あの人と、あの愛車で行く、横浜&相模原ツアー【ワンデイドライブ #3】

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あの人と、あの愛車で行く、横浜&相模原ツアー【ワンデイドライブ #3】
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神奈川にあるアメリカン&ノスタルジックを、掘りまくる!

電車なんかと違って、クルマで行く旅は風の吹くまま気の向くまま、どこにだって行ける。相棒が愛してやまない自分のクルマだったら、より楽しい。それと思い立ったらパッと行けて、パッと帰ってこられるくらいが、ドライブにはちょうどいい。 

そんなわけではじまった本連載。今回は「tempra cycle(テンプラサイクル)」のオーナー・小林健太さんと一緒に、神奈川県は横浜周辺へ。ずっと行ってみたかった場所から馴染みの店まで、アメリカンとノスタルジックをキーワードに、ぐるっと周遊!

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小林健太
1973年生まれ、千葉県出身。デザイナーとして活動の傍ら、2008年に「tempra garage」をスタート。2023年9月からは「tempra cycle」を新百合ヶ丘へと移転し営業中。同時に、ブランド「tempra garage」も再始動させる。最近は愛娘とのドライブに夢中。
HP:tempragarage.com
Instagram:@tempra_cycle

50年前に作られた、オレンジ色の超希少車。

小林さんの愛車は、自身と同い年であるという日産の「スカイライン」、通称ケンメリ。製造から50年の月日が経っているのに、いまだにピカピカだ。デフォルトカラーはシルバーなのだけど、鮮やかなオレンジに3代前のオーナーがオールペンしたらしい。

現在、日本で登録されているのは10台未満という超レアカー。それもあって、街で少しでも停車したものなら、クルマ好きたちが続々と声をかけてくる。

「本当に、めちゃくちゃ話しかけられますね(笑)。そしてこのクルマは、小さい頃にプラモデルを作ってたくらい好きだったんです。いつか欲しいと思っていて、いまから5年前くらいにやっと見つかって。当時乗っていたクルマも大好きだったんですけど、いま買わなきゃ買えなくなると思って購入したんです」

ケンメリは小林さんの人生で8台目となるクルマ。これまで乗ってきたのはホンダの「N360」「S600」、日産「ブルーバード」のワゴンなどなど。そのラインナップは、どれも旧車ばかり。

「旧車って操ってる感があるし、走っているときに本当にいい音がするんですよ」

高速道路でエンジンを回せば、車内はキャブレターが空気を吸うブオーンという轟音に包まれて、後部座席の声なんて聞こえない。マニュアルだから手足はいつだって忙しい。不便に思う人もいるかもしれないけれど、旧車好きにとってはそれがたまらないのだ。

「あとね、普通は家族を持ったら便利なクルマに乗り換える人が多いと思うんですけど、うちは娘も妻も、旧車が好きなんです。だから乗れてるっていうのもあるんですよね。あと、ここまでずっと旧車に乗ってきたから、意地みたいなものもあるかもしれない(笑)」

小林さんの愛車は、半世紀も昔のクルマなのに故障はほぼない。5年間乗っていて、レッカー車を呼んだのは一度だけ。丁寧なメンテナンスの賜物なのだけど「電子制御された現代のクルマに対して旧車は作りがシンプルだから、壊れたところは一瞬でわかるんです」という。

それでは早速、街行く人の視線を浴びながら、小林さんの愛車に乗っていざ出発!

10代の頃から通うアメリカンなパーツショップ。

今回のツアーのルート。成城学園駅からスタートし、横浜を経由して、相模原を目指す。

「昨日も娘から『父ちゃん、運転だけは上手いね』って褒められました(笑)」

その言葉通り、クセのある旧車を難なく乗りこなす小林さん。都内の渋滞を抜けたなら高速に乗り、長いストレートになった途端にギアを3速、4速とあげていく。この時点でもう、車内の会話は成立しないほどエンジンは爆音に。「この音を聞くとデトックスされるんですよ!」と車内で声を張り上げる。

そうこうしているうちに、最初のポイントへとピットイン。ここは小林さんが免許を取った10代の頃から通っている、アメリカのオートパーツ屋「ムーンアイズ」。駐車場には、ブリンブリンのアメ車が並ぶ。

MOONEYES Area-1
住所:神奈川県横浜市中区本牧宮原2-10
電話:045-623-5959
mooneyes-area1.com

小林さんの車内も「ムーンアイズ」のグッズで彩られている。ミラーも、フロアマットも、フットペダルも、シフトレバーの持ち手も「ムーンアイズ」のオリジナル。20年以上も前から使っているものも多数。

店内はというと、1階が雑貨やアパレル、2階がオートパーツ売り場になっていて、そのどこを見渡してもアメリカ!

「ムーンアイズ」は1950年の南カリフォルニアで創業し、日本にやってきたのは1986年。1991年から、ここ横浜市本牧で営業をスタート。戦後の本牧地区はアメリカ軍の居住地として存在し、ムーンアイズの店舗が建っている場所はかつて「Area-1」と呼ばれていた。そのため店名が「MOONEYES Area-1」となっているのだとか。そんな背景もあり、いまなお本牧はアメリカの香りが街に漂っている。

ちなみに、直営店はアメリカと同店のみなんだって。

「昔はココナッツ大好きだったな」と小林さんが手にとったのは紙製のエアーフレッシュナー。いまは、いろんなところで見かけるエアーフレッシュナーだけど、紙製のエアーフレッシュナーを日本国内で最初に取り扱ったのは、なにを隠そう「ムーンアイズ」! スタッフいわく、アメリカのクルマの匂いを連想させるのはバブルガムの香りとのこと。

オートパーツは汎用性の高いものが多く、国産、輸入車問わず、いろんな車体にフィットするものが並ぶ。アメリカから渡ってきた珍しいものも多いので要チェック。

この日、小林さんが購入したのは、クルマのアンテナにつけるボールと、アメリカのホームセンター「The Home Depot」のバケツの2点。「普通に買い物しちゃってすんません。いいもの見つかりました!」

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Keisuke_Kimura
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