【ブランドピックアップ〜SandWaterr〜】あのブランドのデザイナーによる新ブランド始動。1stコレクションに迫った。

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あのブランドのデザイナーが、今秋より始動したニューフェイス。古着やアウトドアウエアなど、ゴーアウトも
好きなニオイを感じるモノが多数あり、それでいて今っぽい「サンドウォーター」の1stコレクションに迫った。

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始動と同時に全国へ普及。デザイナーの“妙”を感じる、秀逸なデザイン。

 今回フォーカスした「サンドウォーター」を知る読者はほとんどいないと思う。それもそのはず、このブランドはまだ立ち上がったばかりで、23年AWに登場したアイテムがファーストコレクションとなるのだから。

サンドウォーターのシンプルなロゴデザイン。

生まれたてのブランドだが、その勢いは凄まじく、一発目からアウター、ボトムス、キャップなど計45型をラインナップ。しかも、取扱店がすでに40軒ほどできたというから驚くばかり。

ミアーとのコラボボトル(来春発売予定)には、刺し子のジーンズから着想を得たデザインをプリント。

デザイナーの管野寿哉(すがのかずや)さんはノンネイティヴで10年経験を積み、イエスタデイズ トゥモローのデザイナーとして活躍した人物。前職に恩を感じながら独立したのが2021年で、普通ならすぐにブランドを立ち上げるところだが、しっかりとしたスタートを切るために、サンドウォーターの立ち上げに2年の歳月を費やしている(それでも型数や、卸先となる販売店の数は偉業といえよう)。

「20代の頃はセレクトショップでバイトしたり、ファッション雑誌でライターのアシスタントやったり、ブランドでデザインしてました」なんて話を聞くと、一気に親しみが湧いてきた。

気になるコレクションを見てみると、クラシックなアウトドアウエアをベースにしつつも、絶妙に今のエッセンスが加えられたアイテムが数多く見受けられた。

「アウトドアブランドの服は、生地もデザインもギミックもすべてが集約されている」とデザインソースにしているいくつかの古着を持ってきてくれた。富ヶ谷のショップ、ミスタークリーンに通い、いろんな発見を得ているらしい。

「古着のアウトドアウエアをそのまま作るのではなく、エコ素材でアレンジしたり、ジブンが好きな自転車のギミックを取り入れたりもしていきたい。古いボルボの見た目で中身は最新みたいな。あと数ある型の中で〝これとこれを着るとこうなる〞みたいな組み合わせもかなり考えて作っています」と話してくれた。

1985年にアメリカで生まれたアトウッドロープを仕入れ、製品に用いたりもしている。

ちなみに、ブランド名のサンドウォーターは、その名のとおり〝砂と水〞、〝乾きと潤い〞からきていて、前述した例からもわかるように、相反するモノを組み合わせるという意味合いがある。

キャノンデールのオールドフレームがクールなモダンMTBに乗って渋谷の取材先に現れた管野さん。愛車は、幡ヶ谷の人気ショップ「ウッドヴィレッジサイクルズ」で組み上げたもの。

敏腕デザイナーにして、じつはかなりアウトドア派な管野さんだけに、ゴーアウト的に刺さるアイテムをこれから続々と作ってくれそうな予感がしている。

ユニークなデザインのHPと、今季のルックにも注目。

ニューブランド、サンドウォーターの誕生を知り、7月にできたばかりというHPをチェック。まるで昔のコンピューターで作ったかのような、古いけど新しいデザインにやられてしまった。ページ内でも見られる今季のシーズンルックもあわせてご紹介。

多くのWEBデザインは画面いっぱいに写真やグラフィックを見せるけど、サンドウォーターのホームページは余白だらけ。「信頼のおける友人のデザイナーに、昔のMacintoshをイメージして作ってもらった」らしく、まさしくそんなムードが全開に漂っている。

設定が完全にフィットしていないように見え、ユーザーに考える余白を持たせているのも狙いのよう。「スマホだとそうでもないですけど、パソコンだとちょっと見づらい。服作りでも意識していることですが“なんだろこれ”と思ってもらえたら嬉しいです」と管野さんは言う。

コレクションにも言えることだが、この古さと新しさの程よいバランスは、サンドウォーターの得意技のひとつ。タイプライターのようなフォントもセンス抜群で、こちらがディーラーリスト。1stシーズンで全国各地の名店がどっさり。ここまで勢いのあるブランドはそうありません。

HPでも確認することができるルックの一部。ブランドルックゆえ、洋服をわかりやすく見せるために接近して撮影するのは当然のことだが、それに加えて天高の広いスタジオを用いて各コーディネートの引き写真を撮っていることを特筆したい。

じつはこれ、ファッションのトータルバランスをかなり気にして作っているサンドウォーターだからこその手法で、遠くから見たときにこれらの服がどのように映っているのか、それがクールなバランスなのかをさりげなく理解できるようにしているのである。前述した“余白”は、服作りやHPだけにあらず。ちょっとした不親切さもギミックにしてしまうあたりがさすがのひと言。

レイヤードも計算したデザイン&ギミック。

この上にこれを着たらこうなる、というようなレイヤードも意識したデザインが特徴でもあるサンドウォーター。ここでは、コレクション全体をとおして考えられた、レイヤードパターンの一部をお見せします。

