「アウトドアのまち三条」で、ものづくりの伝統が生んだアウトドアブランド10選。

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新潟県のほぼ中央に位置する三条市は、アウトドア好きにとっては“聖地”として知られる場所だ。

スノーピーク、キャプテンスタッグ、ベルモントといった人気アウトドアブランドがこの土地から生まれ、今も拠点にしているのはもちろん、「スノーピークHEADQUARTERSキャンプフィールド」、「CAPTAIN STAG 八木ヶ鼻オートキャンプ場」、「ミズベリング三条」といった人気のキャンプ場や、ラフティング、フィッシング、トレッキングが楽しめる自然環境もあって、外遊び好きにとっては魅力あふれる場所なのだ。

そんな三条市が2023年7月に「アウトドアのまち三条」を宣言。今後さらにアウトドアで盛り上がっていきそうな三条市が、なぜアウトドアメーカーの集積地になり、独創的なプロダクトや職人技光るギアが生まれてくるのか。

その歴史から紐解くとともに、三条市を拠点にするアウトドアブランドの中からGO OUTが注目する10ブランドを紹介する。

Table Of Contents : 目次

三条市のものづくりに根差したアウトドアブランド10選。

アウトドアギアをはじめ、ナイフや包丁など世界中にファンを持つ三条市のものづくり。そのルーツは、江戸時代に農家が副業として始めた和釘作りにある。しばらくして会津方面から新しい製造法が伝わったことで鎌、鋸、包丁などの専業鍛冶が誕生。その後、三条鍛冶の伝統と技術を基盤に、大工道具、園芸用品、キッチンウエア、アウトドアギアなど金属加工を中心とした「ものづくりのまち三条」へと発展していった。

確かな職人技をベースに持ちながらも、その技術を応用して時代の変化とともに作るものを変えてきた企業が多いのも三条市のものづくりの特徴で、この土地から新しいアウトドアブランドが多く生まれた理由のひとつだろう。そんな三条市のものづくりに根差したアウトドアブランド10選とその代表作・注目アイテムを紹介。

1.「Snow Peak」

Snow Peak「ランドネスト M テントタープセット」¥80300

「Snow Peak(スノーピーク)」は、1958年に創業者の山井幸雄が立ち上げた金物問屋がルーツ。登山家でもあった彼が「本当に欲しいものを自分でつくる」という志のもとオリジナルの登山用品を開発したことからスタートして、息子である現社長の山井太の入社をきっかけにキャンプギアの製造を開始。いまや日本を代表する総合アウトドアブランドにまで成長した。三条市の本社に併設された広大なキャンプ場「スノーピークHEADQUARTERSキャンプフィールド」でキャンプすることが、スノーピークファンの憧れにもなっている。

そんなスノーピークが設営のしやすさにこだわって作った3〜4人用のエントリーテントが「ランドネストドームM」。前後の区別のないフライシートとシンプルなフレーム構造が特徴で、山岳テントによく見られる逆Y字型のメインフレームは自立式なので、スムーズに設営が可能。同じカラーリングのヘキサ型タープがセットになっているのもビギナーには嬉しい。

2.「CAPTAIN STAG」

CAPTAIN STAG「ビバレースクリーンツールームロッジ540UV」¥79800

アウトドアに関連するアイテムで取り扱いがないものを探す方が大変なほどのアイテム数を誇る総合アウトドアブランド「CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)」。世界的に見てもまれなほどの品数の幅広さだが、そのスタートは1976年に発売した「ジャンボバーベキューコンロA型」。日本にバーベキューコンロはもちろんバーベキュー用の網すらなかった時代に、アメリカの公園で大型グリルでバーベキューを楽しむ家族を見て大きな衝撃を受け、地元の三条で日本の需要に合わせたアイデアを盛り込んだバーベキューコンロを開発・製造したのが始まりだ。

そんなキャプテンスタッグの注目アイテムが、広々とした寝室とリビングエリアを持つ大型のロッジ型テント「ビバレースクリーンツールームロッジ540UV」。

もともと1990年代にリリースして一時代を築いたテントを30年の時を経て大幅アップデート。クラシカルなロッジ型のスタイルはそのままに最新のテクノロジーを導入することで、快適なテントに仕上げている。

