんと変わらないだろうと思っていましたけど、大袈裟ではなく人生で一番おいしいおでんでした。来てよかった! クルマであっても、こういうお店で締めるって悪くないですね」
クルマで来ている=サクッとディナーを済ます、ではなくて居酒屋に入ってみる。すると、昼間に見えてこなかった街の魅力をたくさん知ることができるし、隣に座った地元の人の訛りを聞けたりもする。より街を味わいたいなら、ドライブであっても夜の店ははずせないのだ。
時間もなくアルコールも飲めずで不完全燃焼の夜。後ろ髪はひかれまくり、いろいろ巡ったはいいけれど腹は八分目。残りの二分を満たすため、帰りの車中で3月の静岡再訪を約束した一同なのでした。
Photo/Shouta Kikuchi