TENKARA SESSION in Hokkaido The style of SOUTH2 WEST8

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TENKARA SESSION in Hokkaido The style of SOUTH2 WEST8

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「FISH & BIKE」というブランドコンセプトの下、テンカラ至上主義的なアイテムを展開する「SOUTH2 WEST8」。デザインのインスピレーションはテンカラ釣りの実践から得る。そんなモノ作りの姿勢が伺える旭川釣行に同行した。

Photo/Fumiharu Nakajima, Tokuro Aoyagi(image), Shouta Kikuchi(item) Report & Text/GO OUT


 

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テンカラより生まれた「FISH & BIKE」。

北海道、札幌市の「南2条西8丁目」に構えるショップの住所をブランド名の 由来とする「SOUTH2 WEST8」。同ブランドが2015年の春夏シーズンから、自分たちの作りたいモノを見つめ直し、導き出した「FISH & BIKE」というブランドコンセプトがある。

当時そのスタイルへの専念が発表されたときは、突然のことで単純な洋服好きからすると驚きと「どんなアイテムが発売されるのだ?」という期待と不安が混ざり合っていたもの。しかし蓋を開けてみれば今季で早4シーズン目。ブランドのアイテムを見て気がつくのは、ディテールひとつひとつに意味が見つけられる芯の通ったアイテムということ。さらには、のびのびと自由に自らのモノ作りに没頭しているそんな印象さえ感じられる。

そんな生き生きとしたアイテムたちの軸となるのが「テンカラ」。コンセプトである「FISH & BIKE」に至るサウス2 ウエスト8の最重要のパーツとな る、この日本古来の毛バリ釣法を、自分たちのやり方でかっこ良く楽しもう。要 はそういうスタイルこそが「FISH & BIKE」の出発点であり、目指すところ。しかしながら、機能性に重きをおくジャンルのものだけに、このスタイルの 服やアイテムを生み出すには、当然テンカラについて深い理解が必要。洋服屋が趣味でやっているのとは話が違うのだ。

コンセプトを変更してまでも、作りたかった服。そんな実践的で芯の通った洋 服を創り出せるのは、その世界に創り手たちがどっぷりと浸かっているからだ。ということで今回はそんなサウス2 ウエスト8のアイテム作りの根幹となる日米ネペンテスチームによる旭川釣行に同行。強行日程の中で、子どもの様に釣りを楽しみ、そして真剣に自らのプロダクトと向き合うカッコいい大人たちを追いかけた。

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今回の釣行に参加したネペンテスのメンバー。 左からネペンテスクリエイティブディレクター、青柳徳郎氏。SOUTH2 WEST8ストアマネージャー、三浦健人氏。SOUTH2 WEST8ディレクター、永岡 要氏。ネペンテスの創立者、清水慶三氏。エンジニアドガーメンツデザイナー、鈴木大器氏。ネペンテスNYの宮本健太氏。

 

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SOUTH2 WEST8の店舗でも販売されている、2台のファットバイクを積んだ、三菱デリカが今回の釣行のメインカー。 ブランドカラーにカスタムされた、まるで軍用車の様なスタイルの1台は、市街地から未舗装の道まで力強く邁進する。 狭い薮道になってからは、ファットバイクの出番。同様に道を選ばず走行できるため、機動性に関しては無敵の組合せだ。

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釣り竿は桜井釣漁具のブランド「SAKURA」とコラボし たオリジナルモデルのテンカラ竿「金剛」。毛バリやラインなどを適材適所にまとめ首からかけられるランヤードを使ったスタイルを提案。

 

旭川空港に到着するなり、そのまま渓流へ直行。

8月の前半、お盆が直前に控える北海道は各地で祭りやイベントが満載。気候の良さも相まって観光客であふれている。そんな夏の楽しみ方には目もくれないこの釣行は、朝9時半に旭川空港に着いた東京・NY組を北海道在住のサウス2 ウエスト8のディレクター永岡氏と店長三浦氏が迎えるところからスタートする。

