こんなのあったんだ! UL派でなくてもつい気になったユニークな超軽量級5アイテム!

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キャンプ、登山、自転車旅など、さまざまなアクティビティーにまつわる、コアなブランドが集結した、アウトドア展示イベント「Off the Grid 2023」。4年ぶりの開催ということもあり、会場となった町田シバヒロには多くの来場者が。

当日は、ウルトラライトな外遊びから日常まで、スタイルの垣根を超え、49ものブランドやショップが出店。アウトドアの楽しみ方が多様化していることを実感させてくれた。

会場に訪れたアウトドアフリークたちのお目当ては、気鋭のブランドの新製品や、普段は入手できないようなレアなアイテム。今回は、膨大なアイテムのなかから、編集部的に気になったアイテムを5点ピックアップしてご紹介。

オートキャンプ系のイベントではお目にかかれない、ユニークなアイテムとは?

Table Of Contents : 目次

FRチェアカーボン / フィールドレコード

FR chair carbon ¥17160

最初のアイテムは、2018年にスタートした国内発の新進ブランド「FIELD RECORD(フィールドレコード)」から。同ブランドは、フレーム構造から独自に設計したダイニーマ製のテントや、スリープマットレスなど、ウルトラライトなアイテムがウリだ。

そんな「フィールドレコード」のブースで注目を集めいていたのが新作のチェア、FRチェアカーボン。

FRチェアカーボンの最大の特徴は、フレームの一部にトレッキングポール(別売)を使用する点。カーボン製の3本のフレームにくわえて2本のトレッキングポールを足すことで、静止耐荷重100kgの強度を実現している。

そして、トレッキングポールを抜いたチェア本体の重さは、わかず510g。強度と軽さ、快適性のバランスを追求し、無駄を削ぎ落とした作りに、同ブランドのデザイン力の高さと設計思想が感じられる。

収納時はチェアの本体は500㎖のペットボトル2本分ほどのサイズに。軽量化の追求のため、あえて収納ケースは付属せず、備えつけのバンドでまとめられる構造だ。筒状になるうえ、耐水性と強度に優れたリップストップナイロン製なので、バックパックにも括り付けやすい。

オリジナルのチェアを展開しているブランドは多いが、安全性の検証などのハードルもあるため、その構造をゼロイチで設計し、製品化できるブランドは稀な存在だ。他にもユニークなアイテムを展開していた「フィールドレコード」。今後もUL派のアウトドア人を驚かせるアイテムをどんどん投入してくることだろう。

【商品詳細】
重量:510g(トレッキングポール抜き)
展開サイズ:50 × 58× 58 cm
座面高 : 21cm
収納サイズ:37 × φ10 cm
耐荷重 : 100kg (静荷重)

(問)FIELD RECORD www.fieldrecord.jp

ULダウンキルト / ハイランドデザインズ

UL DOWN QUILT ¥48400

続いては、UL派御用達の人気アウトドアショップ「ハイカーズデポ」が2008年に立上げたオリジナルブランド「Highland Designs(ハイランドデザインズ)」のアイテム。

同ブランドのテーマは「吾唯知足」を掲げ、過剰な軽さや利便性を求めるのではなく、必要十分の範中でいかにシンプルかつ軽くできるかにこだわりを置いている。「ハイカーズデポ」オーナーの土屋氏をはじめとし、国内外で多くのロングハイクを経験したスタッフ全員が企画、試作、テストに携わる、リアルなもの作りも魅力で、ファンからの信頼の礎となっている。

こちらのULダウンキルトもそんなこだわりのプロダクトのうちのひとつ。一見よくあるスリーピングバッグに見えるが、これは「ダウンキルト」と呼ばれるジャンルのUL派向けスリーピングギア。通常のスリーピングバッグと大きく異なるのは、背中側の大きな開口部。

ダウンキルトが登場したのは1980年代。背中に押されて羽毛が潰れてしまう背面部分を省くことで軽量化を図ることから生まれた。ダウンキルトは一歩設計を間違えると背中が寒くなりがちなうえ、一般受けしないため、開発の難しいアイテムであったが「ハイランドデザインズ」はブランド立上げ当初からその本質に向き合い続けてきた。

ULダウンキルトは、そんな同ブランドの集大成となっており、暖かさと軽さの理想のバランスを実現している。

その秘訣は、体への密着感を求めた曲線的なシェイプにあり。体の曲線に沿いつつも、羽毛が膨らむべきところは膨らみ暖かさを確保している。また独自のパターンにより、使用する生地の厚さを薄くすることなく、面積を減らすことにも成功。パーツも必要最小限にとどめ、軽量化も両立している。

首を通す部分は調整コードを省きながらも、冷気の侵入を防ぎつつスナップボタンをつけたまま頭がギリギリ通るサイズ感にするなど、各部の寸法はミリ単位で突き詰められている。

ちなみにULダウンキルトの製造はナンガが行なっており、ダウンの質や縫製のクオリティも確かだ。

UL派はもちろん、これから装備の軽量化を考えている方は方はぜひ手にとり「ハイランドデザインズ」の美学を感じ取ってほしい。

【商品詳細】
重量:約400g
全長:約180cm
対応温度域 : 限界温度 -5℃、快適適温 2℃
羽毛 : 810FP UDD加工 220g

(問)Hiker’s Depot hikersdepot.jp/

ナッツパック“Bunny Hendrix”/ ロウロウマウンテンワークス

Nuts Pack(2023 Zodiac limited“Bunny Hendrix”) ¥7150

続いては「ロウロウ」の愛称でお馴染みの、20年以上のキャリアを持つバッグデザイナー2人が2015年に立上げた東京発のブランド「RawLow Mountain Works(ロウロウマウンテンワークス)」のアイテム。

