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ふわふわの天ぷらと絶品のお蕎麦。
田口さんのススメでやってきたのは甲州市にある「そば丸」。昼時は、いつも長蛇の列をなしていて、この日もおよそ30分行列に並び、店内へ。
ここは、そば職人歴30年以上の主人が打った、こだわりの蕎麦をいただける。ちなみに、店外からはそばを打っている様子も眺めることができるので、行列待ちも苦にならない。
「ここ、本当うまいんだよね。3回くらい来たことあるんだけど」と後藤さん。「ここは、そばと天丼ですね。本わさびも頼んだほうがいいです」と田口さんが続ける。
2人が注文したのは、天重とそばのセットに本わさび、そして鳥もつ。鳥もつは山梨のB級グルメで、過去にはB級グルメの大会で日本一にも輝いたことがあるローカルフードだ。
「やっぱ、いつ来てもうまいよ。この辺だったらここが一番だね」
コシがあって香り豊かな蕎麦をすすって、ふわふわの穴子天を頬張ったら、チャージは完了!
古くから知る友人が営む果樹園で、ぶどう狩り!
最後に訪ねたのは、後藤さんと旧知の仲である若尾さんが営む「若尾果樹園・マルサン葡萄酒」。
10月中旬までは、ぶどう狩りの最盛期。果樹園には16種類のぶどうが実り、それを試食して購入することができる。
2人の出会いはおよそ25年前に遡る。お互いがバンドマンとして活動していたときで、タイバンも何度も繰り返した間柄。
そして、後藤さんが果樹園を訪れたのは10年ぶりとのこと。昔話もそこそこに、早速ぶどう狩りへ!
みんな大好きシャインマスカットからスタートして、バイオレットキングやルーベルマスカットなど聞き馴染みのないやつもトライ。全部うまいんだ、これが。
「でもね、やっぱり巨峰が一番かも。オールドスクールってやっぱりいいね」
デラウェアもそうだけど、昔からある品種は、ほどよい酸味と渋さ、甘みが複雑に絡み合って、香りもガツんと来る。ぶどうを食べてる感がすごい。
買う品種の目星をつけて、次に向かうはワインの醸造所。ここでは年間2万5000本のワインが作られている。
「ただね、そのうちの1万本ぐらいが、おじさんたちの家飲み用なんです。近所のおじさんたちが、うちにぶどうを持ってきて、手間賃だけもらってワインで返すんです。ぶどう1キロ持ってきたらワイン1本で返すんだけど、多い人だとぶどう500キロくらい持ってくるので、500本渡さなきゃいけなくて(笑)」と若尾さん。
ワインの味はスタンダードを追求し、手に取りやすい価格のものが多い。毎年、その味を再現していくのだそう。実直なものづくりで、ファンも多いという。
売店へと移動し、もっとも甘みが強かった品種クイーンニーナと、クラシックな巨峰、そして白ワインをお買い上げ。「家で食べるのが楽しみだね」と後藤さんもご満悦。
去り際に「イベントの音響もよろしくね!」と仕事の依頼も忘れない。「UFO CLUB」のイベントは、若尾さんが音響機材を貸し出してくれるのだとか。
クルマは自分を表現するためのもの。
帰り道、自動モードで進む高速道路。「新しいクルマは、こういうところが楽だよね。油断してスピード出過ぎちゃうこともないしね。ブレーキはコンピューター的で優しくないけど」
そしてドライブ中、後藤さんのクルマからはずっと音楽が流れていた。せっかくだからと、バンドマンだった後藤さんにおすすめのドライブソングを聞いてみた。
「気分とか季節とか、時間帯によっても変わるけど、元気がなかったらOperation Ivyとか? 普通のテンションだったらPhishも聞くよね。夜はMedeski Martin & Woodとかのニュースクール。夏はSublimeなんかもいいね」
そうした車内の音楽も、見た目も、走行性能も、後藤さんにとって、クルマは自分を表現するための大切なモノ。手っ取り早く、自分を知ってもらうツールなのだ。
「初めましての人を迎えに行くこととかもあるんだけどさ、スタイルがあるクルマに乗ってたり、それこそ車内で流す音楽もなんだけど、この人はこういう趣味なんだなってわかってもらえるじゃない。そういう意味では、ファッションとかと一緒で、私はこういう人間ですっていうアピールするためのものではあるよね」
「それと、ドレッドだし、いつも自由な格好をしているでしょ?だからこそ、クルマでビシっと決める。ある人にとっての時計や靴と同じように。それが信用を生むこともあると思うんだよね」
そろそろ、山梨ドライブも終わる頃。後藤さん、本日のドライブはどうでした?
「仕事ができたし、楽しかったです。普段の生活を見せたって感じかな。そもそも、こんなドライブ企画で大丈夫でした?(笑)」
Photo/ Takuma Utoo