3.「belmont」

(左)「コッパーシェラカップREST深型600」¥7480/(右)「コッパーミニフライパン13」¥6270

山をこよなく愛する創業者が燕三条地域の優れた金属加工技術で使いやすく丈夫な登山用品を作りたいという思いから1999年に立ち上げたアウトドアブランドが「belmont(ベルモント)」。チタン製クッカーやシェラカップ、軽量な焚き火台など、アウトドアギアの約9割は地元の提携工場で製造されている。

特にその技術力が際立つチタン製ギアが人気を集めるベルモントだが、最近リリースされた「コッパーシリーズ」も見逃せない。熱伝導に優れた銅はプロの調理人が愛用する調理器具としてもお馴染みで、アウトドアギアとしては使い込むほどに深みのある飴色へと変っていく経年変化も魅力だ。

ベルモントの銅製ミニフライパンは、直火OKで火の通りにムラが出ず、食材に均等に熱が行き届くので美味しい料理に仕上げてくれる。シェラカップは真鍮製ハンドルとの組み合わせがクラシックな雰囲気で、ハンドルにはカトラリーを固定できるオリジナルREST機能も付いている。

4.「TEPPA」

TEPPA「薪割鉈 守門」¥13750

MSRなど海外の人気アウトドアブランドの日本代理店をつとめるモチヅキも三条を拠点にしている。トップクライマーだった創業者が鍛冶職人とともにクライミングギアのハーケンを共同開発したことに起源を持つ会社だ。そんなモチヅキが立ち上げたアウトドアギアブランドが「TEPPA(テッパ)」。ブランド名の“てっぱ”は、新潟県の県央部の職人言葉で“手仕事”の意味で、金属加工や木工など地場産業の技を結集しつつ手仕事をベースに開発・製造をするブランドだ。

テッパの「薪割鉈 守門」は、三条市・魚沼市・長岡市にまたがる名峰「守門岳(すもんだけ)」から名前を取った両刃の薪割り用鉈。すべての作業が三条市の職人の手で行われているので、修理をしながら長く愛用できるのが魅力だ。

5.「山人」

YAMABITO(一番左)「槌目箸付両刃鉈 鋼付」¥13750

「山人(やまびと)」は、三条市に拠点を構える金物メーカー「ワクイ」によるアウトドアブランド。切れ味だけでなく握りやすさなど機能性も含めて細部にこだわった無骨なデザインの鉈やナイフなど、三条製の高品質なオリジナル製品を展開している。

「槌目箸付両刃鉈 鋼付」をはじめとした山人の刃物は、手に持ったときの握りやすさや安定感、手の形状に沿ったくぼみがあって滑りにくいデザインなど、持ちやすさにこだわったプロ仕様のグリップになっているのが特長。妥協なき職人の丹念な手仕事によって仕上げられていて、鉈のブレード表面に打ち込まれた槌目模様が、手仕事の味わい深さを感じさせてくれる。

6.「KAKUREGA」

KAKUREGA「折りたたみ薪割りスタンド KOBIKI」¥24750

「KAKUREGA(カクレガ)」は、大工道具などを手掛ける角利産業(KAKURI)によるアウトドアブランド。本職の大工の厳しい目にかなう精度の高い道具作りを支えてきた三条エリアのクラフトマンシップを活かした、高品質で使いやすい野遊び道具を提案。大工道具の鉋(かんな)をアレンジして、木を薄く削り出して簡単に焚き付けが作れる「火口鉋(ほくちかんな)」などユニークなアイテムをリリースしている。

「折りたたみ薪割りスタンド KOBIKI」は、ハンマーで叩くだけで簡単に薪を割る事ができる薪割り器。ワンタッチで折りたたみ・展開ができ、収納時の厚みは約87mmというスリム収納が特長だ。専用刃には刃物鋼を使用していて、三条市で製造されている。

7.「BABACHO」

BABACHO「多喜火鉈 Flake」¥8800

「BABACHO(ババチョー)」は、三条の老舗金物卸問屋「馬場長金物」が立ち上げたオリジナルブランド。キャンプ好きの社長が「キャンプの薪割りに合うナタがない」と思い立ち、焚き火に特化した鉈「多喜火鉈(たきびなた)」を作ったところ、瞬く間に人気ギアの仲間入りを果たした。

