“誰も知らない冬のサンダル”が2026年で10周年を迎えた。いまとなっては冬の定番として周知されたが、業界の枠を飛び越え、なぜこれほどまでに多方面から引く手あまたになったのか。誕生秘話やブランドへの想いをディレクター府川さんに伺った。
Table Of Contents : 目次
時代を表すプロダクトデザインとして、唯一無二の地位を確立。

「冬用サンダルがあると何かと世界中の人に喜ばれるんじゃないかなとは思っていました。例えばコンビニに行くときとか、煙草を吸いに軒先に出るときとか。思い立ったのは15年の12月25日。一年の半分は中国の田舎に住んでいるので、工場を8社周って、それぞれにイメージを伝えてサンプルを作ってもらいました。
イラストレーターや、写真も独学で身に付けましたし、やりたいと思ったら自己実現したいタイプなのかもしれません。アウトソールの中にインソールを入れた4層構造インソールで、起毛ライニングでダウンジャケットのような保温性を持つもの、という着想は初めから持っていました。
ただ、すぐに普及ってわけにはいきませんでした。そもそも冬のサンダルという売り場がどこの店にもなかった時代なので……。唯一ビームスが面白いと言ってバイイングしてくださった。それからコラボとかもあり、ほんと少しずつ普及していったという感じです。いろんなブランドの支えがありましたが、21年にモマのパーマネントコレクションに使っていただいたのが大きい出来事だったように思います。
スブはファッションブランドでもアウトドアブランドでもない。しがらみもないので、それぞれのブランドの世界観にお邪魔させてもらっているような感覚を持っています。サブカルチャーではなく、文化のひとつという認識。縄文時代の土器は狩猟生活における〝装飾の多い見せる土器〞だったのに対し、弥生時代の土器は稲作が始まり定住化したことで〝使うための土器〞になった。
時代の変化とともにモノの用途が変わり新しいモノが生まれる。高床式になったことで、靴を脱ぐという風習ができ、その先にスブが誕生している。生活様式がまた変わる100年後とかに郷土資料館に置かれていたら嬉しいなって思うことがあります」。







独自の世界観を表現したユニークな展示。
世界中で知られるブランドなのに、今はあえて旗手店を作っていないSUBU。毎年少し長めの期間を設けてPOP-UPを開催しているのだが、そのクリエイティブがとにかく面白い。直近2年分をご紹介しよう。
25AWコレクション“HORROR”の世界観とSUBUの魅力を、お化け屋敷で表現。
1月10日~18日、表参道の原宿ピアザビルB1Fで行われたPOP-UPは“履いたら二度と戻れない……”をコンセプトに、“SUBU×YO~KAI”の世界観を体感できるというものだった。ビルの地下に降りると、お化け屋敷のような入り口がお出迎え。
暗いなかを進むと、中央に置かれた1足のSUBUを覆うように360度のプロジェクションマッピングが! 空間はまだまだ続き、各部屋でさまざまな映像とグラフィックを楽しむことができた。また会場の最後にはショップが設けられ、定番アイテムや25AWコレクションのほか、POP-UP限定で今年の干支、午(うま)にちなんだ「干支SUBU」の販売もあった。
2026 POP-UP 「YÕKAIの館」









渋谷、原宿、そしてイタリア最古の百貨店で!つねに遊びゴコロあるPOP-UPを仕掛けてきた。
2025年11月には、1895年創業のイタリア最古の百貨店、ミラノ・リナシェンテでPOP-UPを開催。和のテイストが漂う空間の中に、2025AWコレクションのホラーシリーズや話題のコラボレーションモデルを並べたこともあり、会場は大盛況だったよう(のちに渋谷スクランブルスクエアでも同様のPOP-UPが開催された)。
少しさかのぼり、2025年1月には、2024AWのシーズンテーマ“HAREMOKEMO(晴れの日も褻の日も)”の世界観をもとに、ペキューリア(摩訶不思議で奇妙)なPOP-UPを9日間開催。東京・原宿の純和風古民家(UNKNOWN)を舞台に、異国情緒漂う香港風の竹足場、イマーシブシアター、ブランドの軌跡を振り返る大型コラージュなどで演出。
2024年1月末から2月初旬に福岡・大阪・東京で開催した展示会では、HAREMOKEMOコレクションの世界観を表現したオリジナリティにあふれたアートな展示とともに、企画写真展「物物交換」を同会場にて併催。“もしも世の中からお金が無くなったら、あなたはSUBUと何を交換してくれますか?”という、SUBUの価値をお金以外で計るユニークな取り組みも印象に残っている。
2025 POP-UP 「HORROR in Rinascente Milano」

