2019年でブランド設立20周年を迎えるNATAL DESIGN(ネイタルデザイン)。機能的かつ遊び心のあるアイテムは外遊び好きを中心に口コミで人気が広がり、今では多くの著名人や業界人も注目するほど。その魅力を探るべく、ブランドヒストリーを紐解くと同時に、様々な業界のネイタルラバーたちからのリコメンドコメントも紹介!!
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■手描きのTシャツ作りからブランドスタート。
デザイン全般を手掛ける塚田浩二さんと、営業から生産管理、プレス業務まで担当するディレクターのGOTOHさん。ネイタルデザインは、この2人の二人三脚で成り立っているブランドだ。そのスタートは意外と古く、1999年にまで遡る。
「僕は元々絵を描いたりしていて、その延長でTシャツを作り始めたのがネイタルデザインのはじまりです。20歳くらいのときですね」(塚田)
「その頃、僕はずっとバンドをやっていたんですよ。それで2006年にスキャターブレイン(フラッグショップ)をオープンするタイミングで合流しました。でも塚田とは中学校からの同級生で、昔からの遊び友達だったんです」(GOTOH)
洋服作りもビジネスも、ほぼ未経験だった2人。手探りでアイテムを作り始めるが、その作業は想像以上に大変なことばかりだったとか。
「最初の頃は本当に辛かったです。若かったからできたことばかり。なにが正解なのか、わからないまま進めていましたから。Tシャツを作るにしても、タウンページを調べて電話したり(笑)。とにかく全部独学でやってきたから、進むのも遅かったですね。良くも悪くもマイペースな感じでした」(塚田)
■見た目だけでなく着用して格好いい洋服を追求。
独学が故に試行錯誤を繰り返し遠回りをしたこともあったが、そのぶん既成概念に囚われず自由な発想で洋服作りと向き合えたという2人。そうした経験があったからこそ、ネイタルデザインには他のブランドにはない独自の個性と遊び心が溢れている。
それは彼らが純粋に楽しいと思える、そして自分たちが本当に欲しいと思うアイテム作りを続けてきた結果だけど、もちろん今もその姿勢はブレていない。
「機能性も大切だけど、使い勝手より見た目のよさを重視している部分はあるかもしれない。例えばポケットの位置が少し遠くても、そっちのほうが見た目的によければそうしちゃうみたいな」(塚田)
「それと着心地や着用した状態のシルエットにも、凄くこだわっています。その上でおもしろいことを探している感じですね。やっぱり着用して格好いい服というのが1番重要というか基本的な部分。飾ってある状態は格好いいけど、袖を通すとそうでもないって服もありますからね。デザインしていないボクが語るのもあれですけど(笑)」。(GOTOH)
■定番アイテムもアップデートを繰り返して進化中。
そうした2人のこだわりは、気がつけば機能性や着心地にこだわる外遊び好きから支持を集めることに。そしてここ数年でブランドはさらなる成長を遂げ、より多くの人々を魅了しはじめた。
「GO OUTに載せてもらうことが多いからアウトドアの洋服ってイメージがあるかもしれないけど、実際はそこまでフィールド向けの要素が強いわけじゃないんですよ。でもキャンプシーンを想定したデザインは常に意識しているつもりです」。(塚田)
「ダウンジャケットやシュラフとか、ピンポイントで発信しているアイテムもありますけど、それは単純に自分たちが欲しくて作ったもの。特にボクはキャンプが趣味だから、そのあたりもアイテムのラインナップに反映されています」。(GOTOH)
自分たちが欲しいものを作り続け、約20年。彼らもアラフォー世代となり、最近は大人が長く愛用できる普遍的なウエアも増えてきた。定番アイテムも機能性や素材も見直し、アップデートを繰り返している。
それでもベースにあるのは、ブランド設立当初から変わらない自由な発想と、おもしろいことへの飽くなき追求心。
「ボクの中では、400年くらい続くブランドにしたいって気持ちがずっとあるんです。ボクたちが死んでも続いていくっていう。そう考えると先も長いし、今からでもどんどん新しいことにチャレンジできると思うんですよね。むしろ、まだいろんなことを試している最中かもしれない。これからやってみたいこともいっぱいあります」(塚田さん)
今後、ネイタルデザインはどんなブランドへと進化していくのか。これから2人が作るアイテムと、そのクリエイティビティに注目していきたい。
ネイタルデザイン
様々なアートやカルチャーを独自の視点で解釈し、独自のユーモアやエッジを効かせたアイテムを展開するブランド。様々なブランドと共に展開するコラボアイテムやキャンプギアにも定評あり。