そのテント、どうですか? 個性派テントオーナーに直撃!inふもとっぱら

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行動制限が解除されたこともあり、コロナ前に戻ったかのような賑わいを見せていた「GO OUT JAMBOREE 2023(以下、GOJ)」。ふもとっぱらには、来場者たちの個性やスタイルを反映した、さまざまなテントサイトがひしめき合っていた。

Photo/Fumihiko Ikemoto

そんな無数のテントが埋め尽くすGOJで特に存在感を放っていたテントを取材。こだわり派のオーナーたちに魅力を聞いた。

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3人用で952g! カーボンポール採用の超軽量テント。

ビッグアグネス タイガーウォール3 カーボン

最初に見つけたのは、スケスケの生地でいかにも軽そうな小型のテント。こちらは、アメリカ発ブランド「ビッグアグネス」のタイガーウォールの3人用サイズ。

このテントには、さまざまなグレードが存在するが、こちらはその中でも上位の超軽量モデル。フライシートにダイニーマ(DCF)、イーストン社製のカーボンポールを使用した、贅沢な仕様となっている。その重さは3人用ながら、わずか952g。

オーナー/bacamp777さん
キャンプを始めて以来、趣向の合う仲間たちとの団らんや、道具を揃える楽しさに魅入られ、休みとあればカメラを片手にフィールドに足を運んでいる。今回タイガーウォールは寝室として使用。

「南国の島や海外へ、トランクひとつでキャンプに行きたい!と思って、軽量・コンパクトなテントを探していて行き着いたのがコレです。昨年末にアメリカのアウトドアショップ、〈REI COOP〉のサイトで見つけ、デザインとスペックに惹かれて、個人輸入しました。」

「軽さや設営のしやすさはもちろんですが、フライシート越しにイエローのインナーテントが透けて見える感じが一番のお気に入りポイントです。」

「3人用ですがソロで広々使うのが自分好み。インナーが明るい色なので、見た目以上に空間が広く感じる点もいいですね。」

細部のディテールにも惚れ惚れする、アイコニックな名作。

ザ・ノース・フェイス 2メータードーム

続いて目に飛び込んできたのは存在感抜群のこちら。ザ・ノース・フェイスを代表するビッグサイズテントの2メータードームだ。その名の通り、約2mの高さと、半径約2mのフロアサイズを持ち、南極などの極地で活動するプロたちによる使用を想定して設計されている。12本の高品質なポールが織りなす「ジオデシック構造」が美しく、ファンの多いテントだ。

オーナー/a5tommyさん
初期のGOJからの常連で、この日も仲間とお揃いのテントを張り、オトナの休日を謳歌していた。キャンプギアへの造詣も深く、遠方のイベントやキャンプ場にも足を運ぶなど、軽いフットワークでキャンプカルチャーを楽しんでいる。

「作りの良さや、特徴的なイエローカラーが好きで、ドーム8やバスティオンなど、ザ・ノース・フェイスのテントを集めてきました。中でもこの2メータードームは特に気に入っています。ずっと欲しくて、昨年にやっと手にできた念願の1幕。僕らにとって、ザ・ノース・フェイスのテントは憧れの存在だったんですよね。」

「身長高めな私でも快適に過ごせる天井高と、フロアを外して使えるところもいいです。こういう大型のドームって、局地でのベースキャンプを想定して作られていることがほとんどなので、フロアが一体型のものが多いんです。テントの中でも自然を感じれるのと、土足で過ごせるのが嬉しいですね。」

「大きなテントですが、ポールスリーブが少なく建てやすい点もいいですね。あと他のドームにはない、この勝手口。靴を履いたまま出入りできるので、重宝してます。特に雨の日は靴で、テントの入り口が汚れがちなので、便利ですね。」

「細かい部分ですが、側面部分を一周したポールに、ブランドロゴと説明書きがプリントされているのですが、こういうディテールになんか心惹かれるんですよね。もの作りへのプライドの高さを感じるのかもしれません。」

アクティブな旅にも適した、美シルエットの快適空間。

プリテント メガ

会場を歩いていると、富士山のような変わった形のテントを発見。こちらは感度の高いキャンパーたちを中心に人気を博している韓国のテントメーカー「Pre Tents(プリテント)」のもの。同ブランドを象徴する、淡いブルーグレーが見た目からも軽さを感じさせる。

オーナー/けっそんさん
休日はカスタムしたマイ自転車で、友人たちとツーリングキャンプに出かけるなど、充実したアウトドアライフを過ごしている。GOJ当日はパートナーと共に友人たちとグループキャンプを楽しみつつアーティストのライブを満喫していた。

「自転車旅にも使える軽量コンパクトさと、設営のしやすさ、2人で快適に使える広さを求めて、このテントに決めました。このなんともいえない絶妙なカラーとシルエットの綺麗さが気に入っています!」

