2輪から4輪へ変幻自在の次世代型カート。実際のところ使い勝手はどうなの?

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クルマを横付けできないキャンプ場では、キャリーワゴンの存在はとてもありがたい。しかし「収納時にかさばる」「普段使いができない」などデメリットも多い。

そこで注目したいのが、BEAMS(ビームス)で先行販売されている、花岡車輌の「FLAT CART 2×4」だ。2輪のキャリーカートと4輪の台車に変形可能で、こちらの記事でも話題となった注目作だ。

今回は、そんな次世代型ともいえる機能的カートの実力を、実際に使って確かめてみた。

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収納時の薄さはたったの13cm。

花岡車輌「FLAT CART 2×4」¥13200

まずは収納時のサイズ感を。

畳んだ状態を俯瞰で見ると38.5×64cm。A3用紙を2枚並べた面積よりも、少々細長い感じをイメージしてほしい。

重量は7.4kgと台車としては軽め。成人男性であれば片手で持て、女性でもクルマへの積み下ろし程度であればさほど苦にならなそうだ。

そして、薄さがたったの13cm。収納時には車輪が内側に折りたたまれ、コンパクトになる。いわゆるアウトドア用のキャリーワゴンは、収納サイズもそこそこの大きさになってクルマの荷室を圧迫するが、この薄さなら愛車への積載時も負担は大きくない。

 

自動的に車輪が立ち上がる画期的構造。

それではさっそく、使用する際の状態に変形させてみよう。

2輪にするときも4輪にするときも、まずは裏面中央のハンドルを起こし、反対方向までしっかり倒す。立てた状態で行う場合は、大きな車輪のある方を下にして、押し下げるイメージだ。

これにより大径の車輪が自動的に立ち上がって、登場する。

次に持ち手ハンドルを開いていく。すると同時に、小径の車輪が立ち上がってきた。収納時に折りたたまれていた4つの車輪は、すべて自動的に立ち上がる斬新構造なのである。

そしてこの持ち手ハンドルをどこまで開くかによって、2輪と4輪を使い分けることができる。まずは90°ほどに開いて、4輪にしてみることに。

30秒とかからずに、4輪台車の状態にトランスフォーム完了。持ち手のハンドルは3段階の高さに調節することができ、写真は2番目に高い状態。

持ち手ハンドルの高さを調節するときは、こちらのロックを解除して行う。中央に握り込むことによってロックが解除され、任意の高さまで引き出すことができる。

ちなみにこのアイテムには3箇所のロックがあるが、すべて「中央に握り込む」ことによって解除できるという、わかりやすい仕様となっている。

 

あっという間に4輪→2輪へトランスフォーム。

それでは次に、4輪の状態から2輪に変形させてみよう。まずは荷台に折りたたまれていた、ベースプレートを持ち上げる。こちらのベースプレートは金属製で、かなりしっかりとしたつくり。

次に持ち手ハンドルを、荷台と一直線になるように立てる。持ち手ハンドルの根本にはロックが付いており、さきほども触れたように中央に握り込んで解除。

持ち手ハンドルを立てていくと、ここでも車輪が連動して動き出した。収納状態→4輪のときには自動的に立ち上がった車輪が、今度は自動的に折りたたまれていく……!

あっという間に2輪台車の状態に。もちろん2輪でも持ち手ハンドルの高さは調節可能だ。4輪モードと比べれば安定感はないものの、小回りが効くため、狭いスペースを移動しなければならないときは、4輪よりも使い勝手がいい。

自動的に前輪が収納されていく光景は、ギア好きは興奮せずにはいられないはず!

 

最大耐荷重120kgで安定感◎。

ここで全体のディテールを見ていこう。花岡車輌は海外でも高い評価を受けているプロ仕様のメーカー。当アイテムは恐るべき耐荷重を誇り、その数値は2輪使用時で70kg、4輪台車時では120kgにも及ぶ。

荷台の裏面をチェック。まるでクロカン車のラダーフレームのようにスチールのパイプが走り、荷台を覆う樹脂パーツには、隅々までまんべんなく補強が施されている。

こちらは固定車輪、径は12.7cm。4輪でも2輪でも稼働することになるメインの車輪だ。太さがないので砂浜などの柔らかい路面には向かないが、キャンプ場の軽いダート程度なら問題ない。

こちらが自在車輪で、径は固定車輪よりも若干小さく8.6cm。くるくると360°回転する構造になっているので、4輪台車時にカートの向きを変えることが可能になる。

タイヤは自在車輪、固定車輪ともにゴム製だ。

荷台の縁にバンジーコード等を引っ掛けられるくぼみが配されているのもさりげないようで結構重要なポイント。バンジーコードを使えば、4輪台車時は荷物が横に崩れるのを防ぐことができ、2輪台車時にはある程度高く荷物を積むことが可能になる。

 

実際に荷物を運んでみると……。

キャンプのときに運搬に苦労しているギアを選りすぐって、実際に運んでみた。

容量50Lのコンテナ(約15kg)と、そのうえに焚き火台(約8kg)、さらに余ったスペースに薪ストーブ(約13kg)もなんなく載せることができた。これだけ重量のあるものを載せると持ち手ハンドルの根元に大きな負担がかかりそうだが、ガタツキや歪みは感じられず、予想以上に安定感があった。

荷崩れが心配な場合は、ベースプレートを立ち上げたり、バンジーコードやロープを張ったりして対応できるというディテールも心強かった。

アウトドアフィールドでは2輪で使用したいシーンがほとんどなかったが、日常生活でも活躍するのも当アイテムの魅力。

試しに徒歩でペットボトルの水を買いに行ってみたが、計24L程度の重さではびくともしない。持ち手ハンドルに重さがかかってくるかと思っていたが、これが不思議なことに意外と小さく、ほとんど疲れを感じなかった。

 

アウトドアでも日常生活でも活躍しそう。

一般的なアウトドア用のキャリーワゴンは、それ自体の収納性に苦しむのがありがちなパターン。しかし薄さ13cmの当アイテムなら、まずコンパクト収納できるという大きなメリットがある。

そして手軽に2輪でも使用できるので、キャンプやフェスだけでなく、例えば、BBQ、運動会、ピクニックでチェアやクーラーボックスを運びたいときにも活用しやすい。プロ仕様の頑丈さも頼もしく、レジャーのお供として末永く愛用できるアイテムだ。

  • 【花岡車輌「FLAT CART 2×4」 SPEC】
  • 価格:¥13200
  • 収納サイズ:W38.5×D13×H64cm
  • 2輪台車時サイズ:W38.5×D25(有効22.5)×H110/122/134cm
  • 4輪台車時サイズ:W38.5×D63×H67/79/91cm
  • 耐荷重:70kg(2輪台車時)、120kg(4輪台車時)
  • 重量:7.4kg
  • 素材:プラスチック、スチール、ゴム

(問)ビームスオンラインストア https://www.beams.co.jp/item/bprbeams/hobby/33741096696/

 

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Minoru Akiba
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