外遊び好きに人気の「ランクル80」実際どうなの? オーナーさんに聞いてみた。

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世界的な人気カテゴリーであるRVのなかで、日本を代表するモデルといえばトヨタランドクルーザー。特に1989年に登場した“ランクル80”は先代より大幅に性能が向上し、今も外遊び人憧れのクルマとなっています。

ランクル80

とはいえ、’97年に次世代機へのバトンタッチを果たし販売終了。現在は基本的に中古でしか入手できなくなっています。少なくとも20年以上前のクルマですが問題はないのでしょうか? そこでランクル80のオーナーである、アウトドアセレクトショップTsugikiの木原彰夫さんに本音を伺いました。

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木原彰夫さん

東京の重要指定文化財、根津神社の参道入り口にある築100年の古民家を改装したセレクトショップTsugiki(ツギキ)を運営。アウトドアギアや故郷富山の伝統工芸品、オリジナルブランドUUU.などを軸に展開している。

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ランクル80の概要。

ランドクルーザーは、トヨタが1951年から製造・販売しているクロスカントリーSUV。世界的にも高い人気を誇る日本を代表する車種です。中でも80はシリーズ7代目、先代60と比較すると、一回り大きく、内外装や装備もアップデートされ、高級SUVとしての立場を確立したモデル。性能はもちろん、そのルックスも含めて、現在でも非常に人気の車種です。

メーカー:トヨタ
販売時期:1989年10月〜1996年8月
排気量:3955cc〜4476cc
ミッション:MT、AT
駆動方式:4WD

外遊び仕様にカスタムされた、木原さんの’94年式ランクル80。

ボディは特注カラーにリペイント。

ランドクルーザー80

木原さん所有のランドクルーザー80は’94年式。シトロエンの2CVに使われていたブルーストラトスをモチーフにオーダーした、こだわりのカラーが目を惹きます。加えてルーフは白に。オリジナルにはないツートーン仕上げもなかなかのインパクトです。

ランドクルーザー80

「前モデルのランクル60にあったツートーンを80で再現しました。フロントからリアウインドウまで入るホワイトは、キャノピー付きのピックアップトラックをイメージしています。もう、遊び心しかないカラーリングです(笑)」。

中東仕様のライト、角目四灯にカスタム。

ランドクルーザー80

フロントは通常だと横長一枚のヘッドライトを、角目四灯に変更。しかも中東への輸出用モデルに配される、小糸製作所のガラス製。

「古いクルマって樹脂パーツが黄ばんでしまいケアが必要になりますが、ガラスならキレイさが長持ちするんですよ」。

「そして、通称1ナンバー=商用車で登録を。ランクルは3ナンバーが一般的ですが、1ナンバーにすることで税金を抑えられます。ただし、車検が毎年。結局コストかかりますけど、製造から四半世紀以上経っています。気持ち良く乗るにはマメなメンテナンスが必要では?」。

スタッドレス要らずの全天候型マッドテレーンタイヤ。

ランドクルーザー80

一番のチャームポイントと木原さんが胸を張るのがタイヤ。アメリカのグッドイヤー社製で、比較的新しいモデルのデュラトラックを履かせています。オフロード用のマッドテレーンタイヤにも関わらずオールシーズン対応だから、冬でも交換しないで済むのだとか。

ランドクルーザー80

「河口湖とか富士山周辺に行って、一泊して朝を迎えたら一面真っ白みたいなシチュエーションでも問題なし。よほどの豪雪でなければ大丈夫です。静音性や燃費まで優秀なんですが、僕としてはフワッとボリューミーなバルーン感も、全体のバランスを整えてくれるのでお気に入り」。

インテリアは潔くシンプル。車中泊にも対応可能。

ランドクルーザー80

ラゲッジルームはイベントや出張先で、デスクワークをするスペースに。

「サーマレストのマットを敷き、クレイジークリークの座椅子に座って。2列目シートを倒せばフルフラットになりますから、車中泊だって余裕です」。

ランドクルーザー80

コクピットは意外にもほぼノーマル。「至ってシンプル、というか純正のままですね。いじったのはカーナビくらい。運転席で面白いのはコンパスと高度計が標準装備な点。実際に道具として使うクルマなんだと実感でき、愛着も湧きます」。

ランクル80を購入するなら要覚悟。3つのウィークポイント。

ランドクルーザー80

約8年前に購入した木原’sランクル80。走行距離3万km程度の好状態だったそう。

「古いクルマなので細かい電装系、オイル関係といったポイントは経年で弱くなり壊れます。だからいって、走れなくはなりません。そこがランクルのタフさ。小さい部分が故障しても走れるんです」。

