㊙︎ラボで見た、スノーボード開発の最新事情。【バートン本社に潜入!知られざる10の魅力#9】

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スノーボードの世界において、常にその先頭をひた走るパイオニア的存在BURTON(バートン)。GO OUTは、彼らが本社を構えるアメリカはバーモント州バーリントンを訪問。10のキーワードから、その魅力を紐解きます。

BURTON本社に併設された工場では、日夜、最新の技術をもってプロトタイプの開発が進められています。つまりココでつくられているものこそ、すべてのBURTONボードの源であり、開発の心臓部!今回GO OUTは、そんなスペシャルな現場に立ち会うだけでなく、ある特別な“部屋”にも潜入してきました。

※2019年の新作については、こちら。
・冬の注目プロダクトと、隠されたヒミツ。【バートン本社に潜入!知られざる10の魅力#6】

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ボードの核は、たった一枚の木板だった!

スノーボードがどのように造られているのか、知っていますか?多分、知っているひとはごくわずかでしょう。ボクらGO OUTも同じで、プロトタイプ工場で目撃したあらゆる工程が目新しいものばかりで、終始驚きっぱなしでした!

工場を案内してくれたのは、以前の記事でも登場したトッド・コールマン。BURTONの歴史やモノづくりに誰より詳しいだけに、頼りになります!

まず登場するのは、一枚の木板。

ボードにとって最も重要なこの木板をよく見ると、さまざまな異なる材木が部分ごとに異なる向きで配置されていることがわかります。この配置はボードによって微妙に変えられていて、その違いが、それぞれのボードの性質を決定づけるのです。

もちろん、すべての木板はFSC™認定されたもの。環境にも配慮されています。

たった一枚の木板、されど、一枚のボードにとって最重要な“核”。この木板こそがすべてを左右すると言っても過言ではない。それだけに、こんなに緻密につくられているわけです。

曲げたり、削ったり、製造の様子は迫力満点!

そんな一枚の木板をベースに、いくつかの工程を重ねることでボクらがよく知るボードの形になっていきますが、その過程にも驚きの光景がいくつも!

たとえばボードの乗り味を左右するファイバーグラスの貼り付け作業。ボードに「これでもか!」とべったり糊を塗りたくっていました!

糊の原材料は、もちろん、環境にやさしいもの。開発の現場でも、あらゆるものがサステナビリティと結びついています。

できあがり間際のボードを、ぐいーんと曲げるこんな機械も!こんなに曲げてしまって大丈夫なの⁉︎と心配になるくらいですが……、

もちろんこれには理由があって、ボードをたわませることによって、使いはじめから、まるで長年使ってきたかのような馴染んだ乗り心地を体感できるんだとか。加えて、長年使ってもヘタらなくなる!

そして、火花散るド迫力の場面にも遭遇!

仕上げの研磨作業の様子は、迫力満点!火花飛び散る危険な作業も、熟練の技術者にはお手の物!

リリース前の最新情報が飛び交う工場なだけに、なかには、撮影NGの工程やアイテムも。

GO OUTも情報を得ていなかった、あんなブランドやこんなブランドのコラボアイテムもありましたが、ここには書けない……!

不可能なアイデアを可能にしたのは、あの最新技術だった。

普段なら見ることができないプロトタイプ工場の様子にいたく感動していると、「もっと特別な場所があるんだ!」と案内された部屋。そこで、さらにスペシャルなものを目撃してしまいました……!

迎えてくれたのは、スノーボードをはじめ、あらゆる最新プロダクトの開発の要である“マッドサイエンティスト”ことドイル。

“マッドサイエンティスト”というちょっと恐ろしげな異名を持つ彼ですが、とっても気さくでユーモラスな方でした!

「これをごらん」と示されるがままに巨大な箱型の機械を覗くと、そこには……、

機械のなかで、不思議な形をした何かが形成されている最中。見たこともない形ですが、なんとなく、スノーボードであることがわかります。

そう、箱型の機械は3Dプリンターだったのです!

ドイルの頭のなかにあるさまざまなアイデアを、そっくりそのまま形にしてしまうことができる最新マシン。上の写真でつくられているのもまさに、「クレイジーなアイデアを形にしたものさ」とドイル。

3Dプリンターを使うことで、これまで実現不可能だったプロダクトをつくったり、開発に必要な時間を大幅にカットしたりすることができます。

この部屋にはいくつかの異なる3Dプリンターがあって、それぞれ、バインディング用、ヘルメット用と使い分けられています。
先日発売された最新のバインディングシステム「ステップオン」も、実はこの3D技術の賜物。3D技術により、ボードやギアの開発が、これからとんでもないスピードで進歩していくに違いありません!

業界を牽引するBURTONが、いま世界中を賑わせる最先端技術を結集しないわけがありませんが、まさか、ボードやギアの開発に3D技術が使われているとは思ってもみませんでした!

たった一枚のボード、たった一足のブーツに、超最新の技術が惜しげもなく注ぎ込まれていると思うと、ワクワクしますね!

最重要&最新鋭のボード開発現場に、終始驚きっぱなし!

ちなみに、BURTON本社に併設されたプロトタイプ工場の名は「クレイグス(CRAIG’S)」。スノーボードの開発に大きく寄与した伝説のライダー、クレイグ・ケリーの名前を冠しています。

一枚のボードのすべてを決定づける木板や最新の3Dマシンなど、ここに足を運ばないと知ることができない技術や工程を目撃できたプロトタイプ工場、通称「クレイグス」。何気なく使っているボードの開発の実態は、ボクらの想像をはるか超えるものでした!

実は、そんな工場の様子を見学できるツアーがあるそう!バーリントン付近へのアメリカ旅行をまさに計画中という方は、ぜひ旅程に組み込んでみてはいかがでしょうか?

 

※【バートン本社に潜入!知られざる10の魅力】その他の記事はこちら。
#1 バートンって何だ?
#2 愛犬と働く、自由奔放なオフィス。
#3 個性豊かなスタッフをスナップ!
#4 バートンを創ったオトコの意外な素顔とは?
#5 まるで美術館!バートンの足跡を、オフィスの“壁面”に見る。
#6 冬の注目プロダクトと、隠されたヒミツ。
#7 ニューヨーカーも憧れる、バーリントンの街を調査!
#8 ジェイク・バートンお宅訪問。家の中も、すべてが規格外!

Photo/Takuya Sakamoto


(問)BURTON tel:03-5738-2555 www.burton.com

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Masahiro Kosaka
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