メルセデス・ベンツGクラス、スズキ・ジムニー、ジープ・ラングラーと、2018年は伝統的本格クロカン4WDのフルモデルチェンジが相次いだが、ついに最後の大物、ランドローバー・ディフェンダーがフルモデルチェンジを果たしてフランクフルトに降臨した。
これぞランドローバーの真髄。
ついに最後の大物がフルモデルチェンジを果たした。
日本のスズキ・ジムニー、ドイツのメルセデス・ベンツGクラス、そしてアメリカのジープ・ラングラーという、長い歴史を持つ本格オフローダーたちが軒並みフルモデルチェンジを受けるなか、最後に残されていた英国の雄、ランドローバー・ディフェンダーがついに新型に生まれ変わったのだ。
新型ディフェンダーは伝統に則り、短いフロントおよびリヤのオーバーハングが優れたアプローチ・アングル、 デパーチャー・アングルを実現している。ひと目でディフェンダーとわかるシルエットだ。
ランドローバーのデザイナーたちは、独特な直立フォルムをはじめ、ルーフ後方に取り付けた 「アルパインライト」ウィンドウ、横開きのテールゲート、外付けスペアタイヤなど、初代ディフェンダーの特徴を新たな形で取り入れ、21世紀に相応しい最新の本格オフローダーに仕上げたと言っていい。
ランドローバーのチーフ・デザインオフィサーであるジェリー・マクガバンは次のように述べた。
「新型ディフェンダーは、これまでの歴史をリスペクトしながらも、過去に囚われてはいません。まさに新時代にふさわしい新しいディフェンダーなのです。独自のシルエットと最適化されたプロポ ーションが、比類なき個性を際立たせています」。
「また、妥協のないデザイン、そしてエンジニアリングにより、視覚的にも人々を惹きつける4×4 となり、購買意欲を掻き立て、傑出した走破能力 をもったモデルを作り上げることができたのです」。
初代ディフェンダーのエッセンスはインテリアにも受け継がれており、通常は見えないように設計される構造物や装具をあえて露出させ、シンプルさと実用性を強調している。
注目すべきものとして、シフトレバーをダッシュボードに取り付け、オプションで追加できる「ジャンプシート」がある。これは初期の「LAND ROVER」のようにフロントシートを3人掛けにすることができるのだ。
エンジンはガソリンとディーゼルをラインナップし、2020年には PHEV(プラグインハイブリッド)が追加される予定だ。
ひとまず導入当初は、MHEV(マイルドハイブリッド)テクノロジーを搭載した4 気筒P300 と、パワフルな6気筒P400のガソリンエンジンというラインナップになる。
ディフェンダーの生命線である悪路走破性に妥協はなさそうだ。
新設計のボディ構造により、291mm の最低地上高(エアサスペンション)と世界トップクラスのオフロードジオメトリーを確保。「DEFENDER 110」のアプローチアングル、ブレークオーバー・アングル、デパーチャーアングルはそれぞれ 38度、28度、40度を実現している。最大渡河水深は 900mmだ。
新型イヴォークに初採用された、まるでボンネットがないかのようにフロント下180 度の視覚を確保する 「ClearSight グラウンドビュー」も搭載される。通常ボンネットで隠れていて見えない前輪のすぐ前方エリアの映像を車内中央のタッチスクリーンに表示するもので、あらゆる状況において自信をもって悪路を突き進むことができるだろう。
新型ディフェンダーには、「DEFENDER 110」と「DEFENDER 90」というふたつのボディタイプが用意される。
「DEFENDER 110」は 5 シート、6 シート(「ジャンプシート」選択時)、5+2 シートから選択でき、2 列目シート後ろのラゲッジスペースは最大 1075L、シートを倒した場合は 2380Lとなる。
「DEFENDER 90」の全長はCセグメント相当のハッチバックと同等のサイズとなり、 5 人(「ジャンプシート」選択時は 6 人)が定員となる。
ランドローバーの本気度が最も表れているディフェンダーの刷新は、オフロード愛好家だけでなく、世界中のクルマ好きや富裕層の心を揺さぶることになるだろう。
強力なライバルたちとの対決も楽しみである。
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