RESEARCHED ANORACK VEST ¥35200

首からスポンと羽織れる、エコウールを使用したアノラックベスト。裾アジャスターで調節ができ、ロンTなどの上に着るのもいいし、左写真のように上物のインナーに用いてコーディネートのアクセントにもできる。大きいフロントポケットでバッグ代わりにも便利。

RESEARCHED LINNING SHIRT ¥38500

ミリタリージャケットのキルティングライナーから着想を得た万能シャツ。こちらもエコウールを使用し、羽織りモノとしてだけでなく、パーカやサーマルなど、ほかのアイテムとの相性もバッチリ。ボタンがついていて、実際に多くのM-51に組み合わせることが可能。

ORGANIZED H.ZIP PULLOVER TOP ¥27500

サーマル素材のプルオーバーパーカ。ハイネックや、2種類のワッフルを使い分けていることなど、些細なギミックが盛りだくさん。最大の特徴はネックのジップが邪魔にならないよう斜めについていることで、これもアウターとのレイヤードを考えて作られている。

ORGANIZED ANORACK ¥49500

USアウトドアブランドが1990年代に発売したアウターをイメージしつつ、エコナイロンなど“今”のエッセンスを取り入れた、ブランドのらしさが詰まったアノラック。顔を覆うように作られたフードは、写真のサーマル・プルオーバーパーカのフードにもしっくり。

注目の1stコレクションをたっぷりとご紹介。

記念すべき1発目のAWコレクションが続々ドロップ。クラシックアウトドアな雰囲気に、今欲しいギミックを詰めこんだアウター、キャップ、パンツなどを多数ラインナップ。欲しいアイテムが盛りだくさんです!!

(左)RESEARCHED HOODED PULLOVER ¥29700、(右)RESEARCHED RIB EASY PANTS ¥25300

デザイナーが兼ねてより好きなスウェットのセットアップをシルエットから徹底追及。洗いのかかった12オンスのボディが雰囲気◎。ブルー、オフホワイト、ブラックの3色展開。

(上)ORGANIZED SUN SHADE CAP ¥13200、(下)ORGANIZED EARMUFF CAP ¥6600

アウトドアウエアから着想を得た2種類のキャップ。首裏の日焼けを防ぐ、取り外し可能なサンシェード付きのキャップと、耳を折り曲げて被ってもかわいい、フリースのイヤーマフ。

ORGANIZED ZIP BLOUSON ¥33000

上着を羽織りやすいよう脇元をすっきりさせ、ポケット裏とともに生地を切り替えメッシュ素材に。クラシカルなフリースジャケットの面持ちながら、ストレッチを利かせ、機能的な個性を持たせた。

ORGANIZED H.ZIP PULLOVER TOP ¥27500

ORGANIZED H.ZIP PULLOVER TOPの色違い。2種類のサーマル素材をミックスし、着まわしやすいデザイン、顔を覆うフード、ボックスシルエット、斜めに施された首のジッパー、どこをとってもハイセンス。

ORGANIZED CREW NECK SWEATER ¥28600

ダメージ加工により至る所に小穴や破れがあるヴィンテージライクなボーダーニットは、裾と袖口の接合部分だけ編みを変えるなど、手の込みようがすごい。AWのキーカラーとなる配色もグッド。

RESEARCHED BOAT NECK SWEATER ¥27500

程よく透けるように編まれたモヘアニット。ボートネックで、バギーシルエットがナイス。リンキング(横
編みニットの縫製方法)にボディと近い別の色を用いられた、メリハリのある表情も良い。

RESEARCHED PAJAMA SHIRT ¥36300

ヨーロッパのパジャマをベースに、エコウール素材でアップデート。シャツの後ろ身頃にベンチレーションを設け、襟元にレザーボタンを使うなど、機能とデザインを追求。1枚でも、インナーでも活躍。

RESEARCHED WIDE EASY SLACKS ¥35200

左のパジャマシャツとセットアップで着るのもおすすめの、同素材エコウールのストライプパンツ。ヒップやワタリの大きいイージー仕様だが、裾のボタンを留めたら革靴にもしっくりくる優れモノ。

ORGANIZED HOODED PUFF BLOUSON ¥66000

表地には、エコリップストップを、中綿には、植物由来のPTT樹脂 デュポン™Sorona®を使ったブルゾン。脇にベンチレーションを設けていたり、裾やエルボーを補強していたりと、実用性もバッチリ。

ORGANIZED PUFF VEST ¥39600

左のブルゾンと同じ表地と中綿を用いたベスト。首元のジップが気になりにくいよう、ファスナーを斜めに設置。右ページのハーフジッププルオーバーなどとレイヤードが楽しめるようになっている。

ORGANIZED WORK JACKET ¥49500

コーチジャケットとカバーオールのハイブリットブルゾン。表地はエコリップストップナイロンで、裏地は全面ブロックフリースに。ワークのおいしいとこどりなデザインで、なおかつ軽くて暖かい。

ORGANIZED EASY RIB PANTS ¥36300

表地にはエコナイロン、裏地には赤外線を吸収して発熱する機能素材を使用。膝とヒップ部分は当て布で二重になっており、自転車乗りにぴったり。先ほど紹介したORGANIZED ANORACKとセットアップで着るとクール。


(問)サンドウォーター sandwaterr.com Instagram:@sandwaterr

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GO OUT編集部
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