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老舗ダイナーで、シェイクとハンバーガー。
やっぱり、40代以上はアメリカへの憧憬の念が強い。小林さんも例に漏れず、昔からアメリカに憧れ、通ってきたカルチャーもアメリカだらけ。音楽も、服も、クルマも、食べ物も。
ここは、本牧にあるダイナー「BOOGIE CAFE」。テキサスあたりのロードサイドにありそうな佇まいで、最高にかっこいい! 夜になるとネオンが輝き、一層素敵な雰囲気になる。提供されるメニューも、ザ・アメリカン。小林さんはこの辺に用事があるときは、よくランチで訪れる。
この日注文したのは、チョコレートシェイクにダブルチーズバーガー。店外に見えるクルマを眺めながら頬張っていく。
ほかのメニューも充実していて、ピザもめちゃくちゃおいしいし、ハワイ風に味付けされたチャウメン(焼きそば)はクセになる味。常連さんの中には、チャウメンしか食べない人もいるくらい。
サクッとランチを済ませたら、次はノスタルジックなあの場所へ!
昔懐かしい自動販売機がずらり!
途中、横浜の岸壁沿いも流しながら、そこから1時間弱クルマを走らせる。どんどん、田舎の雰囲気になっていく。
その先に現れたのが「中古タイヤ市場 相模原店」。目的はなにもタイヤではなく、そこに併設されている自販機コーナーだ。
「YouTubeか何かでみたことあって、ずっと来てみたかったんですよ。にしても、人がすごいですね!」
平日の、それも昼過ぎだというのに、近郊からやってきた人のクルマで駐車場はいっぱい。みんなのお目当ては、いまは滅多にお目にかかることのない、レトロな自販機の数々。「こんなの、あったよねー!」なんて声がそこかしこから聞こえてくる。たしかに、めちゃくちゃ懐かしい!
とりあえずコーラを買って(¥100)、ランチを食べたばかりだけど、試しにラーメンでも食べてみよう。お金を入れて1分待てば、熱々のラーメンができあがり。価格は驚きの300円。
「期待はしていなかったですけど、なかなかいけますね。特にスープは、本格的な出汁感もあるし。にしても、レトロですね〜」と小林さんも感慨深げ。
もともとは、タイヤ交換中のお客に暇をさせないよう設置された自販機たち。いまでは自販機目当てにやってくる人が多くなり、相模原の観光名所になっている。ラーメン以外にも、ハンバーガーだったり、サンドイッチがあったりと、ラインナップも豊富。近くを通った際はぜひ立ち寄りを。
旅の終わりは純喫茶で。
最後の終着点は、映像作品のロケ地でも使われることがある純喫茶「カフェ・アンドリュース」。
「都内では見かけることがほとんどなくなりましたけど、地方にはまだまだ残っていますよね。私も家族旅行をしたときなんかに、妻とよく訪れるんです。内装なんかもいまでは考えられないほど豪華だったりして、それを見ているだけでも楽しいいんです」
ここも、古材がふんだんに使われていて、店にある調度品も目を見張るものばかり。壁や床も年季が入っていて味わい深い。コーヒーは、これまためずらしいサイフォンで淹れてくれる。
30年以上の歴史がある「カフェ・アンドリュース」。訪ねたときはちょうど、元気な御婦人や、コーヒーをすすりながら新聞を眺める紳士たちが席を埋める。地元の人たちにも愛されているお店なのだ。なんとも居心地がいい場所だった。
おいしいコーヒーを飲み終えたら、ワンデイドライブもこれにて終了。全工程の所要時間はおよそ7時間。小林さん、本日はいかがでしたか?
「改めて思ったんですけど、都内だと渋滞があったり信号も多くて気持ち良く走れないけど、神奈川に来るだけ本当にストレスない道が多くて、運転のしがいがあるなと感じましたね。そして海に街に工場も、いろんな景色があって飽きないんですよね。予想以上に楽しかったです」
「ルートもよかったから、リアルにドライブコースとして全然ありだなと。デートで使うのにもいい気がしますよね。いろいろと濃いスポットを巡って、最後に純喫茶で一息ついて『さぁ、帰ろうか』なんていいじゃないですか。ただ、さすがにおっさんがひとりで自販機のラーメン食べて、シェイクを飲むのは、寂しかったですけどね(笑)」
そうして分厚い雲を横目に、東名を爆音で走っていく。雷が光りはじめていたから雷鳴も轟いていたんだろうけど、ケンメリのエンジン音でまったく聞こえず。すべてをかき消すケンメリ、恐るべしです。