【ブランドピックアップ〜DIGAWEL〜】ツウたちも唸らす、“キャリア”と“今”が合わさったデザインの力。

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2006年に祐天寺に店を構え、創業と時を同じくしてオリジナルブランドをスタートした「DIGAWEL(ディガウェル)」。衰えるどころか、今も新しい層の客を取り込み続ける秘訣と、最近のアイテムを見に伺った。

様々なシャツを有するなか、創業時から提案されている定番がこの「スタンダードシャツ」。今も愛され続けるディガウェルの看板商品のひとつで、ホワイトとダークサックスの2色を展開。ウォッシュ加工により施されたシワ感、柔らかな風合い、程よく厚く光沢感もある素材の上品な雰囲気が魅力。レディースサイズも用意。¥20900
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ツウたちも唸らす、“キャリア”と“今”が合わさったデザイン力。

世田谷のセレクトショップ「山荘飯島」で、店主が好きだという、ディガウェルのウェアが吊るさ
れているのを見て気になった。2006年にスタートし、新星デザイナーズブランドとして一世風
靡したそのブランドは、約20年のキャリアで円熟味を増し、信頼できる老舗ファッションブランドとしての地位を確立していた。

昨今ではポーター、エフシーイー、ボーディー、ミズノなど、様々なブランドとのコラボレーションも話題を呼んでいる。ディガウェルは、デザイナーの西村浩平さんが祐天寺にセレクトショップを構え、輸入雑貨を扱いながら、シャツと革小物をつくり始まったブランド。そのシャツ「スタンダードシャツ」と、ウォレット「ギャルソンパース」は今も不動の人気を誇る。

20年も人気のアイテムがあるなんて凄い、という驚きに対し 「そんなに続いてるんだ。やってるほうはあんまり意識していないもんだよ」 と西村さん。その言葉のとおり、ディガウェルは伝統芸的な空気に捕らわれず、つねに今風。だからこそ余計にデザインへの拘りを知りたかったのだが、会話は最近何を聴いているか?という流れに。西村さんはかなりのレコードジャンキーとしての一面を持つ。

「音楽のサブスクとかって、1再生のカウントが30秒くらい。だから多くの作曲家がイントロを無くして、サビを前に持ってきている。こうして音楽も新しいムーブメントが生まれ、音楽自体の構造が変わる。世間の若者像とかぶるし、ファッションと似ているなぁって。僕はそのダイナミズムが好きなんですよね。音楽でもファッションでも、ただ便利さのアップデートと思われがちだけど、それがトレンドであり、そのいろいろな変化を捉えられるかが自分にとっての表現のおもしろさ。とはいえ古い音が好きだから、今の音楽も50年代のオーディオで聴いたりしちゃってるんだけどね」 。趣味の話しをとおして、ディガウェルが今っぽさと独自の世界を両立し続ける理由がよく分かった。

「服が持つ機能ってあげればキリがない。カラダが細く見える、みたいなことだって機能だもんね」という話しも興味深かった。
タイトな道沿いなうえ、割と利用者の多いバス停が目の前というなかなか面白い立地に長く佇む、祐天寺の店舗「DIGAWEL 1」。
店内には、西村さんの趣味が見え隠れする。
外観のウインドウには、今季のコレクションテーマ“Office2025”のサインが。テーラードや、ワーク、パソコンやコピー機にいたるまでオフィスのあらゆる方面に目を向けデザインに落とし込まれたプロダクトがラインナップする。
大小様々な形状のポケットが付いたオックスフォードシャツは、ポーターとのコラボレーション。各¥30800
ポーターと手がけた、ナイロンモノフィラを使用したリップストップのパッカブル・ショルダーバック。¥24200
ミズノ「WAVE RIDER β」との90sのトレッキングシーンをオマージュしたコラボスニーカー。各¥30800

来年で20年。街の名店、ディガウェル1。

駒沢通り、中目黒と祐天寺の中間にあるオフィシャルショップ「ディガウェル1」は、移転やリニューアルをすることもなく、2006年から営業を続けている。限定アイテムや、店舗の雰囲気などをチェックした。

店に入ると公衆電話ボックスほどの小さな小屋。ちなみに壁面に見える絵はHIROTTON氏のハンドドローイングだ。
創業時からある入り口の街灯。
ディガウェルらしさが凝縮されている普遍的なショップ。
店内の小屋には、今季のコレクションを象徴するアイテムが飾られていた。
Officeをテーマに刺しゅうを施した6パネルキャップ。(左)初代 オフィス用コピー機をビット絵にデザイン。¥14300、(右)企業ロゴ風のデザインを落とし込んだ、No Windowロゴのデザイン。¥16500
ルックが飾られていて、接客ともに各ウエアの世界観をわかりやすく知ることができる。
スピーカーやレコードなど、控え目だが、デザイナー西村さんの趣味を感じさせるものも見られる。
やはり最大のウリは、ディガウェルのフルラインナップが見られるところ。(左)レザーベルト¥11000、(右)レザースライドベルト¥13200。
ミンナノとのコラボバンダナ。両者の店舗でのみ販売されている。各¥1980
日本製のノンウォッシュデニムジャケット。削ぎ落とされたデザインに品の良さがにじみ出ていた。¥38500

創業時から慕われるシャツと革小物は必見。

輸入雑貨の販売に加え、オリジナルでシャツと財布をつくったのがブランドの始まり。だからこそ、今では様々なモデルを抱えるシャツと、不動の人気がある財布の存在はぜひとも知っておいていただきたい。

