GO OUT WEBで恒例となった「タープ下座談会」企画だが、今回の舞台は、ゲレンデ。向かったのは、長野県白馬村にあるエイブル白馬五竜。テーブルとチェアを並べたいつものセットで、この時期ならではのちょっと特別なトークセッションを開催した!
座談会メンバーは、この3名。みんな同い年で、旧知の仲であり、スノーボード歴は30年近くになる超ベテランだ。
せっかくなので、ゲレンデ施設内にあるBurton(バートン)ストアで最新ギアをレンタルし、ひとしきり滑ってもらってから座談会をスタートすることに。
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スノーボード歴30年のいま、改めて気づく“魅力”。
スノーボード歴はじつに30年を超える、超ベテランの3名。そんなに長いあいだ現役で楽しみ続けるってスゴイけど、きっと歳を重ねながら、都度あたらしい楽しみ方や魅力を発見してきたはず。いま、スノーボードをどんな風に楽しんでいるのだろう。
金井「楽しみ方でいうと、最近はもうパウダーの魅力にハマっちゃってて。周りの友達も、みんなだいたいそっちの方に行ってるね。一度、ガイドに連れて行ってもらった八甲田で“当てた”日があって、そのときは、自分のなかで間違いなく最高の体験だった」
井手「いわゆる、“THE DAY”(前日にドカ降りし、当日晴天)ってヤツだ」
金井「なんていうか、違うスノーボードに取り憑かれたって感じ。チームでアタックしていく一体感もあって、“冒険してる”みたいな感覚かな」
井手「俺は、北海道のニセコで1回だけ、パウダーぱふぱふですんごい日があって! 腰まで埋まった状態で歩くんだけど、なにも抵抗がないの。その日は1日中そんな感じだったけど、よほどラッキーじゃないと出合えないと思う。いまはもう、狙って行けるほど身軽でもないし」
金井「自然との戦いもあるけど、家族との戦いもね(笑)」
山岡「仕事も(笑)」
井手「でも、楽しみ方でいうと俺は昔からなにも変わってないかもしれない。バーン!ってスピード出して、うひょー!って。そういう感じはずっと。今日もじつは脚の調子が悪かったんだけど、滑ってるあいだは問題なかった。上手くなってるかどうかは別として、歳を重ねるごとに力を抜いて滑れるようになってる気はする」
山岡「俺は、競技者を目指していた若い頃はハーフパイプをやってたけど、最近はあまりパイプもないし、細かい技とかはできなくなってきてるから、とにかくカービングを極めてるところ。いろんな滑り方を試すのもそうだし、板も、替えるたびにフィーリングが変わってくるから、いいのを常に探してて。いまは、Burtonの『ファミリーツリー ホームタウンヒーロー』に行き着いて、ベストな長さや幅を探りながら3年連続で買い続けてるんだよね(笑)」
最新ボード&STEP ONを試してみて。
今回は、エイブル白馬五竜に併設されるBurtonストア「Burton Store Hakuba Goryu」で、最新のレンタルサービス「テストライド」を利用した。そのシーズンの“最新ギア”をレンタルできて、気に入ったら、そのまま購入できる画期的な試乗サービスだ。
もちろんSTEP ONもあるので、3名は迷わずチョイス。井手さんと山岡さんは初めてのSTEP ON試乗だ。ボードは、それぞれに気になっているものを自由に選んでもらった。
山岡「ボードは、昨シーズンの『ホームタウンヒーロー』を持ってるから、今日はカスタムを選んでみた。どれでも試せるって、すごいね」
金井「俺は『グリルマスター』にしてみたよ」
井手「俺も『ホームタウンヒーロー』にしてみたけど、カービングがめちゃくちゃ気持ちよかった……! ひとつ前に使っていた板は『カスタム フライングV』で、パウダーにはいいけど、カービングはちょっとやりにくかったんだよね。だから、コレコレコレ〜!って感じだった」
