【ブランドピックアップ〜Carhartt WIP〜】ワークウエアの原点は忠実に、欧州のデザイン性を融合したカジュアル服。

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WorkinProgress(ワーク・イン・プログレス)、直訳すると“現在も進行中”を意味する頭文字を冠したカーハートのファッションライン「Carhartt WIP(カーハートWIP)」。ワークと欧州のファッショントレンドを融合した新作と、新たな動きに迫った。

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ワークウエアの原点は忠実に、欧州のデザイン性を融合したカジュアル服。

アメリカで歴史あるワークウエアブランドとしてのヘヴィデューティな素材使いや機能的なディテールなど普遍的なデザインはそのままに、欧州ならではのファッション性やトレンドを取り入れることで、グローバルで大きく成長を遂げた。それを評価するかのごとく、世界中の名だたるブランドからコラボの依頼が尽きない。

ワークウエアにフォーカスするなら、やはりこのブランドは外せない。「カーハートWIP」は昨年8月に渋谷店が誕生し、12月には原宿店が15年ぶりにリニューアルオープン。伺うとどちらの店も幅広い年齢層の来客がひっきりなし。凄まじい人気を感じたのだが、同時に古着好きがひしめくなかで、お世辞にもリーズナブルとはいえない新作が、何故それほどまでに注目を集めるのか考えさせられた。

改めて説明すると、「WIP」は「カーハート」のヨーロッパラインとなる。「カーハート」創業者のハミルトン・カーハートが、アメリカ・デトロイトにブランドを創ってから100年後となる1989年に新たに誕生している。既存のブランドの新規事業であることから、デザイナー陣が大のカーハート好きであることは言うまでもなく、だからこそ良い意味で作業着に徹しているUSカーハートに対して、彼らはヴィンテージアーカイブなどをうまく取り入れ、トレンド性を意識した目線でアイテムを展開することで支持を集めてきたのだ。つまり、WIPのアイテムは、昨今のヴィンテージブームと見事にクロスオーバーしていることにつながっていく。

ショールームに行くと、サカイとのコラボレーションアイテムが吊るされていた。A.P.Cや、ネイバーフッド、ジュンヤ・ワタナベなど、あらゆるブランドがコラボレーションを依頼しているのも、そんなカーハートの〝今〞に注目しているからなのだろう。また憶測ではあるが、グローバルブランドだから日本人に向けたものが極めて少ないのも、インターナショナルな今のファッションシーンにマッチしているのかもしれない。

なんにせよ、アーカイブ要素も備えた、ファッショナブルでグローバルなブランドがこの価格帯で手に入るわけだから、改めて着目すると人気になるのも当然のことと腑に落ちた。

多彩なイベントに、併設でカフェ営業もしている、昨年8月に誕生した渋谷店。

渋谷公園通りを上ったあたりに、2024年8月31日にオープンした新たなカーハートWIPのショップ。

広い店内は、“インダストリアルな頑丈さと現代性の混在”をコンセプトに、ウォールナット材やコンクリートなどを用いてつくられている。

商品ラインナップの充実度合いは言わずもがな。2階にはDJブースを設置し、計14店舗あるカーハートWIPのショップのなかで限られた店舗にしかないカフェも併設された。

リリースイベントや音楽イベントも不定期で開催されており、写真のように、開催期間中は多くのファンで賑わいを見せている。

ちなみにこちらのグリーンのレザージャケットは、2025年の年始に特別販売された日本限定アイテム。日本企画として製作されるアイテムは注目度が高く、海外からもファンが多く訪れた。


●Carhartt WIP Store Shibuya 住所:東京都渋谷区神南1-15-2 tel:03-3770-9810 open:11:00~20:00

東京のストリートシーンを15年牽引してきた原宿店も、昨年12月にリニューアル。

2009年から続いた原宿店も、2024年12月20日にリニューアルオープンを果たした。

木調で作られていた外観は一新され、店内もインダストリアルなつくりに。

ブランドの勢いを象徴する特大スクリーンも圧巻で、レセプションパーティでは「MURO」や「MAGARA」といった豪華DJ陣がプレイした。


●Carhartt WIP Store Harajuku 住所:東京都渋谷区神宮前4-28-25 tel:03-3402-9810 open:12:00~20:00

十八番のヘヴィデューティなウエアたち。

ワークウエアとして市民権を得たブランドだけに、タフな仕様や空気感を求めてブランドを頼るヒトは少なくないはず。まずはジャケットやボトムスを中心に、普遍的なアイテムをピックアップしてご紹介。

