【ブランドピックアップ~Moonlightgear Equipment~】遊びの開拓精神と、ダウンスケール志向。それらが創り出す、唯一無二のモノとコト。

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大学の同期2人で始めた「ムーンライトギア」は、今やノマディクスという100人規模の会社にまで成長。環境が変わっても、彼らは“遊び”を追求するのみ。洋服や遊び道具を作り、自ら野菜を育て、新しい登山やクライミングのスタイルまで提案する。

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「すべて実験であり、遊び。賛否も含めてみんなとシェアしたい」。

今回のブランドピックアップは、世界中から厳選したULギアやマニアックな山道具を扱う名店・ムーンライトギアから生まれたブランド「ムーンライトギア イクイップメント」。ブランドといってもアパレルだけでなく、食品、スケートボード、雪板など、さまざまなモノを展開しているため、必然的に会社の取材のようになった。ただ、それらがすべて〝遊びの開拓〞という一本の線でつながっていることが、ディレクターの小峯秀行さんとの話からわかった。

その会話をできるだけそのまま伝えたい。事務所や工房、倉庫、農地などがある埼玉県川越市を訪ねると、決まったデスクもなく、スタッフたちが楽しそうに過ごしているのが印象的だった。そんな空間で、まずブランドで展開しているほうじ茶をひと口いただいたのをきっかけに、ブランドの話はお茶から始まった。

「これホント美味しいですよね。お茶も超、奥深いんですよ。ジブンもその魅力に出会って、製品にしてみたいって思ったんです。サーフィンも、山歩きも、マウンテンバイクも、とにかく自然のなかで遊ぶことが好きだから、それらを追求していくと、食がかかわってくる。その食の深いところを追求する感じが、また遊びに近い。お茶はどう育てられているかによって、水への溶け方や煎の出方が変わってくるんですよ。このお茶は3日くらいつけていても大丈夫なんです。最後は水に近づいてくるけど、むしろそれがいい。山だと最後、水に近いほうがありがたいし、最後には『フレッシュウォーターがうまい!』ってなる(笑)」。ムーンライトギア イクイップメントでは「水と。」というフードシリーズがあり、お茶のほか、アルファ米やご飯のお供、それに付随する道具なども手がけている。

「山で飲むためのボトルが必要で、いろいろ考えたんです。でも、鉄は相性が悪いし、そもそもボトルを開発するとなると、とんでもないコストと量になる。そこでナルゲンボトルはどうかって考えた。さらに、昔ナルゲンボトルに付けられるアタッチメントみたいなのを店舗で取扱っていたのを思い出して、『あれ、茶こしみたいにできるんじゃないかな』って。そうして茶こしも作っていきました」。遊びに行ったあとは、「『次は何を言い出すんだろう』と構えてしまいます」と話すのは、開発担当の野澤大樹さん。実際、プロダクト化していくアイデアは、実際に旅の道中の閃きから生まれることがほとんどで、ベアフットクライミング用の親指靴「Yubisack」も同様だ。

「登山道にある岩って、クライマーとしては、わざわざ訪れて登るような岩じゃない。でも『登りたいな』っていう岩がある。人が登ってない岩って、どれくらい脆いかわからない。裸足だと親指を切っちゃったりする。かといって、クライミングシューズを山登りに持っていくのは邪魔。それで指サックを思いついたんです」。小峯さんは、なんでもまずジブンでやってみたい性分。分からないことがあると、それが「追求したい」に変わっていく。「開発しているモノは基本的に全部、ジブンたちもわからないモノなんです。いろんな背景をもとに、『この素材はどうだろう?』みたいなところから少しずつカタチにしていく。ただそれが人間工学に基づいた3Dの服とかってワケではない」。

そんな彼らの思考を表すのが、ブランドのスローガンに掲げている〝ダウンスケール〞という言葉だ。道具の機能をミニマルにし、自分自身の力や感性を引き出すことで、遊びのプロセスそのものを楽しむ。ブランド創設当時からあるD.Dジャケットも、店舗で扱っていた簡易的な合羽を「ハイテク素材で作ったらおもしろいんじゃないか」と考えたことがきっかけだった。「ジブンたちがやりたいことはアパレルやハイキングだけじゃないから、雪板も提案したいと思うようになって、昨年からシェイプを始めた。

