好きなギアに囲まれて、焚き火を愛で、グラスを傾けてゆっくりと時間が過ぎていく。誰にも邪魔されず自分だけの時間を過ごせるのが魅力のソロキャンプは、ギア選びも十人十色。キャンプの達人たちがどんなギアに囲まれてソロキャンプを楽しんでいるのか、こだわりアイテムを拝見する連続企画。
今回愛用ギアを教えてくれるのは、アウトドア雑誌を中心にフォトグラファーとして活躍するかたわら、日本全国から絶景が楽しめるキャンプ場を厳選した、写真集のようなガイド『絶景CAMP GUIDE』も出版している猪俣慎吾さん。
仕事とプライベートを合わせると年間100日以上をキャンプ場で過ごしている猪俣さんは、冬の撮影ソロキャンプでいったいどんなギアを使っているのか? 愛用のアイテム5つをご紹介。
Table Of Contents : 目次
1. Petromax「LOKI2」。
冬キャンプ、それも雪中キャンプが特に好きだという猪俣さん。そんな猪俣さんの冬キャンプに欠かせないのが薪ストーブだ。なんと5台も所有しているそうで、その中でも最近お気に入りの薪ストーブがペトロマックスの「LOKI2(ロキ2)」。
「特に気に入っているのは、背面から引き出しのように取り出せる灰受けトレイ。ストーブ内の灰の処理が簡単にできるのが嬉しいですね」。
2. TAKIBISM「BREATH TO FIRE」。
2つ目のギアは、香川の鉄職人が丁寧に作り上げるTAKIBISM(タキビズム)の「BREATH TO FIRE(ブレス トゥ ファイヤー)」。火を起こす際や火力を上げる時に使う「火吹き棒」と、火床の薪の位置を調整するのに使う「火掻き棒」の2WAY仕様になっている。
「火掻き棒が簡易的な灰かきとしても使えるので、薪ストーブのおともとして重宝しています」。
3. HELSPORT「Varanger Dome 4-6」
愛用のテントは、ノルウェー発のアウトドアブランドHELSPORT(ヘルスポート)の大型ドームテント「Varanger Dome 4-6(バランゲルドーム4-6)」。4~6人用の広さがありながらも重さはわずか6.5kgと軽量。
生地は難燃性・耐水性のあるナイロンで、薪ストーブのインストールに対応した煙突穴があらかじめ天井についているので、薪ストーブとの相性も◎。
「このバランゲルドームは、オホーツク海沿いの斜里町でキャンプした時にもびくともしませんでした。薪ストーブを安全に使うには、風に強いテントが欠かせません」。
4. 「ワイルドターキー 8年」。
お酒の撮影も多く手掛ける猪俣さんは、作られた土地のストーリーが詰まったお酒が好きで、特にウイスキーがお気に入り。その中でも冬キャンプで飲みたいとセレクトしたのが、ケンタッキー州の豊かな自然が育んだワイルドターキー 8年だ。
アメリカ・ケンタッキー州の豊かな自然に育まれるワイルドターキーのラインナップの中でも、ブランド誕生から今まで変わらずつくられつづけているフラッグシップ銘柄で、アルコール度数は50.5%(101プルーフ)。8年熟成しているので、高いアルコール度数にもかかわらず、想像以上に繊細な味わいが楽しめる。
「ワイルドターキー 8年の甘い香りはリラックスしたい時にぴったり。お湯で割ってホットウイスキーにすると香りが立って、湯気とともにフワッと香るのがたまりません」。
そして、体の芯から冷えるような冬キャンプでのお気に入りの飲み方が、ワイルドターキー 8年をホットミルクで割って砂糖やはちみつを加えたカクテル「ホットカウボーイ」だ。
「ミルクとバーボンの相性がバツグンでとても飲みやすいし、体がぽかぽか温まるので冬キャンプにはぴったりですね」。
5.PETZL「REACTIK+」。
5つ目のギアは、PETZL(ペツル)のLEDライト「REACTIK+(リアクティックプラス)」。星空を撮影することが多い猪俣さんにとっては、赤色光モードを搭載した「リアクティックプラス」が欠かせないアイテムだ。
星空を見る時は、目を30分ほど暗闇に慣らすことで小さな光の星まで見えるようになる。普通のLEDライトだと、せっかく時間かけて暗さに慣れた目がライトの眩しさでリセットされてしまうが、赤色のライトだと暗闇に慣れた目を刺激しにくいという。
危険を伴う冒険だからこそギア選びは慎重にしている。
冬キャンプ、とくに雪中キャンプで味わえる冒険感がたまらなく好きだという猪俣さん。冒険には危険がつきもので、それを避けるためのギア選びには余念がない。特に薪ストーブをテント内にインストールして使うための安全対策は慎重に行っていることが伺えた。過酷な冬キャンプだからこそギア選びが大切で、そんなギア選びも含めた“冒険感”が猪俣さんの少年心をくすぐっているようだ。
ちなみに猪俣さんが絶景キャンプ場で星空を撮影する冬キャンプを追った記事はこちらで公開中。
- Photo/Dai Yamamoto