OG ACTIVE JACKET ¥48400

当ジャケットなど、モデル名にOGが付くものはすべて米・カーハートのアーカイブに見られるデザイン性が取り入れられている証。少しゆとりを持たせたリラックスフィットへとアレンジ。

OG SANTA FE COAT ¥71500

12オンスのキャンバスコートは、定番のハミルトンブラウンとブラックに加え、毎年新しいカラーが登場するストア限定品。今シーズンは配色と色合いが絶妙なディープラグーンが登場。

OG DETROIT JACKET ¥50600

お馴染み、デトロイトジャケットは着るヒトを選ばない、1着は持っておきたい永遠のスタンダード。裏地キルティング付きデニムの13.5オンスで、寒暖差のある場所にうってつけ。ストア限定。

SINGLE KNEE PANT ¥27500

何より丈夫で、普遍的。そしてベタープライス。

スケートボードといったあらゆるユースカルチャーを支えてきたのも納得できる。しかも今はオーガニックコットン。支持しないわけがない。

CRAWFORD PANT ¥33000

カーハートらしさあふれるヘヴィデューティな面持ちはそのままに、10.2オンスのヘンプ×コットンツイルでしっかりしつつも軽やか。

ウエストゴムで穿きやすく、ダラーグリーンの色味も◎。

OG CHORE COAT ¥28600

右胸のフラップポケと、左胸ポケットのタグがアイコンのシンプルなデニムカバーオール。裏地がなく、カーハートのヘヴィデューティなウエアのなかでは比較的さらりと羽織れる11.25オンス。

OG SANTA FE JACKET ¥55000

ショート丈で、ダービージャケットのようなアメリカ大衆服のテイストもあるサンタフェジャケット。ハミルトンブラウンとブラックの定番に加え、新色のディープラグーンもラインナップ。

NELSON SWEAT ¥24200

ボトムスやジャケットは言わずもがなの看板商品だけど、ときにはクルースウェットなんかでカーハートを楽しむのもアリ。製品染めによる色合いが絶妙で、ユーズド加工も施された逸品。

REYNOLD SHIRT JAC ¥37400

15ウェル、8オンスゆえ、柔らかくライトに着られる、これからの時季にうってつけの細畝コーデュロイジャケット。写真のダスキーブルーに加えて、ベージュと2色のピンクの計4色が揃う。

HARVEY SHIRT JAC ¥29700

90sな雰囲気が今っぽい、オーバーサイジングなデニムシャツジャケット。ブルーデニムと、ブラックデニムのそれぞれに、ライトなウォッシュと強めのユーズドウォッシュの2種を展開。

SINGLE KNEE PANT ¥20900

定番パンツだが、ヒップポケットのタグを見るとクールなハートロゴになっている!

じつは、これもカーハートのヴィンテージアーカイブにあるデザインとのこと。それを聞くとなお欲しい。

ACRYLIC WATCH HAT ¥4620

古着好きなら結構見かけることがあるワッチキャップも、カーハートの昔からの人気アイテムのひとつ。アクリル素材で雨風にも強いからアウトドアやスケートシーンでサラッと被りたい。

MADISON CAP ¥7700

毎年必ず違うデザイン・色になっている、カーハートWIPオリジナルのカモフラ柄。そんな背景を知って遊ぶのも、ジャケットだと少しハードルが高めだけど、キャップなら取り入れやすい。

WIPらしいデザイン性&素材使いの逸品。

米・カーハートのルーツを重んじ、ヨーロッパのファッション性を取り入れた「カーハートWIP」。定番モノは言わずもがな、よりファッショナブルなデザインや素材使いに注目してみると、また違った面白さが。

CLAPTON JACKET ¥52800

金ボタンのブリティッシュコート感も漂うクラプトンジャケット。7.2オンスのナイロンキャンバスで、写真のリベリカほか、ハミルトンブラウン、ブラック、ヨセミテを含む計4色を用意。

IRWIN VEST ¥33000

野営や釣りで重宝しそうな使い勝手抜群のカモフラベスト。裏地メッシュのポリ素材で、ポケットも豊富。上げ下げしやすいジップで、バックにリングがあるからラックにもサッとかけられる。

BLAKE PULLOVRE ¥30800

アウトドア感のあるプルオーバーも展開。ポリ×コットンの65/35クロスシャンブレーはワーク感もありつつ、2.1オンスでサラリと羽織れる。らしさと今っぽさが両立していていいカンジ。