山岡「『ホームタウンヒーロー』は、本当に、めちゃくちゃラクだよね。名機だと思う。いまから板買うっていうひとには、絶対に一度試してほしい」
井「板の形状の微妙な違いで、乗り味が大きく違うから、やっぱりボード選びは大切だし楽しいよね」
金井「STEP ONはどうだった?」
井手「初めて使ったんだけど、着けるときも脱ぐときも、めちゃめちゃ早いね。とにかく感激してる(笑)」
山岡「ウワサ通りだったね。これまでのバインディングとは感覚が違うから、まだまだ慣れないし、乗り方は調整が必要だなって感じだけど」
井手「たしかに、“乗り方が違う”って感じだよね。なんていうか、従来のバインディングと比べてどうこうっていうより、まるっきり“別物”の新しいギアって感じ。だから、これから染まる余地のある初級者なんかは、こっちから入るとすごくよさそう」
山岡「ヨウスケ(金井)は、普段からSTEP ON使ってるんだよね?」
金井「7年前の初代モデルをいまだに使ってる。でもね、やっぱりぜんぜん違った。いろいろなフィードバックをもとに改良されてきたんだろうね。そろそろ新しいのに乗り替えたいって思ってたけど、いよいよかなと思ってる」
井手「でも、こうやって最新のボードやSTEP ONを試乗できると、次に自分がなにを探したらいいかを掴みやすいよね。『STEP ONはこういう使い心地だから、こんな感じのボードがいいかな?』みたいに」
金井「シゲ(山岡)はさ、昔のイメージだと、BOAのブーツとか絶対履かないよね。『紐じゃないとイヤだ』みたいなタイプでしょ?」
山岡「スネのところはガチガチに固定したい派だからね。そういう、箇所箇所で調整が自由にできたりって意味では、アナログなものはやっぱり捨て難い。でも、BOAを一度履いちゃったら、もう抜け出せない(笑)」
井手「俺も、足の甲はちょっとユルくして、上は締めるのが好きだったから、わかるよ。でも、ブーツもバインディングも、なんでもそうだけど、Burtonはいつでもどんどん新しくて魅力的な何かを持ってきてくれるんだよね」
Burtonのココがスゴイ! 歴史を見てきた3名の証言。
スノーボード歴は、そのまま、Burton使用歴。と言っても過言ではない3名。最新ギアを試した興奮冷めやらぬまま、話題は、そんな彼らならではのエピソードや忘れられないギアに移る。
山岡「スノーボードをはじめたての頃は、別のブランドの板に乗っていたんだけど、あるとき友達が使っていたBurtonを借りて滑ってみたら、『うわ、これズルだ!』と思って(笑) 『こんなの、上手く滑れて当然じゃん』って。そこからはBurton一筋、30年」
井手「俺は、小学1、2年の頃にアメリカに住んでて。スキー板を買いにスキーショップへ行ったら、サーフィン板みたいなのが置いてあって。店のひとが『これがバートンボードだ』って教えてくれたんだよね。『こんなのあるんだ!』って子ども心に思ったのを覚えてる。そのあと高校卒業の頃に今度は弟がアメリカに住んでて、ブライアン・イグチのシグネチャーモデルの板に乗ってるのを自慢されて、それで、俺もBurtonのボードを買ったな〜」
金井「俺も最初は高校生くらい。使ってたBurtonの板を盗まれたことがあって……。すごく悔しかったね。それくらい人気があったってことなんだけど」
井手「やっぱりBurton使ってればまったく恥ずかしくないし、品質も間違いないし。90年代から、そういう安心感があったよね」
山岡「今日も着てるけど、[ak]のウエアなんかも、本当に至れり尽せり。あってほしい場所に絶対にポケットがあるし、ベンチレーションもいつでもアクセスしやすい」
井手「ゴーグル専用のポケットがあったり、ポケットからイヤホンの紐を出すための穴があったりね」
金井「気が利いてるよね」
井手「バインディングのトゥストラップが改良されて、ブーツのつま先を覆うようになったときなんか、俺はもう感動した!」
山岡「コレコレ! 欲しかったやつ!ってね」