「初日はどうしても朝まづめで釣りができないのが惜しいけど、そこは仕方ないね。夕方に向けての準備運動てす」。と言いながら荷物を置きにホテルに立ち寄ることもなく、空港に着くなりすぐさま薮をかいて進む様な野深い渓流スポットへ車2台に分乗して向かう。詳細は控えるにしても、彼らの経験から選ばれた石狩川支流の忠別川や辺別川などのスポットは地元の人も訪れる、かなりコアなスポット。ロケーション的にも広大な北海道の大地と大自然を感じられる、そんな美しい場所ばかりだった。スポットに到着し、車から降りるなりすぐさま荷物を下ろし、着替え始める。軽いミーティングを行うと、思い思いの スポットに散っていく。旭川空港に到着 後わずか1時間程度で最初の釣りが始まった。ここから最低限の昼食時間を挟んで日が暮れるまで釣行が続くのだ。

それぞれの装備に目を向けると、ほとんどは自社のもので揃えられているが、他社ブランドのモノも見受けられる。「まだまだスタイルと機能の両面で製品化に至らないアイテムもあります。他社のものを使うことは、アイテム作り のヒントとなり、フィードバックもできるので積極的に用います。もしそのアイテムが改善点のないくらいに完成度の高いモノなら、そのままショップで取り扱うこともあります」と、永岡氏。ホールセラー、ネペンテスらしい柔軟なスタイルからも、より良いテンカラライフを提案したいという姿勢が伺えた。

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ジャケット、ロッド、ランディングネットは全てSOUTH2 WEST8のオリジナル製品を使用。それぞれのアイテムの互換性や実用性などを、実際の使用を通してチェックしている。基本的に釣ったサカナは全てキャッチ&リリース。食べることを目的とした釣行ではなく、スポーツフィッシングとしてのテンカラを通して、モノ作りへのインスピレーションを得ているのだ。釣り上げる魚はニジマスやヤマメ、アメマスなどが中心。永岡氏が手に持っている長竿はこの春夏から発売となった本流ミャク釣り用の「水郷」。

 

テンカラ釣りを通して気づくことがモノづくりの礎。

初のアタリを引いたのは清水氏。ネペンテス全体を率いる氏はメンバーの中で最も経験が豊富だ。気温が上がりサカナの動きが鈍くなったのを見極めると、ここぞとばかりに昼食を挟み、すぐさま 次のスポットへ向かう。午後はバイクの出番。永岡氏は舗装された道と砂利道を乗り継ぎながら川の対岸へ移動。腰くらいまで水に入り、黙々とキャスティングを繰り返していた。

「釣りは想像力。サカナのいそうなところを狙って投げて、イメージとぴったりハマったときの興奮と言ったら唯一無二だね」とは、テンカラとともにミャク釣り用の長竿も振るう青柳氏。そのままサカナの活性が上がる夕まづめまでニジマスを中心に釣り上げ、初日は終了。 2日目のスタートは朝まづめを狙って、4時スタート。前日に10時間近く釣りをしていたメンバーは疲労感もみせず、次なるポイントへの期待感から高揚した面持ちだったのが印象的だった。その日は朝から気温が高く、日中の釣果は落ち着いたもの。しかし夕方になると40 センチ越えのニジマスや、型の良いヤマメなどを数多く釣り上げていた。そして3日目の最終日、あいにくの雨ながら「雨が降れば気温が下がりアタリが増える」と喜び、時には身の丈をゆうに超える薮の中を突き進み、毛バリを落としてはサカナを誘うことに没頭していた。

ポーズではなく、実践しながら独自のテンカラスタイル「FISH & BIKE」を確立しているサウス2 ウエスト8。市場に媚びずに好きなことをやっていても支持してくれる人がいる。その人たちの期待に応えるモノを作りたい。そんな思いを持っている彼らだからこそ、欠かすことのできないこの旭川釣行。これからも間違いなく期待を裏切らないアイテムを見ることができる。そんな確信を持たせてくれるものだった。


(問)サウス2 ウエスト8 tel:011-280-7577 www.south2west8.com

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GO OUT編集部
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