スタンダードシャツ以外のシャツをチェック。

(左)ベーシックなレギュラーカラー。shirts(generic)¥24200(左中)横と背に大ポケのついたシャツ。Side pocket L/S shirt¥27500(中)ヨークとの接ぎ線、前と後身にギャザーを入れ、製品洗い加工を施している。Oversized oxford shirt¥25300(右中)プリントのカットソー感覚で。Oversizedshirts¥27500(右)過去作のオリジナルドットを復刻。shirts(generic)¥24200

背ヨークもなくし、極力シンプルにつくられたデザイン。トラディショナルなスタンダードシャツに比べて少しルーズシルエットなのが特徴。ハリ感のある綿ブロード生地を使用していて、きれいめに着られる。

大定番ウォレット、ギャルソンパースなどの革小物。

(左上) カード入れ3つと、札入れの三つ折り財布。ファスナーの小銭入れ。10×7cm。Three-Fold Purse¥17600(右上) コインポケ付きケース。10×7cm。LPURSE(SMALL) Bridleleather¥17600(左下) 5つのポケとファスナー。茶はオンラインと店舗限定。9×14cm。GARSON PURSE Bridle leather¥35200(右下)ファスナー式カードケース。リング2つと3つのポケ。8×12cm。Ring Card Case¥15400

使い込んだときのギャルソンパースと、Lパース。右に写るブラックとブラウンとは同じものだったとはまったく思えないほど“味”が出るのが魅力。新品のときも、使い込んだときもどちらもカッコいい!

ギャルソンパースの開口時。完璧に計算された、驚くほど手に馴染むカタチも、耐久性とデザインの良さが挙げられるスイスの高級ファスナー“riri”」のジッパーも、すべて当時から変わらない不屈の名作だ。

オフィスに着目した、2025SSコレクション。

“機能”というといわゆる機能服が浮かぶが、ディガウェルのウエアはもっと広い視野でとらえた機能が宿っているのも特筆すべきところ。今季はオフィスを独自解釈したユニークなコレクションとなっている。

SL soft shell jacket ¥66000

エフシーイーのパーテックスシールド 3レイヤーを採用したシリーズとのコラボレーション。テーラードジャケットの上から羽織れる比較的ルーズなつくりになっている。

Half zip hoodie(crease finish) ¥39600、Tapered pants(crease finish) ¥31900

セットアップで着られるものが多いのが今季ならでは。上下の最大の特徴は製品加工されたシワ感だが、斜めジップやドローコードを用いたイージーな着やすさもウリ。

SL ANORAK ¥63800

同じくエフシーイーとのコラボ。テーラードジャケットのかわりに羽織るイメージでつくられていて、比較的タイトなシルエット。サイドのジッパーを開け、シャツのレイヤーを楽しめる。

Tunic shirts ¥25300

2シーズン継続でラインナップされた、前と後ろで長さの違うチュニックシャツ。今季のものは透け感のある生地を使用し、ギャザーなども無くしたことで、より軽い見た目となっている。

Packering jacket ¥49500、pants ¥35200

ワーク感のある上下ながら、ジャケパンとして着用してもOKなつくりに。ジャケット、パンツともにナイロンとポリエステルの混紡で撥水、防風、蒸れにくい仕様だ。

Hunting Jacket ¥52800

様々なポケットを装備した見た目と、クラシックなフィット感、立体的なパターンが◎。製品ごとにヴィンテージ加工を施していて、個体によって風合いがかわるのもこだわり。パンツもある。

T-shirts copy machine ¥8800、embroidery ¥9350

今季コレクションを感じさせる、既製ボディを用いて作られたTシャツ。左は初代オフィス用コピー機をドット絵でデザインしたプリントで、右は企業ロゴ風の刺しゅうを施す。

Sweat shirts ¥19800、Pants(readymade) ¥18700

毎シーズン少数型展開される既製ボディを用いたアイテム。ライトウエイトの起毛素材に、今季のコレクション「OFFICE 2025」になぞらえた企業感のあるデザインをオン。

merino wool sleeveless vest ¥19800、t-shirts ¥25300、LS t-shirts ¥28600

4月に発売するミッドサマーコレクション。素材にこだわったものに着目するコレクションで、この3型は春先にも大活躍のメリノウールを用いてつくられた逸品。

Cashmere knit cardigan ¥74800

sleeve ¥52800

カシミア専科のブランド、ボーディーとのコラボレーション。ジャストサイズで、身体馴染みの良い設計、そして18ゲージ、カシミア100%の上質さ。洗濯にも難なく対応。

Jean overalls ¥60500

オフィスワーカーのユニフォームに着目。オリジナルのジャガードゴムや、金のチェンジボタン、
真ん中の大ファスナーなど、細部までファッショナブルな男女問わず着られるデザイン。

Flight blouson ¥52800、pants ¥38500

軍物の繋ぎをセパレートしてデザインされた上下。右ページのパッカリングジャケット&パンツと同様のナイロン×ポリ素材で、風にも強い。大きめだからレイヤーも楽しめる。

Tearaway Pants ¥30800

バスケットジャージから着想を得た、サイドシームにボタンを配備したフルオープンにできるパン
ツ。靴を履いたまま脱ぎ着できたり、猛者はカラバリを前後でドッキングなんかもアリ?

Wide Straight Jeans ¥41800

できるかぎり太くつくられた5ポケットデニムパンツ。丈も昨今では比較的長めで、穿くと足元にだぶつきがでるのも良い雰囲気。2シーズン継続の人気作で、ライトブルーとブルーの2色展開。


(問)ディガウェル1 tel:03-5722-3392 store.digawel.com

Photo/Fumihiko Ikemoto Report & Text/Naoto Matsumura

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Akihiro_Takeji
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