電車なんかと違って、クルマで行く旅は風の吹くまま気の向くまま、どこにだって行ける。行き先は、思い立ったらパッと行けて、パッと帰ってこられるくらいの場所がいい。
年の瀬にお届けする今回は、宇都宮出身の双子ラッパーである上鈴木兄弟と、彼らの地元・宇都宮をドライブ。ラッパーを輩出するくらいの街だから、文化的スポットだらけです。もちろん餃子も忘れずに。
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レンタカーっていう手もアリ。
「アウトドア好きなら荷物がバンバン入る愛車があってなんぼっしょ」
わかります、その気持ち。
ただ都心にいるならクルマの出番は多くないのも事実だし、乗るのは週末だけでも保険やらメンテナンスやら駐車場代で金がかかる。一方、レンタカーやカーシェアなら好きなときに借りられるし、クルマの維持費を考えたら確実に安上がり。月1〜2回程度のアウトドア派には、実はレンタカーってベストな選択かもしれない。
それにレンタカーって、いろんなクルマに乗れるから楽しいの!
今回の出演者であるラッパーの上鈴木兄弟は、兄のタカヒロさんが宇都宮在住で、弟の伯周さんが東京在住。東京から出発したいと兄弟に相談したら「じゃあレンタカーで行っちゃいましょう」となり、伯周さんの家の近くにある「ニッポンレンタカー」で待ち合わせ。
「宇都宮には、兄との仕事やラジオの出演などで月に3〜4回は行ってます。行くときはほとんど新幹線で、たま〜にレンタカー。嫁と買い物に行くときとかもレンタカー。やっぱこっちにいるとクルマに乗る機会って少ないから、ありがたいっすよ」
ちなみに、兄弟が出演するRADIO BERRY FM栃木の「たのしいことばかりありますように」は毎週木曜日の20:30から放送中!
事前に予約してクルマをピックしたら、いざ出発。タカヒロさんと合流するため、東北道を北上する!
渋滞知らずの東北道と行きつけのラーメン屋。
都心から観光に行くとなると西に行きがち。となると、使う高速道路は東名だったり中央道になるわけだけど、あの道路って渋滞が常。休日はもちろん平日でも、たいていどこかでノロノロになる。一方で、今回使う東北道はそのふたつに比べて渋滞が少ないし、朝出発するなら太陽はうしろ側にあるから眩しくない。眩しくないって、疲れないしドライブを快適に楽しめる!
途中、羽生PAなんかに寄りながら運転すること2時間と少し。タカヒロさんの自宅に無事到着。
「会うのは昨日ぶりなんで、感動の再会とかはまったくないっす(笑)」とタカヒロさん。前日も仕事で一緒だったのだとか。「こんな『ヤッホー』みたいな挨拶も全然しないですから」と伯周さんも続ける。撮影用にありがとうございます!
早速メシでもと連れて行かれたのは、2人馴染みの「ラーメンみうら」。
福島県の白河ラーメンが食べられる名店は、中心地から離れた場所にある&平日にも関わらず行列ができるほどの人気店。「実はぼくの娘と、ここのお子さんが同級生でね。20年くらい前からあって、ことあるごとによく来てるんです」とタカヒロさん。伯周さんは1年ぶりとのこと。
この日、タカヒロさんは塩ワンタン、伯周さんはしょうゆを注文。
「いつもは兄に運転してもらっているんで、たまにはどうぞ」と伯周さんがビールをすすめる。「じゃあ、お言葉に甘えて」と、早速一杯飲る!(伯周さんはノンアルで)
ラーメンはあっさりスープに、手打ちびろびろ系の麺。麺量も多くて、食べ応えもある。伯周さんも「いつ食ってもうまいんすよ」と舌を巻く。こりゃ流行るのもうなずける。女将さんとの挨拶も忘れずに。
腹パンになって次に目指すは、宇都宮中心の隠れ家へ。
花街の路地裏にあるアングラカフェ。
東武宇都宮駅の周辺は、その昔花街として栄えたエリア。いまもその名残がそこかしこに垣間見える。「馴染みのコーヒー屋があるんで」と、そのエリアにある怪しげな小道を進むと、次の目的地が見えてきた。
路地の奥の奥、知らなければたどりつけないような場所に「ARCADE」はある。店主とタカヒロさんは旧知の仲だという。
「しょうちゃん(店主)とは昔からの友達で。宇都宮にいる人はだいたい知り合いになりますからね。今日いるお客さんもみんな知り合いっす」
やっぱり地方のコミュニティは濃密だ。東京とは違い、誰もがなにかしらの共通項を持っていて、距離も近づきやすい。
ここでは上等なコーヒーを飲めるだけでなく、近隣の作家が手がける器や古着、オリジナルのアパレルも販売している。宇都宮のカルチャー好きたちの憩いの場になっていて、ユニークな人たちの出入りも多い。観光の休憩にはうってつけの場所でもある。
宇都宮音楽カルチャーの砦。
「ARCADE」の目と鼻の先にある「Snokey Record」は、宇都宮の音楽カルチャーを30年以上も支えているレコードショップ。兄弟も高校生の頃から出入りし、音楽的影響をバリバリ受けていて、いまだに頻繁に通うお店。
オーナーであるサンスケさんがセレクトしたレコードが店内を埋め尽くし、希少なものも多数。
「11年前に移転してからはライブスペースができたんです。ボクらが出演することもあるし、見に行ったりもします。いまは東京からも大御所DJがやってきたりもするくらい。ほんと、お世話になっているお店ですね」
昔からレコードをディグっては、気になるものは試聴させてもらうことを繰り返している。この日も珍しい1枚を発見!
