文化系ランナーが語るトレイルランニングの魅力〜GO OUT CAMP RUNNING CLUB座談会〜

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ギアやウエアに魅力がありGO OUTでもアイテム紹介は多いものの、ランナーの話というのはあまり出てきていなかったアクティビティ「トレイルランニング」。大自然の中を駆け巡る開放感と非日常感、そして長距離レースでの達成感は格別な様。

GO OUT CAMPでもGO OUT JAMBOREE 2019から「GO OUT CAMP RUNNING CLUB」と称して日曜の朝に会場のふもとっぱら周辺を走るグループランを開催している。その仕掛人でもあるトレラン界の文化系チーム(!?)「トレイル鳥羽ちゃん」の内、GOCRCに参加するメンツにトレランの魅力について、GO OUT CAMPでのグループランについてあれこれ話してもらった。

Table Of Contents : 目次

仲間を作ってみんなでお祭り的にレース会場に向かって旅するあの時間が最高。走るのはその次(笑)

 

【座談会参加者】

大林義和さん(40)
トレラン歴:10年 海外の100マイルレース 完走
今井 洋さん(38)
トレラン歴:7-8年 SHINETSU FIVE MOUNTAINS TRAIL 110km完走
乙部晴佳さん(35)
トレラン歴:5年 CCC 完走 ROCKIN’ BEAR黒姫トレイルランニングレース年代別2位
Photo/Nagi Murofushi
安藤 一さん(44)
トレラン歴:8年 海外の100マイルレース 完走
丹羽 望さん(40)
トレラン歴:6年 [2019年] UTMF 20位、ontake100 9位、runrabbitrun(アメリカ)8位 [2018年] HURT100(アメリカ)11位など
※当座談会に参加予定も仕事の都合で間に合わずコメントのみ参加

初めて走った10kmコースの最後にバンっと海が見えて。その時の感覚が忘れられなくて今も走ってる

 

■トレランにハマったキッカケ

安藤:ちょうど震災後に、先輩から山を走るアクティビティがあるから走らないかと誘ってもらって、ほぼ初心者ばかりで近くの山を10kmくらい走ったのが一番最初。そのコースの最後に海が見えるんだけど、その瞬間に得た達成感が格別すぎた!! もう、それで見事にハマったもんね。あと自然の起伏ある地形の中を走るアドヴェンチャー感も楽しかったな。

大林:僕は元々サーフィンやスノボが好きだったんだけど、30歳超えた時に体力不足を感じてて。ちょうどその頃に地元の先輩が、今所属してる「トレイル鳥羽ちゃん」というチームを作ったっていうのをSNSで知って、合流したのが最初。元々は走ることにはそんなに興味がなかったんだけど、そこで出会った人が変わり者ばかりですごく楽しくて、それが入り口となってトレランを始めた。

安藤:「トレイル鳥羽ちゃん」は文化系枠ってほかの人たちにも言われるからね笑。雑誌やウエブメディアの編集長がいたりトレラン専門店の人とかもいるから、そういう一風変わった空気感はあるのかもしれないね。

今井:元々は毎週末山を登っていたんですが、試しに25kmのトレランのレースに出たら意外と楽しく走れたので、そこから距離をどんどん伸ばしていった感じで今も走っていますね。

乙部:私は転職して、アウトドア系の会社で靴の担当もすることになったんです。そこで登山靴やトレラン用シューズに関わっていたので、とりあえず経験がある友人と16kmのレースにエントリーしたのがキッカケかな。履いて走ったこともないのにその靴のどこが良いとか言えないなと思って、とにかく走ることから始めようとエントリーしたのが最初。ちょうど、そのレースでこの「トレイル鳥羽ちゃん」のメンバーに出会って仲間が増えていって、そのあとはズブズブと海外のレースに出るまでになってる感じ(笑)。

