スノーボードを数ある外遊びとは切り離して考えるひとって、けっこう多い気がします。たしかに、冬のあいだの限られた時期に、雪の降る限られた場所でしか楽しめない。ウエアもギアも特殊なカンジがして、揃えても出番が少ない……。
ところがAlexanderLeeChang(アレキサンダーリーチャン)のプレスを務める一柳さんに言わせてみれば、決してそうでもないようです。
毎日のようにゲレンデに行くこともあるし、仕事前にも平気で行く。キャンプで使うようなウエア&ギアを(なんなら普段着だって)ゲレンデでも使う。たとえばランニングや自転車みたいに、日常的に気軽に楽しむ。
そんな彼のスノーライフの秘訣に迫るため、雪山トリップに同行しました。
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装備は最小限に、普段着の延長で行く。
午前7時、愛車のデリカ D5に必要なギア一式を積み込む一柳さん。この日撮影で滑りに行くとわかっていながら、じつは前日、前々日も白馬へシーズン初滑りに行っていたとか。「滑れる時期が限られているので、タイミングがあれば極力行っておきたくて」と、筋金入りのスノボ好き。
「アパレル業界って、もっとも雪の降る1月、2月が年間でいちばん業務の落ち着く時期なんです。春商材の立ち上がり前で、しかも中国なんかが旧正月に入って工場もストップするので。だから、一緒に滑りにいく業界の仲間も自然と多いですね」
スノーボードをはじめたきっかけも、まさにそうした友人の影響。歴は7、8年と決して長くはないものの、急速にのめり込んで、いまではバックカントリーやトリックなどもこなすほどに。
「ゲレンデでは、スキーヤーもスノーボーダーも、男も女も、上手い下手関わらずみんなでリフトに乗って、一緒に滑るじゃないですか。リフトに乗っているあいだのトーク時間とかも、独特で面白いっすよね。そういうのが、ボクは結構好きなんです」
愛車にデリカを選んだのも、雪山にもスイスイ登れる安心感とパワーが決め手のひとつだったとか。荷台は、車中泊もできるようにカスタム済み。上段はシートを倒すとベッドになる仕様で、その下にもボードやギアをラクラク積めるスペースを確保してあります。
たっぷりモノを積むことができるクルマですが、ゲレンデに行くときの携行品はいたってミニマル。ボードとブーツ以外は、基本的に最初から身につけてゲレンデに向かうそうです。
「というか、ビブパンツのようなちょっと特殊なウエア以外は、ボクにとっては普段着みたいなもんなんです。ゲレンデで使うウエアやギアって、家での収納場所も分けてしまっているひとがほとんどだと思いますが、ウチでは普段着と同じクローゼットに入っている。あくまで、毎日使うものの延長上にあるんです」
一柳さんにとっては、スノーウエアも街着。そこにブーツやボードをプラスするだけだから、変に肩肘張らず軽々と、最小限の装備でゲレンデに向かうことができるってわけです。
さて、この日向かうはノルン水上。都内からクルマで2時間半ほどとアクセスがよく、比較的シンプルなコースを初心者から上級者までが楽しめる、初滑りにも適したゲレンデです。
朝スノボも、朝ランと同じ感覚。
途中のサービスエリアで、小休憩。身軽にゲレンデに向かう一柳さんの数少ない必携品のひとつが、ジェットボイル「Flash Lite」。この日は冷たい風が強く吹いていましたが、数分もしないうちにお湯が沸いて、温かいスープで腹ごしらえします。
「現地の駐車場に着いてからコーヒーを1杯飲んだり、ゲレンデに背負っていくバックパックに入れておいて、休憩のときに使ったりします。レストランもありますが、割高だし、利用することは少ないですね。カップ麺なんかを家から持って行くほうが多いかも」
コーヒーは、通勤前に立ち寄るGood People & Good Coffee(前回の記事で登場)で買った豆を現地で挽いて飲むことも多いとか。高速のサービスエリアやゲレンデの売店でご当地モノのカップ麺やレトルトを買って楽しむのもよさそう! せっかくなら、コダワリの食事で腹ごしらえしたい。
ところで、ノルン水上もしかり、関東近郊のゲレンデには毎日のように足を運ぶ時期もあるという一柳さん。いいコンディションの時期はとくに、たとえ仕事がある日でも、出勤前のちょっとした時間にサクッとと滑りに行くのだとか。
「早ければ7時頃から営業しているゲレンデもありますし、モーニングチケットで割安で楽しめたりもしますから。朝滑ってから1日をはじめると、精神的にもすごく調子がいいですよ。仕事の効率も上がる気がします」
ランニングや自転車をライフワークとして毎日のように楽しむ一柳さんが、真冬の寒い時期に、それらの代わりに打ち込む。それが、ほかでもないスノーボードのようです。そこに特別な分け隔てはなく、だからこそ、ときに毎朝ゲレンデにいくのも彼にとっては当たり前。
キャンプギアはゲレンデでも使う。スノーウエアは街でも着る。
ゲレンデに到着。さっそくコースに出る準備をしますが、ベースは着てきたので、あとはビブパンツとブーツを履いて、アウターを羽織るだけと超スムーズ。スノーボードをはじめた頃から、身に着けるほとんどはBurton(バートン)のアイテムだという一柳さん。なかでもビブパンツはもっとも好きなアイテムだとか。
「耐水ジップとか、脇腹のクロッチガゼットとか、細かな収納だったり、コダワリ強めでいいですよね。細かい仕様も徐々に進化してて、どんどん使いやすくなってるし」
「ステップオンは、今回初めて履きました。履き慣らしてないのでまだ硬いですが、いい意味で、従来のブーツとぜんぜん変わらない履き心地ですね。甲まわりがスッキリしていて、ルックスもいい」
ちなみにステップオンのバインディングには、今季新たなディテールが追加されました。つま先を固定する2箇所のストッパーが、とくにブーツを抜く動作をよりスムーズにおこなえるよう進化。ボードとの一体感もUPしました。*従来のブーツにも対応。
「最近セットアップコーデにはまっていて、なので、ウエアも同色でまとめてみました。個人的にはちょっとゆったり目に着たいので、サイズはMを選んで。Burtonはもともと大きめの作りのアイテムが多いので、そこが好きな理由のひとつです」
また、「ジャケットなんか、普通に街でも着られますからね」と、街着にも無理なく馴染むシルエットやカラーリングなど、そのデザインにも太鼓判を押します。もちろん、キャンプやトレラン、自転車、そして職場でも。Burtonは一柳さんにとって、あらゆるシーンで寄り添う機能ウエアのようです。
日常とゲレンデを、シームレスに行き来する。
スノーウエアもキャンプウエアも、そして街着も、区別なく普段着としてMIXすること。毎朝のランニングとなんら変わらない感覚で、仕事前でもゲレンデに行くこと。一柳さんがスノーボードをごく日常的に楽しむ秘訣の一端は、そんな柔軟な発想と姿勢にありそうです。
たしかにその方が効率的だし、ウエアやギア選びも、きっと断然楽しいはず! スノーボードとのそんなシームレスな付き合い方を、この冬は、ボクら自身も見習いたいものです。
Photo/Dai Yamamoto
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