で、雪板のためにスケボーでカービングを練習しようとやりだしたら、今度はスケボーも作りたくなった。最初は幅の広いスケートボードでダウンヒルしていたんですけど、無駄な部分を排除したらどんどん狭く小さくなっていった。『あれ、これ軽いし、バックパックに括り付けてカバーすれば、機内持ち込みしてトリップできるんじゃね?』となり、〝トリップクルーザー〞は生まれたんです」。

D.Dジャケットも、雪板も、トリップクルーザーも、最初から企画されたモノではない。ジブンたちが遊び、そこで気づき、試した結果、プロダクトになっている。「結局ムーンライトギアでやってきたことも、そういう実験的なことばかり。最近取り組んでいる『日本開拓ハイキング』もそう。山だけじゃなく、周囲も歩きながら開拓していく。農業もそう。農薬や有機肥料をできる限り使わず、循環農法にこだわっている。ジブンたちがそのノウハウを持っていたら、会社の底力がつくんじゃないかなと思って。これも、できるかどうかという実験であり遊び。そういうことに参加してくれる人たちと遊びをシェアしていきたいだけなんです。ずっと中学生の冒険の延長線上にいたい」。

お茶も、食品も、アパレルも、雪板も、スケートボードも、農業も、すべては〝遊び〞の延長線上にある。まずジブンたちが遊び、そこで何かに出会い、もっと知りたくなり、試してみる。その過程で必要になったモノが、いつの間にかプロダクトになる。ムーンライトギアイクイップメントが作っているのは、モノそのものではない。遊びの続きを、ジブンたちの手でより豊かなものにしていくための〝道具〞なのだ。

洋服づくりも遊びの延長線で。

ムーンライトギア イクイップメントのアパレル開発は、実験的な興味をカタチにしているケースばかりなのだそう。インドで手織りしたコットン生地をわざわざ日本で染め直したり、つねに、素材の選定や手探りのモノづくりに夢中だ。

「つながりのある店舗に卸しもしているけど、オーガニックに広げたい。先日、長野でおこなった展示会では商品の説明だけでなく、初日にベアフットクライミング、2日目に雪板を体験してもらいました」。ビボベアフットとのスケートシューズも開発中。

農業もジブンたちでやってみることで、会社の底力に。

事務所からクルマで5分ほどの場所にある農地では、さまざまな野菜を栽培。「農薬や有機肥料を使わず、できるだけ土の力だけで仲間たちと育てています。会社の底力みたいなのが付くのかなって。あとジブンたちで作ったものを食べるのは、やっぱり良い」。

今後は食の事業も視野に入れ、会津の米農家とタッグを組むなど、地方との取り組みも進めている。ブランドとの関係性は今のところ、自社のアパレルを着て、耐久性を確かめているくらいだそうだが、これも含めて遊びの一環。

ベアフットクライミング靴も、自社工房から。

事務所の隣には、会社が別事業として輸入販売を行っているフットウエアブランド、ビボベアフットの修理を行う工房を併設。そのノウハウも取り入れながら、ベアフットクライミング用の親指シューズ、Yubisackを開発。

「これで最高の遊びができるかというと、まだわからない。まだまだ実験中。でもこれで、またひとつのシーンに興味を持ってくれる人が増えたら嬉しい」。SNSでテスターを募集すると、世界中のクライマーたちから応募が殺到。250人から50人に絞り、実験を続ける。

セルフシェイプした雪板で、テストを繰り返す。

雪板にハマり、北海道へ通い詰めるうちに、雪板をジブンで作りたくなった小峯さんは、農地の一角にシェイプルームを設置。「埼玉に杉檜(すぎひのき)の産地があって、ここの木は強度がスゴいんです。ボードの元になるブランクスを作ってもらってるんですけど、それをシェイプして自然乾燥させる。マシンで乾燥させると、しなりなどに必要な水分までなくなってしまうんです」。良いモノを作って売るだけではなく、その背景にある林業との接続や、雪板を楽しむシーンそのものを作ることを目指している。

遊びの追求で生まれたクルーザーも製品化。

もともとスケーターでもあった小峯さんだが、雪板の練習にとクルージングタイプのスケートボードに専念。最初は幅の広いデッキにソフトウィールを付けていたが、ターンを追求するうちに、狭くて短いデッキを作るようになった。