多喜火鉈シリーズの「多喜火鉈 Flake(フレーク)」は、フェザースティックが簡単に作れるように開発されたミニサイズの鉈。ポイントはフルタング仕様で刃先が短い(刃渡り57mm)こと。刃先を短くすることで腕の力を刃先に確実に伝えることができ、コントロールもしやすいのでフェザースティックを簡単に作ることができる。ミニサイズだからと言って、一切の妥協はなく、三条製の名に恥じない、職人が確実に仕上げて切れ味は本物。

8. 「Muthos Homura」

Muthos Homura「Bushcraft Knife Prominence MH-001」¥38500

60年以上に渡って工具製造を手掛ける小林工具製作所によるオリジナルブランド「Muthos Homura(ミュートス・ホムラ)」。“いつまでも眺めていられる機能美”を目指して、優れた工業製品のみが持つ機能美にこだわったナイフ、包丁、ノコギリ、チタン製シェラカップなどがラインナップしている。

「Prominence(プロミネンス) MH-001」は、焚き火作業に特化して刃形状にこだわった結果、左右非対称の刃形状に行きついたというユニークなブッシュクラフトナイフ。片側はバトニングで薪を割りやすい緩やかなカーブを帯びた「蛤刃」、反対側はフェザリングが薄く細かく作りやすい「直刃」で、2つの作業を1本のナイフで快適に行える。

ハンドルは高級木材のローズウッド、シースはこだわりの栃木レザー、ナイフ本体の内箱は桐箱を採用するなど全てにこだわった究極の一本になっている。

9.「スリーピークス技研」

「ハンマープライヤー HMP-250」¥14300

1952年創業のスリーピークス技研は、ペンチ、ニッパといった切断工具を専門に製造する老舗工具メーカー。つかんだり挟んだりするイメージが強いペンチだが、スリーピークス技研は「ペンチは刃物である」をコンセプトに、ペンチの切れ味にこだわって専門の職人が1丁1丁手作業で刃を研ぎ、仕上げているのが特長だ。

そんなスリーピークス技研が初めて手掛けたアウトドアギアが、ハンマーとプライヤーを融合させたユニークなギア、その名も「ハンマープライヤー」。ペグハンマーとしては銅製ヘッドで優しい打ち心地。プライヤーとしては、ペグを挟んで抜いたり、鉄板やダッチオーブンのフタといった熱い物をつかんだり、薪をつかんで焚き火にくべたり。サイトの設営から撤去までの間、常にそばに置いておきたいアイテムになっている。

10.「Kanenori」

Kanenori「フルタング両刃鉈 ハシツキスタイル」¥17600

三条市で1943年に創業し、刈込鋏や剪定鋏など園芸用の刃物を製造する五十嵐刃物工業。火打鍛造という日本独特の伝統工法に近代的な工程をプラスして、職人のために職人が作る本物の道具を作っている五十嵐刃物によるオリジナルブランドが「Kanenori(カネノリ)」だ。

カネノリの「フルタング両刃鉈 ハシツキスタイル」は、刃の先端部に突起(ハシ)が付いた箸付鉈(はしつきなた)。刃厚は6mmでずっしりとした重量感があって、丈夫なフルタング構造で両刃なのでバトニングに向いている。また、ロープを切ったりフェザースティックを作ったりといった細かい作業もしやすいのが特長だ。ハンドルには世界三大銘木の一つで、木目が美しく耐衝撃性に優れたウォールナットを使用していて、使いこむほどに味が出る。

これからも「アウトドアのまち三条」から目が離せない。

ボクらの外遊びに欠かせないギアを生み出す職人技が息づくだけでなく、自然環境にも恵まれた「アウトドアのまち三条」。

そんな三条市を拠点とする10のブランドを紹介してきたが、日本のキャンプシーンを作ってきた総合アウトドアブランドから、職人の技術を活かしたこだわりのギアブランドまで、これだけのアウトドアブランドが集まっていることに驚いたのでは? これからも三条の職人技からどんな独創的なプロダクトやこだわりのギアが生まれてくるのか楽しみだ。


三条市ブランドサイト https://slow-and-steady-shitada.jp/

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Shinya Miura
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