ルックスとパッケージに磨きをかけた、コンパクトミニバン大本命! 新型「フリード」公道試乗。

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’08年に初代、’16年に2代目を発売していたホンダ・フリードが、3代目にフルモデルチェンジしてこの夏発売となりました。ルックスもブラッシュアップされた新型「フリード」の公道試乗会に参加してきましたので、さらに進化したパッケージとe:HEVの走りを中心に、その実力をお届けいたします!!

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アクティブな「CROSSTAR」、クリーンな「AIR」。2つの顔をラインアップ。

これまでは3列シートのフリード、2列シートのフリード+、クロスオーバースタイルのクロスターを展開していましたが、今回のモデルチェンジでは、アウトドアシーンに映えるタフでモダンな顔の「CROSSTAR」と、現行ステップワゴン譲りのシンプルでクリーンな顔の「AIR」の2つのグレードに整理されました。

それぞれの個性をアピールするCROSSTAR(上:クロスター)とAIR(下:エアー)の2タイプをラインナップ。

ガーニッシュを備えたギア感のあるクロスターのルックスが目をひくところですが、その最大の魅力はパッケージにあり、「クロスター」には2列シートの5人乗り、キャプテンシートの2列目と3列目を備えた6人乗り、「AIR」には3列シートの6人乗りと7人乗りを設定します。

FREED e:HEV CROSSTAR
こちらは2列目がベンチシートの5人乗り。3列シートの6人乗りもある。【SPEC】全長4310×全幅1720×全高1755mm ホイールベース2740mm 乗車定員5名 1.5L DOHC i-VTEC+2モーターハイブリッド エンジン最高出力78kW(106PS) 最大トルク127Nm(13.0kgfm) モーター最高出力90kW(123PS) 最大トルク253Nm(25.8kgfm) 駆動方式FF 燃料消費率WLTCモード25.5km/L 車両本体価格316万2500円〜
オレンジのステッチがギア感をアピールするシートはアウトドアシーンでも扱いやすい撥水仕様。
5人乗りの後席はベンチシートタイプ。
リアシートは6人乗りとは異なる専用設計のダブルフォールダウン機構で、背面に備えたボードを後方に展開すれば荷室との隙間が埋まってフルフラットな空間に。

ステップワゴン エアー譲りの優しげな印象を醸し出す「フリード AIR」は、日常と多様性をテーマにフリードらしさをしっかりと継承した進化を遂げ、早くもコンパクトミニバン市場を盛り上げている様子。パワートレーンはクロスター、AIRともに、2モーターハイブリッドシステムのe:HEV車と1.5L i-VTECエンジンのガソリン車、それぞれにFFと4WDのラインナップです。

FREED AIR EX
上質で洗練された雰囲気を演出するAIRのほうが新車販売シェアは高い。4WD車は6人乗りのみ設定。【SPEC】全長4310×全幅1695×全高1780mm ホイールベース2740mm 乗車定員6名 1.5L DOHC i-VTECエンジン 最高出力87kW(118PS) 最大トルク142Nm(14.5kgfm) 駆動方式4WD 燃料消費率WLTCモード14.4km/L 車両本体価格292万8200円〜
2列目が独立したキャプテンシートで、3列目もある6人乗り。
直立すっきり収納の3列目シートも改良。跳ね上げたときの固定位置を先代より低く手前に設計することで、よりラクに操作できるようになり、荷室の有効容量も拡大。

アウトドア派は、タフでモダンな「クロスター」一択!!