とはいえ、ランクル乗りお馴染みのウイークポイントがいくつかあるようで……。

WEAK POINT 1. オイル漏れ

ランドクルーザー80

「まず、デフまわりのオイル漏れ。どの車種でも起こりますけど、クルマ屋さんで直せますのでご安心を。壊れたとショック受ける必要ありません。この程度は壊れたうちに入らないですし(笑)」。

WEAK POINT 2. ゴムパッキンの劣化

ランドクルーザー80

ランクルの泣き所でメジャーなのはウインドウのゴムパッキン。「そもそも古いから硬化しやすく、パワーウインドウの動きを妨げるんです。窓が閉まらない現象がたびたび起こるわけですが、僕の経験だとほぼ原因はパッキンにありました」。

WEAK POINT 3. 駐車場に入らない

ランドクルーザー80

そして、東京の人は特に困るのが普段使う駐車場。「ランクル80はフル装備で約2.4tあり、最近増えている立体駐車場の重量制限を超えてしまいます。特にマンションにお住いの方は気をつけてください。平場の駐車場を探すのかなり大変ですよ」。

小さな故障はあれど、“まず壊れない”タフなクルマ。

ランドクルーザー80

堅牢で知られるランクルですが、木原さん曰く「壊れる=走行不能ならば、まず壊れません」とのこと。「日々小さな故障こそ起きますが、この年代のクルマは扱える整備士さんが多い印象。近所の整備工場や板金屋さんに連絡すると、チャチャッと直してくれることがしばしばです」

年代からいえばロートルなランクル80。とはいえ根本的丈夫さは最新車種顔負けのようです。これから購入を検討しているなら安心して良いでしょう。ただし、重量には要注意。まず駐車場を確保してからディーラーに出向くのが正解ですよ!

ここではザッと紹介しましたが、詳しくは↓の動画をチェック!

他の外遊び好きたちの、アウトドアなランクル80!

木原さんの他にもランクル80を愛用する外遊び人は沢山! ここではアウトドアスタイルな3台のランクル80を紹介します。

ハードな仕事でも頼りになる、アウトドアスペックの相棒。

ランドクルーザー80

OWNER:山田昭一さん

山田さんが乗るのはランクル80としては中〜後期型とされる‘94年製。仕事柄、悪路を進む頻度が高いため、四駆で車高のあるモデルをチョイス。

「仕事的にキャンプ場に行くことが多いので、悪路に強いタイヤにしました。凹凸が深いので、これなら軽い雪道やぬかるんだ道でもガンガン走破できるんですよ。車高は2インチだけリフトアップしたのもポイントです。’94モデルは頑丈で、万が一壊れても部品がある、ちょうど良い年代なんです。ちょっぴりランクル70にも惹かれましたが、仕事での利便性なら80がジャストでしたね。」

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はじめての愛車のランクル80は、ブラウンカラーがお気に入り。

ランドクルーザー80

OWNER:立元 真(grn outdoor,BRENDS ディレクター)

お子さんの誕生をキッカケに立元さんが入手したファーストカーは、レトロなブラウンカラーが印象的なランクル80。「茶内装のランクルが好きで、それに合わせて外装の色をつくってもらいオールペンしました」。

購入して1年ながら、ライフスタイルは激変したとか。「それまでバイク移動がメインだったから、やっぱり行動範囲が広がりましたね。キャンプも含め、郊外に行く機会が格段に増えました」。その結果、地方への移住や二拠点生活も視野に入れるように。「最近は家族でドライブを楽しみながら、いろんな街をめぐってます」。

ランドクルーザー80
フロントは60の丸目ヘッドライト仕様に換装。

オールペンしたメタリックブラウンは、往年のセドリックやアメリカのキャンピングカーをイメージしたオリジナルカラー。2インチリフトアップしたタフなルックスに、無骨なオールテレーンタイヤがマッチ。

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純正ボディカラーを活かし、クラシックスタイルなランクル80。

ランドクルーザー80

OWNER:フダウチ/会社員

人気のランクル80の中でも、フダウチさんの乗るこちらは、92年前期のみ展開していた希少な純正カラー。「どうしてもこの色が欲しくて1年間探し続けました」。地元のローカルカー雑誌でたまたま掲載されているのを見つけてすぐに連絡をとったそう。

「アメリカンチックに仕上げたかった」と、シルバーのラックやバンパー、イエローに塗ったコーナーマーカーなど、車体の色と相性を重視したカスタムも絶妙です。

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ランクルはアウトドアにぴったりの車!

多くの外遊び好きが太鼓判を押すランクル80は、間違いなくアウトドアを楽しむために最適な車種の一つと言えるでしょう。30年前の車両でもまだまだ乗れるタフさをもつ車種。今後も人気は続きそうです。

GO OUT WEBではランクル80をはじめ、他にも多くのアウトドアなクルマを紹介しています。ぜひ、いろいろ読んで、自分好みの1台を見つけるための参考にしてみてください!

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