尾藤イサオって『THE夜もヒッパレ』のイメージしかなかったけど、こんなかっこいい曲も出しているのね。迷わず購入し、次は気になる雑貨屋さんへ!
ビッグな看板犬のいる雑貨店で新プロジェクトの予感。
ビズとゴンズ(ビズ・マーキーとマーク・ゴンザレスが由来)の看板犬2匹が出迎えてくれる雑貨屋さん「4ROOM」。ここは雑貨のほか、ペットグッズも豊富に揃う。
オリジナルで作っているというペットの服がめちゃくちゃかわいい。色とりどりの生地を使い、ふたつとして同じものはない。それでいて破格の安さ。ワンチャンの服を探している人たちには大おすすめしたいお店。
実は上鈴木兄弟は、「BEER」というオリジナルブランドを手がけている。この日、ふたりが着ているのも、自分たちで作ったアイテムだ。上質なボディにポップなプリントで人気を博していて、オンラインのみで販売中(GO OUTオンラインでも販売中)。
そのブランドではアパレル全般を作っているのだけど「ペット用の服はないの?」という問い合わせが結構あったという。
「うちのブランドでペット服作りません?」「ぜひぜひ!」
ということで、ものの数分でコラボレーションが決定! 時期は不明ですがお楽しみに。ワンチャンの背中にBEERの文字なんて、絶対かわいいよね!
花屋の店主であり、雀宮の要人の元へ。
最後にやってきたのは、タカヒロさんが「週3は飲んでいる」という盟友が営む花屋さん。宇都宮駅から南下した雀宮(すずめのみや)という駅近くにある。
花は東京から仕入れていて、センスがめちゃくちゃいい。店のたたずまいも素敵で、あんみつなども販売している。この日は夕方過ぎの訪問だったため残念ながら売り切れで。
店主のタカさんは、この一帯で開催されているイベント「群雀」の主催者でもある。決して人が多い地域ではないのだけど、イベントは1万人近くの来場者があり、県内外からたくさんの人がやってくる。飲食店やショップが多数出店し、兄弟2人がライブをすることもあるという。
開催情報はこちらで確認を。めちゃくちゃおもしろいらしいです。
やっぱり餃子に連れてって!
…餃子が食べたい。せっかく宇都宮まで来たのだから、餃子を食べたい!
「正嗣、行っちゃいます?」
お二人が気を遣って寄ってくれたのは、テイクアウト専門の「正嗣(まさし)」。
「ぼくらは完全に『正嗣』育ちです。家から一番近い餃子屋が『正嗣』だったので。あとね、宇都宮には『宇都宮餃子会』っていうのがあってほとんどの店が加盟しているんだけど、『正嗣』は加盟せずに1匹狼なんです。なんかいいでしょ? あ、でも宇都宮の餃子はどれも全部凄く美味しいですよ!」
そんな背景もあり、「正嗣」の餃子はフードコートでも食べれないし、店舗以外でお土産なども買うことができない。食べるには店に行く以外方法はないのだ。
宇都宮ローカルは、テイクアウトして家で食べるのがベーシックだったりする。兄弟も昔からそうだったし、この日も食べれないまでも冷凍の餃子をテイクアウト。それであれば列に並ぶ必要もないし、ご飯と一緒に食べることもできる!(基本的に『正嗣』の店舗では餃子のみの販売しかなく、ライスなどは提供されない)
無事、餃子を買ったらこの日はお開き。ローカルに案内してもらうスポットは、ガイドブックでは知り得ない情報だらけで、新たな街の魅力をディスカバーできるってもんです。 ではお二人、今日のドライブはどうでした?
タカヒロ:まだまだ紹介したい店があったんですけどね〜。
伯周:焼きそば屋とかね。
タカヒロ:夜の部も案内したいし。あと、いつもぼくが運転するから、新鮮でした。
伯周:兄を横に乗せたのなんて数えるくらいだもんね。ビールも飲んでくれて何よりでした。あとはやっぱりレンタカーだよね。新幹線でくるのもいいけど、たまにはレンタカーで帰ってくるのもいいかも。東京の家からレンタカー屋も近いしね。
タカヒロ:またみんなで遊びにきてくださいよ。とっておきがまだまだあるので。
Photo/Shouta Kikuchi