「自分たちが使いたいもの」をデザインの初期衝動とし、ハイカーであり、サイクリストでもあるデザイナーがフィールドテストを繰り返し見た目だけでなく機能や使い勝手にもこだわったプロダクトを生み出している。

こちらのナッツパックもそんなマスターピースのひとつ。再販されるたびすぐに売り切れてしまう、ファニーパック(ウエストバッグ)で、軽量さとデザインの良さ、実用性が人気の理由だ。グローブや軽アウターを括り付けられるバンジーコードも特徴。

通常モデルはインビスタ社のコーデュラシルナイロンを使用しているが、こちらは2023年の限定版。今回のイベントではその先行発売が行われていた。メイン素材にダイニーマを使用し、その重さはわずか83gで、耐水性と引き裂き強度も折り紙付き。

さらに、タグ部分は通常のブランドロゴではなく、今年の干支のウサギにちなんだオリジナルキャラクター「バニー・ヘンドリクス」があしらわれた特別仕様。こういった干支にちなんだタグは、同ブランドの限定アイテムの恒例となっている。

そんな遊び心も「ロウロウマウンテンワークス」のアイテムの魅力だ。

ナッツパックは、パッカブル仕様になっており、内側のポケットに収納することで手のひらサイズに収まる。ちょっとしたワンマイルの外出はもちろん、旅のサブバッグとして、バックパックやトランクに忍ばせておくと何かと重宝しそうだ。

他にも、軽量な登山用バックパックや、自転車用のバッグが人気を博していた「ロウロウマウンテンワークス」。今回のイベントでさらにファンを増やしている様子だった。

【商品詳細】(通常モデル)
重量:80g
備考:限定版の一般発売は未定

(問)RawLow Mountain Works rawlow.jp/

山のうつわ / ヴィヴァフデ

山のうつわ ¥10780

フィンランド語で「ニュアンス」を意味する言葉をショップ名に掲げる「VIVAHDE(ヴィヴァフデ)」。見て使って心地良い、ニュアンスをテーマに、日常の暮らしとアウトドアの垣根を越えたセレクトしている。さらに、オリジナルのアイテムも展開。

こちらの「山のうつわ」もそんなオリジナルアイテムのひとつ。日常からアウトドアシーンまで、シームレスに使えるところから、発売以来、登山家からキャンパーまで、幅広いアウトドア人に人気のアイテムとなっている。

「山のうつわ」は源泉した国産の天然木から削り出した、大・中・小、3つのカップがセットになったアイテム。木材には、強度の高さと木目の美しさから、古来より家具や下駄などに使われてきた、栓(セン)材を使用。石川県山中塗りの職人によって、美しく表面を仕上げられている。手に馴染み料理をすくいやすい、丸みのあるシェイプもこだわりのひとつだ。

山のうつわ / VIVAHDE

さらに、3つのカップはスタッキングでき、コンパクトに持ち運びできる。木製食器は重くなりがちだが、職人技により、強度を保ちつつ薄い作りを実現し、3つのカップの合計の重さはたったの約210g。荷物の重さを減らしつつも、アウトドアの食卓を豊かにしたいユーザーの心を満たしてくれる。

ウレタン塗装により、水切も良い。別売りの専用スタッフバッグも展開。

オンラインストアでは発売されるたびに売り切れてしまう状態なので、手に入れたい方は再入荷通知の登録や、イベントへの出店情報をチェックしよう。

【商品詳細】
重量:210g
サイズ:φ11.5 × 6.8cm(スタッキング時)

(問)VIVAHDE shop.vivahde.com/

トライアングル型ポーチ / EYL

左から、coin purse ¥3,300〜、Medium Pouch ¥5,500〜、Big Pouch ¥9020〜

ULの祭典的な一面もある「Off the Grid」だが、肩肘の張っていない日常で使いたくなるアイテムも多く見受けられた。そんな中でも、一際目を引いたのが、ユニークなポーチやウォレットを展開するブランド「EYL」のこちらのアイテム。

同ブランドが得意とする、ダイニーマやタイベックなどのアウトドアファブリックを使用した、三角型のポーチシリーズで、ランダムでポップな色使いが楽しい。

左から「トライアングルコインパス」「ミディアムポーチ」「ビッグポーチ」と3つのサイズが展開されており、古銭入れや、ガジェットケースなどさまざまな用途に使える。

Medium Pouch / EYL

三角形の3辺には大中小、大きさの違うポケットが配されている点もユニークなポイント。ジッパーやタブが色分けされているので、どこに何を入れたかもわかる作りになっているなど、デザインがそのまま機能になっている。

シンプルに見えるが実は、どうやって縫製しているのか素人ではわからないほど高度な技術と手間で作られたアイテムだったりする。

どこに何を入れてどう使うかを考える楽しさがこのポーチの最大の魅力かもしれない。

(問)EYL e-y-l.com/

本格的なULハイクやトレイルラン、バイクパッキングで活躍しそうなものから、ライトなキャンプや日常で使えるものまで、さまざまなアイテムに満ちていた「OFF THE GRID 2023」。

今回紹介できたアイテムはその中のほんの一部本イベントにまだ足を運んだことがないギア好きは、ぜひ次回にその目で確かめて欲しい。

Photo/Taizo Shukuri

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