イベントでブース設営となれば、必要となるのは発電機。しかし、発電機は音がするし、当然排ガスも出る。今回のミッションは、GO OUT CAMP猪苗代での「福島の日本酒ブース」。繊細な日本酒の香りを邪魔しないためにも、発電機ではない方法がないか……ということで、三菱エクリプスクロスPHEVに登場してもらった。
アウトドアイベント「GO OUT CAMP猪苗代」が6月3日~5日までの3日間、福島・猪苗代湖の天神浜オートキャンプ場で開催されました。福島県といえば、日本有数の日本酒生産地。全国から来場されたお客様に福島県の日本酒の魅力をもっと知っていただきたいと考え、株式会社三栄は昨年から会場の一角で「福島の日本酒ブース」を展開しています。当ブース運営にあたっては、会津を中心とした酒蔵の皆様にご協力いただきました。
今年も会津の銘酒5蔵にお集まりいただき、「福島の日本酒ブース」が実現しました。
「奈良萬」の夢心酒造(喜多方市)、「会津中将」「ゆり」の鶴乃江酒造(会津若松市)、「会津娘」の高橋庄作酒造店(会津若松市)、「風が吹く」の白井酒造店(会津美里町)、「山の井」の会津酒造(田島市)という、日本酒好きなら誰もが知っている有名酒蔵の皆様にご協力いただき大感謝です。
この「日本酒ブース」ですが、実は昨年、少々気になることがありました。ブースの照明などに利用する電源は当然のようにレンタルのガソリン発電機を使用したのですが、お酒のブース運営となるとどうしても日が暮れた後も営業する必要があり、発電機のエンジン音が気になって仕方がありません。また、ガソリンエンジン式の発電機なので当然排気ガスが発生し、ふとした瞬間にその匂いが漂ってきます。日本酒の美しい香りを邪魔する瞬間が現れるのです。
そこで思いつきました。今年はアウトドアや災害時の電源車として使えるクルマでブースの電気も賄えないかと。
運営計画では、2間×3間のテント内に50WのLED投光器を6灯設置しようと考えました。つまり最低限300Wのアウトプットが必要です。調べてみれば、三菱エクリプスクロスPHEVはなんと1500Wのアウトプット! これは余裕じゃないですか!
ただ、バッテリー容量はどの程度なのか、また、バッテリー残量が低下したときの再充電のシステムについても気になるところです。
そのあたりを三菱自動車の広報さんに相談してみたところ、「ぜんぜん問題ないと思います。ブース運営用の電源6灯でしたらエクリプスクロスのPHEVで行けると思います!」というアドバイスをいただきましたので、今回のブース照明の電源供給車両として利用させていただくことに決定しました。
結論から言うと、大成功でした。
リヤハッチを開けると右側に100V電源が一口現れます。ここにドラムコードリールのプラグを挿入。ブース内にドラムを引っ張り、照明の電源をつなぎスイッチオン。なんのストレスもなく、ブースが煌々と照らしだされました。
電気を引っ張る際に、なにか特別なテクニックや作業が必要になるかというと、まるでありません。強いて言えば、イグニッションを「READY」状態にしたままにしておく必要があることぐらい。また、電気の残量が少なくなると自動的にエンジンをまわして発電が始まるシステムなので、ガソリン残量はキャンプ場に入る前に満タンにしておくのがベターでしょう。
今回は夏至に近い6月第1週のイベントということで、19時くらいまで完全に暗くはならなかったことから、実質3~4時間程度の電源利用時間だったことも影響していると思いますが、今回の実際の電気残量はメーター読みで1/4程度。使用中にエンジンが回って発電を開始するシーンはありませんでした。
エクリプスクロスPHEVからコードが出ているのを発見した隣のケバブブースの方は、「電源のレンタル代を考えると、クルマから電気を引っ張れるのはコスト的にもアリ。1500Wも容量あるってことはドライヤーなんかも使えるってことでしょ? 実際我々がブースで使うのはライト3灯ぐらいだから、まるで問題ないんだよね」と興味しんしん。「でも、欲を言うと、積載量を考えればこのシステムが搭載されたデリカのPHEVがほしい。あったら絶対に買う!」とのこと。三菱自動車さん、いかがでしょう!?
今回、「GO OUT CAMP猪苗代」の日本酒ブースでエクリプスクロスPHEVの電源車としてのポテンシャルを体感させていただきましたが、これはなにしろ便利だと実感。ガソリンの給油が可能な場所や状況であれば、理論上は電気残量を気にすることなく電化製品を使い続けられることができるので、冬のアウトドアシーンはもちろん、もしもの災害時にこのエクリプスクロスPHEVを所有していれば、大きな安心感が得られることは間違いありません。
東京と猪苗代湖との往復約600km。イベントとキャンプの荷物を大量に積んで2名乗車でのドライブでしたが、なにしろがっちり安定した走行を愉しむことができました。PHEVならではのモリモリの加速感は感動もの。大容量のバッテリーがボディの低い位置に搭載されていることによる安定感も体感できました。
さすがに高速で100km/hほどの走行を続けると、バッテリーは市街地よりも明らかに速く減っていくので、ガソリン消費を減らしたいと考えるのであればサービスエリア等で小まめに休憩し、20分ほどの急速充電タイムを設けることが必要となります。ただ、逆にガソリン消費を気にしないのであれば、エンジンを使って走れば良いだけの話です。
最終的に帰還時の燃費はメーター読みで16.7km/L。荷物満載で出たこの数字にも大満足でした。
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TEXT & PHOTO:渡辺文緒(WATANABE Fumio)