大林:オトちゃんは始めたのは一番遅いのにこの中で一番速いからね〜。

安藤:あとまだこのインタビューには間に合ってないけど速いといえば丹羽さんね!! チームのアスリート代表ですから(笑)。僕らのチーム「トレイル鳥羽ちゃん」っていうのはヴィーガンフード関連の仕事をしている人が代表で、あとトレランショップの方やレコードレーベルの方が集まって走り出したのが始まりなんです。チーム名はその代表の人が歌手の鳥羽一郎さんに似ているからってだけでついてて、鳥羽さんって人はいないんですよ(笑)。

チーム随一のアスリートと言われ、素晴らしい戦績をおさめている丹羽さんはどのようにしてトレランにハマったのか?(以下コメント)

「トレイルランニングを始めて6年目になります。健康維持や気分転換のために走ってきただけなのですが、今では100マイルのレースを年に数本走るまでになりました。レース中はいつも自分との戦いです。いくらでもサボれるし、追い込めます。力を出し切って完走した時の達成感はたまりません」

 

レース中に話して仲良くなったイケメンを紹介してやるって言われたこともある(笑)

■野山を走る魅力

安藤:純粋に自然の中を走る気持ち良さかな。慣れない人にとったら怖いかもしれない地面のでこぼこなんかも含めて土だから気持ちいいんだよね。前にマラソンを走ってる人と山に行って30kmくらい走ったんだけど、アスファルトなら筋肉痛になるのが、地面が土だからか筋肉痛にならなかったって言ってた。おそらくそれって地面が土でクッションが効いてるからだろうな、と。あと山の中を駆け抜けた時に流れる景色の非日常な感じも相当グッとくる。

乙部:マラソン大会だと走り出したら基本的には止まらないし、ゴールするまで一定のスピードをできるだけキープしようとして走り続けるじゃない? トレイルランニングだと止まってもいいし、歩いてもいいし、素敵な景色があったらレース中に写真撮ったりもするでしょ。そういう自由で自己管理できるところも魅力かも。

実際に乙部さんがCCCに参加した際、レース中に撮影した写真

大林:10時間くらい走るレースだと写真撮るのにかかる1-2分は別に気にならないもんね。もちろん記録にこだわってレースに参加する人もいるし、それは人それぞれだよね。僕はロングレースだと頭を使うのが楽しい。自分が設定したゴールタイムだと次のエイドステーションに何時までに到着しなきゃいけないけど、今の自分の状態だと無理だからゴールの時間をどうしよう?とかって完走するために休憩も含めてあれこれ作戦立てながら走るのが。

安藤:マラソンだと潰れたら終わり的なところもあると思うけど、トレイルのロングレースだと潰れても休んでたら持ち直してもう一度走り直したりすることはよくあるしね。吐くほどキツかったのに胃のあたりをさすって寝てたら復活!!とか。

今井:そういう自己管理が大切だからね。あと、レース中に隣の人と話しながら走ったりして仲良くなれるのも楽しくない? レース中に食べるジェルとか交換したり。

乙部:そうそう!! それで言えば、知り合いからその人がレース中に話して仲良くなったっていうイケメンを紹介してやるって言われたことある(笑)。あとはエイドステーションが充実してるのもうれしい。マラソンだと給水が基本だと思うんだけど、トレイルランニングだとレースによってはそばがあったり、ブドウがあったり、レースが開催されている地元のものが提供されてたりもするでしょ。あれが嬉しい。

安藤:それの最上級っていうのがハワイでのレース「HURT 100」。僕も参加したんだけどスゴかった。だって窯で焼いたピザとか出てくるんだから!! さすがにレース中でキツかったから食べれなかったけど笑。記録よりも楽しんで走ってる僕たちとかだと「次のエイドにはおそばがあったから頑張って走ろう」とかってレースを走るモチベーションにもなるもんね。トレランは長い距離のレースが多くて時間も10時間とかかかる。なので食事も必要だしそういう意味でエイドステーションがどんどん充実していくんだろうね。

HURT100のエイドステーションの様子

 

―海外と日本のトレランで違いってあるんですか?