S/S DASHNER T-SHIRT ¥9900

レイドバックしたスケーターやサーファーライクなボーダーTee。ただのコットンTではなく、ジャージー素材なので、つるつる感とサラサラ感を併せ持った、着心地良好な逸品でもある。

KICKFLIP BACKPACK ¥16500

ストア限定カラーのディープラグーンもラインナップしているバックパック。“キックフリップ”のモデル名から、フロントのアジャスター部分にスケートボードをひっかけて歩きたくなる。

JET CARGO PANT ¥25300

ブランドのベーシックなカーゴパンツとは違って、空軍モチーフのぼてっとした印象。

ウエストゴムで穿きやすく、裾も絞れて、コットンリップストップの6.5オンスで、ライトさと耐久性を両立。

LANDON PANT ¥19800

最もベーシックな、ウエストヨークでワイドシルエットのストレートデニムパンツ。

カーハートとなるとついペインターデザインのものを選びがちになるが、こういうチョイスも良いかも。

ブランドの世界観を踏襲したガジェット類。

雨具、タンブラー、バッグ、ブックシェルフなど、じつは毎シーズン展開していて密かに人気を集めるガジェット類。カーハートWIPならではのファッション的フィルターをとおした秀逸作をとくとご覧あれ。

TOUR PACKABLE RAIN PONCHO ¥24200

フロントポケットでパッカブルできるレインポンチョ。リフレクタープリントされた番号は、ブランド発祥地のミシガン州デトロイトのエリアコードで、背面にもこのコードとロゴを配す。

TRAIL TUMBLER ¥11880

左に同じく、ブランドネームと、ブランド発祥地のエリアコードをリフレクタープリントしたタンブラー。円錐状になっている独特なフォルムもさることながら、タフそうなデザインも良き。

IRWIN BAG ¥10780

ジャケットとボトムスがもてはやされがちだけど、昔から結構小物も展開されていたカーハート。小物を収納するのにうってつけのこちらも、古着屋がサクッと買い付けてそうな抜け感が◎。

IRWIN TOTE BAG ¥24200

最近あまり街で見かけなかったカモフラ柄をトートあたりで取り入れたいキブン。両サイドにはドローコード付きのメッシュサイドポケ、ショルダーストラップ付きで、使い勝手もバツグン。

TOUR UMBRELLA ¥7480

持ち手のボタンで簡単に開閉できる折り畳み傘。リフレクタープリント入りのミリタリーライクなデザイン&カラーリングが秀逸。こんな傘なら雨の日でもテンションあがって出かけたくなる。

ESSENTIALS BAG(SMALL) ¥9460

撥水加工を施した、リサイクルポリエステル混紡の丈夫なキャンバス生地を使用。2つのメイン開口部があり、ベルクロ付きポーチと、小さなジップ付きフロントポケットも備え、なにかと便利。

TOUR FOLDABLE CONTAINER ¥16500

畳めて、重ねて、見栄えも良い収納ボックスといえば、みなさまご存じのこのタイプ。日ごろからよく見ているモノなのに、カーハート製となるとヘヴィデューティに見えるから不思議だ。

CANVAS POUCH SET ¥8800

カーハートのダック地は言わずもがな、どんなものにでも丈夫に使える。大中小と3つセットのポーチも例に漏れず。長く使ってエイジングされたらより愛着も湧くはず。これで整理上手に。

CANVAS POUF ¥22000

カーハートといえば、のダック地がカバーになったチェアクッション。デニム地のものは見たことがあるけど、この生地はやはりこのブランドの専売特許みたいなところ。インテリアにぜひ。

CANVAS ROLL-UP INSULATED BAG ¥10780

ロールアップしてアジャスターで留めるシンプルな仕様のバッグ。容量が調節できるのがこのアイテムの魅力ではあるが、ダック地によるタフさもデザイン性も、それ以上の魅力といえる。

CANVAS MAGAZINE STAND ¥24200

こちらも見たところよくあるマガジンスタンドだが、カーハートの顔でもあるダック地が用いられるだけで、こんなにも興味をソソられるモノに。レッグにはゴールドのアイアンを使用。


(問)カーハート WIP ストア ハラジュク tel:03-3402-9810 carhartt-wip.jp

Photo/Shouta Kikuchi Report & Text/Naoto Matsumura

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Akihiro_Takeji
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