「ポールや付属品含めておよそ1.7kgと軽量なのに最大4人入れる広さがいいですね。大人2人だとかなりゆったり過ごせます。トレッキングポールを使って建てられるので、登山キャンプでも活躍。色んなアクティビティにハマる点も多趣味な自分に刺さりましたね。」

「この先端部分のシルエットも特徴的。他のテントではあまり見ないですよね。短いポールで天井を押し広げているので、オーソドックスなワンポールテントに比べて室内空間が広くなっています。」

「さりげなく、入口のパネル部分にあるマグネットのディテールも気が利いてますよね。テントの開け閉めも楽ですし、暑くて寝苦しい夜はジッパーを開けてマグネットだけで留めて風通しをよくしたりしてます。」

ルーフトップテントとカーサイドシェルターの2階建て仕様に。

アイキャンパー スカイキャンプ3.0 アネックスプラス

会場には、ルーフトップテントやカーサイドテントなど、クルマと組み合わせて使うタイプのテントもちらほら見られた。

中でも目を惹いたのがこの「アイキャンパー」のルーフトップテント。アイキャンパーは、クルマ用のルーフトップテントを中心に展開する韓国発のテントメーカー。こちらのオーナーが使っていたのは、同ブランドのフラグシップ的テント、スカイキャンプ3.0に大きなカーサイドシェルターがセットになった、日本未発売の最新モデルだ。

オーナー/Tsune©️さん
普段は子どもを連れてファミリーキャンプを楽しむ。愛車のデリカはタイヤを1.2インチアップ、サスペンションの硬さにも、大のクルマ好き。

「このテントを購入したのは約1年前。妻のお義父さんがキャンピングカー好きだったので、親子3代でキャンプに行きたいなと思ったことがきっかけです。愛車の新型デリカに合うデザインのものをネットでずっと探していました。コレなら閉じていても開いていても似合いそうだなと。」

「ラダーで中に入るタイプのルーフテントは、雨が降ると出入りが不便になりがちですが、ルーフテントの入り口を覆う形で専用のカーサイドシェルターが接続されているので、雨に濡れることなく安心して使えます。シェルター部分は大きなメッシュパネルとスカート付きで、虫の侵入も防げます。」

「ルーフテントだけでもファミリー4人寝られる広さがあります。この秘密基地感は子供はもちろん、僕ら大人もワクワクしますね。」

「ルーフテントからの見下ろすカーサイドシェルターの景色もいいですよね! テントなのに家のロフトのようですよね。2階建てチックな空間は、このテントならではだと思います。シェルターとテントの空間が繋がっているので、下の温かさが上まで届きテント内もポカポカ。子どももすぐに寝てくれます。」

「ルーフテントはシェル部分に『ロッキーブラック』という、チッピング塗装がされているモデルで、クルマのフロントグリルとバンパーも同じ色と質感に合わせました。クルマとテントの一体感が気に入っています。」

4シーズン活躍する、ノスタルジックなファミリーリビング。

ファウデ バダヴィ2

最後に紹介するのは、遠目からでも独特なカラーが目に飛び込んできたこちらのテント。ドイツの老舗テントメーカー「ファウデ」の大型テントで、ワンポールテントの構造を基本にアーチ状のポールを4本組み合わせ、居住性を高めた同ブランドのアイコン的な1幕だ。真上から見ると十字型の形状をしている。

「このテントを入手したのは、4〜5年前。ファミリーで使えるテントを探していたところ、たまたまeBayで格安で売られていたコレを発見。なかなか見かけないカラーとデザインに一目惚れしました。」

オーナー/ジャンボさん
キャンプ歴15年。ヴィンテージものや現行もの、カラフルなアイテムを織り交ぜたキャンプスタイルが好み。スタイルを貫きながらも、ファミリーキャンプでの利便性も確保していて、キャンプ経験の豊富さが伺えた。

「このテントの良さは、デザインやカラーだけでなく、オールシーズン家族で快適に過ごせるところ。入り口も2つあるので、オープンすると風通しよくできるし、インナーテントを取り付ければ、秋冬もいけます。変わった形状ですが、ファニチャーも配置しやすくて使い勝手がいいですね。」

「お気に入りポイントは、ベトナムの傘帽子、ノンラーみたいなこのとんがり部分。現行モデルには無いディテールです。生地の遮光性も高くて、日差しの強い日も重宝してます。」

バダヴィ2をリビングとして使うときは、寝室用のテントを別張りしてます。シェルターの色に合わせて、このマウンテンハードウェアのスカイビュー を1.5選びました。こういう懐かしい感じのカラーにどうしても惹かれるんですよね。」

“好き”を煮詰めた結果、出会えるテントがある。

今回、サイズや形状、使い方など、それぞれタイプの違うテント5張りをご紹介したが、オーナーがキャンプを重ね、自分のこだわりを大事にし続けた結果が、全てのテントによく表れていた。

ぜひ、今回紹介したオーナーたちのように、ジブンの好きを煮詰めたような運命の一張りと出会ってみたいものだ。

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