もちろんアウトドア派にイチ推しなのが、前後バンパー、ホイールアーチプロテクター、サイドシルガーニッシュなどをブラックで統一した「クロスター」。アクティブなライフスタイルをサポートするような、タフさとモダンさを兼ね備えたルックスが魅力的です。

テールゲートガーニッシュ、ドアハンドル、ドアミラーも高輝度シルバー塗装で統一され、15インチアルミホイールも専用デザイン。
フルLEDのヘッドライトは、デイタイムランニングランプ、オートライトコントロール機構付き。
ブラックバンパーやグリルにシルバー塗装の専用ガーニッシュ、ヘアライン仕上げのルーフレーフを装備。
はっきりと認識しやすい4つの四角形状のLEDターンライト、テールライトもユニーク。

乗るヒトすべてが快適にすごせる、ホンダ車らしいインテリア。

運転のさまたげになる視覚的なノイズをなくし、すっきりとシンプルに構成したインパネまわりが象徴するように、運転のしやすさと使い勝手のよさを追求したインテリアも、じつはこだわり満載。2列目、3列目に座る同乗者の視界の確保から車内全員が会話しやすい空間づくりまで、乗るヒトすべてのことを考えた設計がホンダ車の真骨頂なのです。

「CROSSTAR」のインパネは、ことさらにギア感を主張しないデザインが好印象。Aピラーの形状も車両感覚をつかみやすい。
センターパネルはシフトレバーやエアコンのスイッチなど操作系を分かりやすくゾーニング。防汚性を付与した好触感な塗装を施し、汚れにくさと思わず触れたくなる触り心地を両立。
ステアリングの間に収まるように配置され、必要な情報を整理して表示するインホイールメーターも開けた視界をもたらすポイント。
キズが目立ちにくいシボ加工を施すことで気軽に扱えるインパネトレー。上部はクッション性のある素材を採用。
「AIR」のインテリアも同様のコンセプトだが、インパネ上部は子どもの肌に触れても痛くない、触り心地のいいファブリックに。シート素材も含めて、撥水・撥油性があるところも子育てファミリーに嬉しい。
3列シート車は後席用のエアコンも装備。
3列目に座ったときのクォーターガラスからの視界も良好。

フィールドでの使い勝手を高める、純正アクセサリーも豊富。

ラゲッジを上下に分割できるユーティリティボードや、有孔ボードのように使えるマグネット対応のステンレス製サイドパネルなどを標準装備する「クロスター」の5人乗りには、車中泊などアウトドアユースをさらに楽しめる純正アクセサリーが多数ラインナップされていることも見逃せません。

タフさを強調するボディサイドモールなどの純正アクセサリーを装備したホンダアクセスの「アクティブタフスタイル」。
上部のトランクサイドボックスはキャンプ用のカトラリーなどを収納するのに最適。ステンレス仕上げのユーティリティサイドパネルはクロスター純正採用の装備。
新車購入時に一番人気という純正オプションがこちらのルーフラック。
テールゲートに標準装備されるユーティリティナットを有効活用できるフックも用意。
ラゲッジボード下のスペースに敷くカーゴトレー。汚れたギアを入れても掃除しやすいのがグッド。

また、福祉車両となる従来の車いす仕様車を「CROSSTAR スロープ」と改め、日常・レジャー・介護の3WAYで使えるスタイルとして新提案していることもトピックス。今回の試乗会では、3輪の電動キックボードをラゲッジに積載する様子を披露していました。

「CROSSTAR スロープ」は電動ウインチとスーパーフレックススロープを備え、主目的である車いす乗車などの介護をサポートしながら、ライフスタイルの変化に応じた多様な使い方を提案する1台。スロープは2段階で格納できる。

“ちょうどいい”がさらに進化した、コンパクトミニバンの大本命。

今回のe:HEVモデルに初搭載された2モーターハイブリッドシステムは、SUVのヴェゼルなどにも採用されるパワートレーン。低燃費を実現するだけでなく、発進や高速道路の合流など加速時にはチカラ強さを発揮し、その走りはヒジョーにスムーズ。e:HEV車とガソリン車では重量も違うので、サスペンションなどのセッティングも変更しているそう。

街でもフィールドでも、“ちょうどいい”新型にモデルチェンジした「フリード」。すでに好調なセールスということも納得できる、コンパクトミニバンの大本命でした!!

Photo/Kenji Fujimaki

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GO OUT編集部
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