大林:日本は山が急峻だし、ロングコースをずっと山だけでっていうのは少ない気がしますね。平地も走ることが多い。でもその分里山の景色を見ながら走れるっていう魅力がある。で、そういうところって地元をあげて開催協力してる場合もあって、おじいちゃん、おばあちゃんが応援してくれたりするのでほっこりするよね。

乙部:私が海外のレースに行って感じたのは海外の方がトレランカルチャーがもっと成熟していてカジュアルになってる気がした。今年ヨーロッパのCCC(世界最大規模のレースUTMBの1種目で100kmのレース)に出場した時に、参加者みんなの山に対しての接し方がすごくカジュアルで、山に対しての考え方が根本的に違うのかな、と感じることもあったな。

安藤:日本は山岳信仰的な考えが元々あったりするからか、山に入ること自体がコンサバティブな行為というか。海外のようなカジュアルさではない気がするね。それも特徴っていうか。

今井:日本での山中を走るっていうことに関しての歴史は古くて、ずっと昔からあるんです。山伏の修行や有名な千日回峰行なんかは山を何日も走り続けたりするっていう。でもそういうのは修行だったりするので、元々、一部の人だけのものだったという言えるのかな。

 

チームのみんなでレースに行く。その旅の時間自体が楽しくて仕方ない

■チームを組んで走る理由

大林:チームを組む人は最近増えてる感じがするね。

乙部:みんなランニングショップが主催するグループランとかに参加して、そこで仲間を見つけてチームを作ったりしてるっぽい。

大林:先週もレースに出たんだけど、グループで来ている人が多かった。ちなみに僕は1人だったんだけど苦笑。

今井:え!? 出てたの? 早く言ってよ笑。サポートで行ったのに。

安藤:大きい大会だとサポートする体制っていうのはみんな作って行くよね。1人で走るんじゃなくてサポートしてくれる仲間と一緒に走るってイメージかな。

乙部:サポートする側はアプリでランナーが今どこを走ってるのか確認して、次のエイドステーションに先回りして、到着したらなるべく早くコースに出られるように水の入れ替えや食事の準備なんかをしてあげたりする。

大林:ランナーとしても長い時間走ってる中で知ってる顔に会えるっていうのはうれしいよね。辛いときは特に気持ちがすごく楽になる。

安藤:もちろんレースなのでタイムにこだわって走る人もいるけど、僕はみんなでお祭り的に楽しめるところが好き。都心部から前乗りで会場入りするとなると2泊3日とかになるんでしょ。どっちかというとレースよりもその2泊3日の旅ありきで、みんなでワイワイしながら時間を共有できるのが本当に楽しい。

今井:そうやって楽しんで参加してると周りにまた新しい人が集まってきて輪が広がっていくしね。そういうところもトレイルランニングの魅力の1つだろうね。

乙部:あとレースってすごくドラマチックでしょ。10時間以上も走ってると、足が痛いとかご飯が食べれないとか。もちろんすごく楽しかったり、気持ちいい時間もあって。そういった様々な出来事を乗り越えて最後にゴールというクライマックスを迎えられるのが本当に最高で、しかも仲間がいるとレース中はそういうストーリーが人それぞれある分、走り終わった後にそれを語り合えるのも楽しいかな。

 

トレランやってる人はみんないい人だから思い切って飛び込めばいい!!

