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FR-SCD / FIELD RECORD
登山やハイキング寄りのアウトドアブランドの出展が多めな本イベントでは、軽量さを重視したUL派垂涎のアイテムが多く見られた。その中でも注目は、2018年にスタートした国内ブランド、「FIELD RECORD(フィールドレコード)」の新作のソロ用シングルウォールテント「FR-SCD」。
ウルトラライトのアイコン的素材、ダイニーマことDCF(ダイニーマ®コンポジットファブリック)を使用した、シングルウォール構造テントで、特徴はなんといってもその軽量さ。フレームを含めた重量がわずか470gで、世界最軽量クラスとなっている。
ダイニーマ素材は、同重量で鉄の15倍の強度、ナイロンより30%軽量、100%の防水性を誇るが、その強靭さから縫製が難しい。そのため、この素材で独自構造のテントを展開できるメーカーはひと握りだ。
そんななか、こちらのテントは米Avient Protective Materials社から正式な許諾を得た素材メーカーお墨付きのプロダクト。テントに配されたダイニーマのロゴはその証だ。
さらに、本体の素材はもちろん、ポールについても耐久性を考慮した設計となっており、品質に定評のある米EASTON社のカーボンポールを採用している。2本のポールをクロスさせた美しいジオメトリーも特徴。設営もしやすく、耐風性に優れる。
このテントのようにインナーテントを持たないシングルウォールテントでは、弱点である結露のしやすさが気になるが、「FR-SCD」の場合は、幕内に気流を生むよう効率良く配置された4箇所のベンチレーションにより、結露の軽減を実現している。
テントの他にも、デザインと軽量さ、耐久性の最適解を追求した独自設計のギアを展開していた、フィールドレコード。UL派は特に目の離せないブランドだ。
【商品詳細】
税込価格 : ¥149600
重量:470g(付属品込)
設営時サイズ:258cm x 108cm x 95cm
(問)FIELD RECORD www.fieldrecord.jp
デュオス 2P / Bonfus
イベントには、昨年末にイタリアから上陸し、今春から日本でも本格的に展開を始めた注目のテントメーカー「Bonfus(ボンフフェス)」も初出展。軽量さやユーザー本意の作りが魅力的なバックパックなど、ハイカー達の注目を集めていた。
ボンフェスは、元冒険家の兄弟、Niccolò Bonfadini氏とStefania Bonfadini氏が「自分の欲しい道具を作ること」を指針に、2019年に立ち上げた新進のブランド。ブランド名の「Bonfus」は、2人の苗字と、「最善」を意味するラテン語「Bonus」が由来。Stefania氏が生産管理を務めるメキシコの工場で、ウルトラライトなプロダクトを生み出している。
会場に展示されていたのは、ダイニーマ素材を使用した、2人用ツーポールテント「デュオス 2P」。2本のトレッキングポールを使って設営でき、ポール抜きの重量は2人用にもかかわらず、わずか675gと超軽量だ。
軽量だが、115 × 280 × 130cmと十分な広さがあり、荷物をゆったり置ける前室を備えるなど、居住性の高さも十分だ。左右対称で、どちらからでも出入りできる動線となっている。
ダイニーマ素材による堅牢さと防水性にくわえて、16ものガイラインポイントを備え耐風性を高めるなど、耐久性も申し分なし。さらにジッパーにはポリウレタンコーティングがされたフラップで覆われており、雪や氷による氷結でジッパーの開閉の妨げを防げられるなど細部にもこだわり。
メキシコの工場ときくと意外かもしれないが、 UL派の人気ブランド、HYPERLITE MOUNTAIN GEARなど、生産拠点をメキシコに置いているブランドも少なくない。その理由は、高い縫製技術を持った職人たちが多くいることだ。
この「デュオス 2P」もそんな腕利の職人たちの技を感じさせる逸品。加工の難しいダイニーマ素材を確かな縫製で仕上げており、シームの処理も美しい。
ボンファスのプロダクトのタグには、それを作った職人の名前が記されている。こういった、細かな箇所にも物作りへのプライドが息づく。
【商品詳細】
税込価格 : 未定
重量:675g(付属品、ポール抜き)
設営時サイズ:115 × 280 × 130cm
(問)Riml Outdoor Japan rimlcamp.com/pages/about-bonfus
いずれのテントも、最新の素材使いやユニークな構造、尖ったコンセプトなど、興味深い特徴を備えていた。これらのテントは「Off the Grid 2023」の会場でも、多くの人だかりを作っていたので、フィールドで見かけることも多くなりそうな予感だ。
気になるテントがあった方は、ぜひブランドのホームページやSNSで、発売情報やより詳しいディテールをチェック!
Photo/Taizo Shukuri