「スケートボードというとトリックが重視されがちだけど、サーフィンや雪板のようなターンをイメージするとなると、所作やカラダの使い方が重要になる。幅が広いと余白が多くて、重心が雑になっちゃうんです。だからもっと幅が狭いほうがいいなと思い、デッキを作るようになっていって、最終的に理想のスケートボードができました」。小さくて軽いから、ハイキングなどにも持っていける。遊びの幅が広がることに気づき、あとづけで“トリップクルーザー”と名付けて製品化することに。

山までの道程も楽しむ、新たな山歩きを発信。

ブランドが最近提案する最もホットな遊びが『日本開拓ハイキング』だ。決まった登山道をなぞるハイキングではなく、地図を読み、地形を感じ、里山・山・街をつなぎながらジブンたちの感覚で歩いていく。

クルマで登山口に向かわず、歩いて山へ。迫りくる山を眺めながら、その地域の未知なるルートを開拓。

高坂~秩父や、神川~軽井沢へ。山の近くの駅に到着し、山に向かって歩く。地元の酒屋で酒を買い、いただいた仕込み水でお茶を用意。「ジブンたちも知らないルートを歩くから、大丈夫?なんて言いながら歩いていると、地元のヒトが廃線路のある山道を教えてくれて、それがかなり良いローカルルートだったりするんです」と小峯さん。

いろんな文化を味わえるのは言わずもがな、里山なら多少陽が落ちても安心して楽しく歩けるとか、田舎の町を夜歩くのがめちゃくちゃ楽しいとか、とにかく終始発見だらけなのがこの『日本開拓ハイキング』の魅力なのだそう。その様子はYouTube『ムーンライトギアチャンネル』で公開中!

湧き水や天然水が主役になるフードも展開。

山に入って感覚が研ぎ澄まされているときこそ、大切にしたいのが“食”。「水と。」というシリーズで食品も販売し、湧き水や天然水で味わえるお茶やアルファ米、ごはんのお供と、味はどれも一級品だ。

国産有機穀物に国産野菜。全国各地で愛されて育ったこだわりの食材が、山の水で気軽に味わえる。

「水と。」に揃うものはすべて、自然本来の力を引き出す栽培方法で育てられた国産有機穀物や野菜、昔ながらの自然な製法でつくられた食材や調味料を使用。それを自然が育んだ湧き水や天然水で味わおうなんて贅沢すぎる。福岡・長崎・茨城で育った一級のお茶からオリジナルを作った焙じ晩茶、和紅茶アールグレイ、ジャスミン烏龍茶。それを味わうために用意された茶こしとボトル。26AWにも新作があるそう。

ナルゲンボトル アウトドアボトル用のシリコン茶漉し

ブランドピックアップ

ブランドロゴや「水と。」のロゴをあしらった、BPAやBPSフリーの別注ナルゲンボトル(1L)。各¥3300 ナルゲン(1L)など、口径(内径)53mmのボトルにアジャストできるシリコン製の茶こし。茶葉を入れたボトルからそのまま飲めるし、茶葉の交換や洗浄も簡単に行える。各¥1650

お茶を贈る人の焙じ晩茶 和紅茶アールグレイ、ジャスミン烏龍茶

ブランドピックアップ

長崎県の茶葉を揉まずにじっくりと焙煎することで、自然な甘みを引き出した焙じ晩茶。¥2916
茨城県で育った日本の古来品種から生まれた和紅茶にベルガモットをブレンド。ゆっくりと発酵させ、やさしく澄んだ香り。¥3132 福岡県八女の烏龍茶に香り高いジャスミンの花をブレンド。飲み終えたあとも心地よい余韻が続く。¥2700 これらの国産茶葉3種のアソートパック。¥3024

無の会のアルファ米 自然食コタンの古式天日塩の梅干し シーベジタブルののり塩

ブランドピックアップ

福島県会津の有機農家が育てたコシヒカリを新生バイオ独自のα化製法で。炊きたてのお米の味と食感をアルファ米で実現。¥1296 香り高いすじ青のりに、天日塩を石窯で焼き上げた焼塩と合わせたのり塩。¥1620 岡山県の自然栽培の梅と赤紫蘇を、古式天日塩で漬けた梅干し。¥972

遊びの向こう側が味わえる渾身のアパレル。

ムーンライトギア イクイップメントでは現在、テクニカルなシーン向けの「Side-A」と、ライフスタイル向けの「UPSIDE DOWN LABEL」 の2つのラインを展開。どちらも“遊びの開拓”で頼りになるウエアが揃う。