■トレイルランニングの始め方

安藤:最近はビギナーの人もそれなりに増えてる気がする。中でも40代の人がすごく多い気がするんだけど。

乙部:うん。女性だと30代は子育てがあるから、それが終わる40代になって走り出すとかもある気がする。で、20代なら山の中より街で遊んでる方が楽しいから少ないだろうし。

今井:まぁレースのエントリーフィーや移動・宿泊にもお金がかかるし。ギアとか消耗品もそれなりに揃えることになるからある程度自由になるお金を持ってる世代が多くなるのかなって。

安藤:とはいえ興味があって、ある程度の装備が揃えれるなら絶対始めた方がいいと思う。まずはトレイルランニング専門のお店に行って相談してほしい。ネットで調べるより直接話を聞いた方が細かなことも理解しやすいしね。あと各お店がグループランをやってたりするので、そこに参加して仲間を作ったりするのも始めやすいと思うな。1人で山に行くより、仲間を作ってから行く方が絶対に楽しいから。

今井:グループだと現地で何かあってもサポートしあえるし、初心者だと装備やコース、山のマナーとか色々とメンバーに相談もできるから。

乙部:それこそGOCRCに参加して、声をかけてもらったら色々とお話もできますし、仲間もできますよ!!  私がランニングを始めて一番感じたのはトレイルランニングをやってる人たちって本当にいい人ばっかりってこと。みんな何でも教えてくれるし、オープンマインドでウエルカムな感じが凄い。自分が知ってることは何でも教えてあげたいっていうか。そもそも人口がそんなに多くないのもあって、少しでも興味を持った人には好きになってもらいたいからどんどんサポートする!!っていうマインドの人が多い気がするから少しでも興味があれば飛び込んじゃえばいいと思う。

前回のGO OUT CAMP RUNNING CLUBに参加してくれた方との記念撮影

 

GO OUT CAMPで走るとふもとっぱらの見たこともない新鮮な景色が味わえる

■GO OUT CAMP RUNNING CLUBについて

乙部:前回の参加者でGO OUT CAMPの中でこれが一番楽しいって言ってくれた人がいたのが嬉しかった(笑)。

安藤:あれ、嬉しかったね。その人はGO OUT CAMPに何回か参加してる人だったんだけど、GO OUT CAMPって音楽楽しんで、お酒飲みながらキャンプしてっていうのがメインでしょ。そこにランニングが入ったことで体を動かして前日に飲んだお酒を帳消しにできるっていうか笑、気持ちよく体を動かせるコンテンツがあるのが楽しいって言ってたね。

乙部:当日はBrand Avenueを走ってゴールだったんだけど、そこを走ってる時にお店の人が応援してくれたり、テントサイトから手を振ってくれたりしたのは嬉しかったよね。

安藤:次回はTシャツを作ろうよ!! そうやって見てくれる人もいるんだから(笑)。ランニングのチームってよくTシャツを作ったりするんだけど、仲間感も出てより一層楽しくなるから。あと、今回はコロンビア モントレイルさんとアルトラさんによるシューズの試し履きが決定したので、シューズがない人でも気軽にご参加ください。サイズが全部足りるかはわからないのですが。

 

■これを読んでいる人に一言

安藤:自由を求めてぜひ飛び込んでください!!

大林:GOCRCでは大人数で走りたいのでどしどし参加してください。

乙部:以前はGO OUT CAMPに出店で参加してて、その頃に何回もふもとっぱらに行ってたのに走ってみて、同じキャンプ場内なのに見たことない綺麗な景色がたくさんあるんだって新鮮だった。で、ふもとっぱらも飛び出して、近くの森の中を走ったりもするからもっと素敵な景色にも出会えると思う。

大林:森の向こうにある川の上にかかってる橋から見た富士山は綺麗だったよね。

今井:まぁ、なんといっても日本一の山を眺めながら走れるのは気持ちいいに決まってるもんね。

安藤:とにかくこの記事を見た人は偶然とは言え僕たちと出会っちゃったんで、必ずGO OUT CAMPに来て、ランニングクラブに参加してくださいね笑。

乙部:みなさん、記事最後まで読んじゃってますもんね笑。

 

GO OUT CAMP vl.15オフィシャルサイトはこちら!

 

 

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GO OUT編集部
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