2025 POP-UP 「HAREMOKEMO in Uuknown Harajuku」


2024 EXHIBITION 「HAREMOKEMO」


2024 企画写真展「物々交換」

用途やスタイルで選べる、充実ラインナップ。
良いプロダクトデザインは、さまざまな派生を作ることができる。SUBUのラインナップを見てみると、改めてそのことを実感できる。難燃・エコ・ベルト付きなど、今季展開しているモデルをまとめてご紹介。

F-LINE DARK BROWN ¥5280

CIRCLE SILVER ¥6380

OUTLINE KHAKI ¥6380

F-LINE COW BROWN ¥5280

F-LINE CHECKER ¥5280
ブランドの顔ともいえるORIGINALSから、定番モデルとなる3つと、今季NEWカラーとなる柄モノ2つをセレクト。ダウンのようなF-LINEは不屈の名作だが、円形やSUBUの横顔を象ったキルティングデザインも用意。

DOTS SHADOW JACQUARD ¥11000
“履いたら、二度と戻れない”をコンセプトにした今季HORRORの新作DOTSコレクションから。左右で柄の出方が異なるジャカード織を採用。

DOTS KALEIDOSCOPE ¥9900
立体感のある編み模様でカレイドスコープをイメージ。

DOTS HEMP HOUSE NATURAL ¥9900
ヘンプ素材を採用。

NANNEN F-LINE COYOTE ¥7480

NANNEN F-LINE DAY BOTANICAL ¥7480

NANNEN FIELD FAVA BEAN ¥8580
難燃性のコーデュラ素材を使用したNANNENコレクション。コヨーテとボタニカル柄のF-LINEに加え、より高強度なコーデュラリップストップを使用し、インソールに独自のカモ柄をプリントしたミリタリー風味なフィールドも。

DOTS+H GRAINY BLACK ¥11000
かかとをホールドできるベルトのついた新モデル。歩きやすさが格段に向上。今季コレクションと、難燃モデルを用意。リフレクター生地を二重に。

DOTS+H HEX SILVER ¥11000
断熱効果のある特殊なシルバー生地。

NANNEN+H KHAKI ¥9680
難燃性のコーデュラ素材。

DOTS VAMP LEOPARD WHITE ¥11000
スリッパ感を保ちつつも、シューズとしての要素を備えたVAMPの今季コレクションモデル。ウール素材をベースにしたレオパード柄。

DOTS VAMP VELVET PETROL ¥9900
ミステリアスなベルベット柄。

DOTS VAMP CHINADRESS WHITE ¥13200
チャイナドレスを思わせる艶やかな織り柄。

RE: ECO PAPER BLACK ¥9680
ブランドが未来に向けて取り組むサステナブルな1足。アッパーは紙素材、アウトソールはポリスチレン廃棄物を集めて混ぜ合わせた素材と、環境に配慮した素材を使用。ソールのカラフルなチップが特徴。

VAMP PLATFORM SILVER ¥10700
ウィメンズとしてよさそうな、かかと付き&厚底ソールのタイプもラインナップ。クッション性と反発力に優れた新開発のHEXMAXインソールを搭載し、安定感と履き心地も兼ね備えた今季の新モデル。
(問)イデアポート tel:0120-901-049 www.subu2016.com Instagram@subu_tokyo_japan
Photo/Shouta Kikuchi Report & Text/Naoto Matsumura






