カブり知らずのユニークギア。こだわりキャンパーの、とっておき。

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山のようなシルエットが美しい、オランダの名門テント。

3人でグループキャンプを楽しんでいたNAEさんのサイトにあった、アーティスティックなシルエットが美しいこちらのテントは「ESVO(エスヴォ)」の「ベドウィン300」。エスヴォは、日本での認知はまだまだだが、今年ちょうど創業100年を迎える老舗ブランドで、職人がハンドメイドで1点1点丁寧に作り上げている。

「なんといってもこの後ろから見たシルエットの良さがお気に入り!コットン製だから重量はあるけど、風にも強くて安心感があります。」

実はエスヴォは、軍服や消防服にも採用されている、国際的ファブリックメーカーのテンケイト社が手がけるブランド。

テントに使用されているコットンは高密度に織られており、一般的なキャンバス素材とは一線を画す高品質さが光る。耐久性の高さはもちろん、コットンながら防水性も高いのも特徴。吸水することで織の隙間が埋まり水を通さない仕組みだ。

正面から見ると「ベドウィン300」の印象はガラリと変わる。ヴィンテージのロッジ型テントを思わせるチャコールグレーのフェイスが目を引く。

フロアは一体型で丈夫なターポリン素材で防水性は抜群。重量はあるが、快適性が高く秋冬の連泊に最適なんだとか。入口は両サイドにロールでき、入口を大きくオープンできる。

窓部分は、4枚のパネルをロールして開閉する作りで、上がメッシュ素材、下がウレタン素材となっている。光を取り入れやすく、温度調節も簡単そうだ。

オランダのテントは、細部まで作り込まれた良質なコットンテントがなぜか多い。オランダのバカンススタイルは、良いテントで連泊するキャンプが定番。そのため、長期の使用に耐えうるハイクオリティなテントを求める需要が高く、それを受けてテントも進化をしていった。

一生もののテントを求めるキャンパーにおすすめしたい逸品だ。

ヴィンテージスタイルを格上げする、ラギッドなランタンスタンド。

ヴィンテージのアイテムとオリジナルのギアで、完成されたシャビーな世界観を作り上げていた、ミヤモトさんのサイトで気になったのは、こちらのランタンスタンド。

一見ヴィンテージ品にも見えるが、こちらは2019年にスタートしたガレージブランド「ラマ」の人気アイテム「ギミック」だ。ラマは、本業である鍛冶屋の技術とノウハウを落とし込んだ、ラギッドなキャンプギア作りが特徴。

「ヴィンテージのランタンとの相性は抜群ですね。コールマンの軍用ランタンと組み合わせるとこんな感じ。こういう世界観が好きなんです。」

アイアン製の本体は、ハンドメイドで鉄を鍛えて作り上げる昔ながらの鍛治製法ならではの無骨さと表情がたまらない。ハンガー部分の優美な曲線と、ブラス製のパーツも相まって、西武開拓時代の空気すら感じさせる。吊り下げ高さと角度の調節も可能。

ちなみに、オプションのクランプパーツを使用すれば、テーブルなどにも取り付け可能。溶接部分にも溶かしたブラスが塗布されていたりと、こだわりを感じる。ヴィンテージランタンの魅力をさらに引き上げる1本だ。

組み合わせの妙により魅力を増した、コールマンのオールドバーナー。

最後は、ツウ好みのヴィンテージギアで洗練されたサイトを組んでいたYUTAさんの愛用ギア。

こちらは、「Coleman(コールマン)」のガソリンツーバーナー「425」の初代モデル。初期型は、1948年に発売されて以降1953年まで製造された、マニア垂涎の逸品だ。現行のガソリンツーバーナーと比べると小ぶりな大きさで、ソロやデュオでのキャンプに使い勝手が良く、積載もしやすいサイズ感。

「この初期型ならではの筒型のタンクに心惹かれて入手しました。後のモデル『425B』以降ではタンクが、もなかのように上下に合わせて溶接して作られているんですが、初期モデルだけは筒型の形状をしているんです。」

YUTAさんならではのセンスと工夫が光っていたのが、このウッド製スタンドとの絶妙なコンビネーション。実はこちら、ニューヨークの老舗カヌーメーカー「エセックスインダストリー」の名品「EIスツール」のシートを外したもの。オットマンとして人気のアイテムをあえて、バーナースタンドとして流用している。

サイズもぴったりな上、グリーンカラーとウッドの合わせが画になる佇まい。ギアの意外な組み合わせでオリジナリティを出す楽しさを教えてくれる好例だ。

個性的な逸品ギアが、サイトのオリジナリティを高める。

スタイルが確立されたキャンパーさんのサイトには、自分好みのサイトに行き着くためのヒントが多く散りばめられていた。広く認められた定番ギアも良いが、他とカブらないような個性的ギアに出会ったときの多幸感はひとしお。皆さんも、ぜひ自分だけの逸品ギアを探す旅に赴いてみましょう。

Report&Text/Yuki Akimoto

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