井手「ストラップで足の甲の血が止まってたのが、一気に解放されて。そんな風に、いちいち解放してくれるんだよね〜。あと、プロダクトにも常に遊び心があるよね。グローブの親指の背だけ、鼻水拭く用に(ノーズワイプ)ソフトな生地に切り替えられてたりとかさ。あえてシュータンの裏にイラストを配置したりとか」
金井「面白いよね」
井手「グローブの甲に、カイロを入れるポケットが付いてたりね」
山岡「あったあった!」
井手「そういう『いいよね〜』っていうのがあって。ヨウスケは一時期Burtonで働いてたけどさ、俺、その頃に聞いた伝説があって。Burtonの社員は『雪が降ったら会社休んでいい』っていう福利厚生があるって。あれ本当なの?」
金井「本当本当。60cm積もったら休みなんだよ」
井手「なんていい会社なんだ!」
金井「俺が勤めてた頃のオフィスの1階には、スケートのボールやランプが設置されてたりもして。“遊ぶ”っていうカルチャーを自ら常に体現してる、そういう姿勢がめちゃくちゃ好きだったね。あと、原宿のストリートカルチャーなんかともすごく近くて、スノーボードの枠に収まってない感じが当時からあったね」
井手「“スポーツメーカー”って括れないよね」
お気に入りの雪上ギア、拝見。
最後に、3名がゲレンデで使っているお気に入りのギアを紹介してもらった。
Bang & Olufsenのワイヤレスイヤホン【山岡さんのお気に入りギア】
山岡さんが愛用しているのは、Bang & Olufsenのワイヤレスイヤホン。現在のワイヤレスイヤホンはカナル式が主流のなか、圧迫感がなく、外音もある程度入ってくるインナーイヤー型が好みだとか。
山岡「ゲレンデでは、片耳だけ落とす心配がないのもいいんです。仕事でDJをすることも多いので、スノーボードの最中やクルマの運転中に、ミックスの流れを通して聴くことが多いですね」
cardoのインカム【井手さんのお気に入りギア】
井手さんが紹介してくれたのは、cardoのインカム「パックトーク EDGE」。こちらはバイク用の製品だが、これを元に新しく開発されたスノーボード用インカム「パックトーク OUTDOOR」を、いま狙っているとか。
井手「装着している同士で、1キロ以内でのハンズフリー通話ができるんです。スクールの先生が遠隔で指示を出すときや、親子で滑るときに便利。サウンドはJBLが監修していて、ノイズキャンセリングもめっちゃ強力。早く試したいんだけど、持っている友達がまだ周りにいないんです(笑)」
G-SHOCK × Burtonの腕時計【金井さんのお気に入りギア】
そして、金井さんが選んだのは、G-SHOCKとBurtonのコラボウォッチ。G-SHOCKのなかでもプロ仕様の「MASTER OF G」シリーズをベースにしたモデルで、G-SHOCKの30周年にあたる2013年から定期的に発売された。
金井「高度計や気圧計が内蔵されているので、スマホが使えない場所でも、自分の居場所や周辺の情報を掴むことができます。バックカントリーではとくに便利ですね。ベルトは若干長めなので、アウターの上からでも装着できます」
仲間と一緒なら、「テストライド」の楽しさマシマシ⁉︎
これにて、雪上座談会は終了。スノーボードにもBurtonにも精通する3名のオトナたちのトーク、かな〜り濃かった……!
ちなみに、今回3名が利用した「テストライド」は、全国4箇所(記事公開時点)のスノーリゾートで利用可能。購入予定のギアを最終チェックがてら試すもよし、自前のボードとは乗り味の違うボードを試してみるもよし、目的や興味に応じて自由に使ってみたい。
今回のように仲間と集まって利用すれば、レンタルしたボードを交換し合いながら試せたり、使い心地についてその場で相談できたりと、ギア選びが、より白熱しそうだ!
Photo/Fumuhiko Ikemoto
(問)Burton tel:03-4316-4709 burton.com