Side-A

アウトドアシーンをより深く遊ぶために、開発しているテクニカルライン。最軽量素材や高スペックな中綿などの化学繊維から、着心地よく必要な機能を備えた天然素材まで採用する。遊びに必要な機能だけを残し、より自然に溶け込めるプロダクト群。

ブランドピックアップ

Ember Jacket ¥49500

保温力に加え、カラダを動かした際に熱や湿気を逃がす、停滞と行動の間を行き来できる1着。中綿には東レ独自の立体構造ストレッチインサレーション素材、3DeFX+を、表地には通気性とストレッチ性を備えた20Dナイロンを使用。

ブランドピックアップ

D.D Anorak ¥46200

旅で着続けられるレインウエア、D.Dジャケットに対し、より厳しい環境での使用を想定。素材は7D高密度ナイロンの軽量3L。ワイドシルエットはそのままに、防水・防風・保温性、よりウインターシーンでの使いやすさを高めた。

ブランドピックアップ

Gram Pullover ¥20900

最軽量クラスながら、行動中も着続けられる快適さを確保。オリジナルで作成した目付22g/m²の7Dリップストップナイロンは、表面がマットな表情に仕上がっていて、裏面にのみシレー加工を施し、生地の気密性と防風性を高めた。

ブランドピックアップ

Airflake LT Jacket ¥39600

オリジナルの7Dリップストップナイロンを採用した柔らかな着心地の軽量インサレーションジャケット。中綿には、ダウンのような軽さ、保温性、復元性を持つ化繊中綿素材、AirFlakeを採用。真夏の高山帯から冬の日常まで対応。

ブランドピックアップ

Mellow Shirts ¥28600

暑い時期の羽織から、寒い時期のインナーまで使えるよう軽やかなウールシャツを目指し、糸の構成から追求。ウールの調温性や防臭性、シワのできにくさに、ポリエステルの強度と弾力性をプラス。薄く肌離れのよいドライな質感。

ブランドピックアップ

UNfake WT Pants ¥29700

表面は雪が付着しにくい高密度組織、中間に防水・透湿メンブレン、裏面はグリッド状に起毛した3レイヤー素材を採用したウインターパンツ。ストレッチ性を持ちながら、耐水性もあり、裏面に蓄えた空気が暖かな履き心地を実現。

ブランドピックアップ

UNfake Pants ¥25300

通年で快適に着用できる177g/m²の中肉ポリエステルツイルを採用。シルエットはワイドテーパードで、ウエストはゴム+紐仕様。コットンライクな風合いとナチュラルな肌触り、ストレッチ性に加え、耐久性と速乾性にも優れる。

ブランドピックアップ

Aoraki Cap ¥8250 Open Finger ¥7150

16マイクロン級の超極細メリノウールを使用した、被っていることを忘れるくらい被り心地のいいニットキャップ。寒いなかでもスマホ操作などがしやすいよう、指先の感覚を残したメリノウールのフィンガーレスグローブ。

Side-B:UPSIDE DOWN LABEL

活動的な日常のなかにある身近な遊びを、よりシームレスに楽しむためのライフスタイルライン。80sライクなフリースや、70sライクなコーデュロイパンツ、手紡ぎの糸を使ったブランケットなど、天然素材を軸としたアイテムをラインナップ。

ブランドピックアップ

Rhythm Jacket ¥38500

本来化学繊維のフリースをウールに置き換えたオリジナル素材のフリース。生地の表裏にはウール100%の糸が現れ、その中間にポリエステルを芯として配している。化繊フリースのような柔らかさとストレッチ性が持ち味。

ブランドピックアップ

Rhythm Crew ¥29700

同じくオリジナル素材のクルーネックフリースは、ウールの防臭性や火の粉で溶けにくい性質と、ポリエステルによる軽さと扱いやすさを兼ね備えているのが魅力。裾のドローコードを絞れば丸みのあるスウェットのような印象に。

ブランドピックアップ

UNfake CD Pants ¥25300

登る、擦れる、しゃがむなど、体の動かしやすさから往年のスケーターやクライマーたちに選ばれてきた天然素材を、ブランド定番人気のモデルに落とし込んだ1本。現在では希少な、高密度な国産細畝コットンコーデュロイを採用。

Photo/Shouta Kikuchi Report & Text/Naoto Matsumura


(問)ノマディクス moonlightgear-equipment.com Instagram@moonlightgear__equipment

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Akihiro_Takeji
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