バイク業界のイケてる「イマ」を伝える連載企画。今回は、日本の伝統文化である盆栽を世界へ発信しているTRADMAN’ S BONSAIの柴野さん。細部までカスタムされた和洋折衷のブラットスタイルなバイクをご紹介します。

TRADMAN’ S代表の小島鉄平氏がSNSで発信している「ストリートボンサイ」に感銘を受け約2年間通い続け3度の面接を経て一員となる。得意の英語を活かして海外事業拡大に向けて日々奮闘中。W650は免許は取得後に購入した人生初の愛車。
Table Of Contents : 目次
完成度の高いスタイリングと、日常での扱いやすさを兼ね備えたジャパニーズボバー。
日本が誇る伝統文化のひとつである盆栽カルチャーを、空間デザインやアートとして、世界へ発信する「TRADMAN’ S BONSAI」。ひと鉢ごとに込められたおもてなしの心や利他の精神といった本質はそのままに、ファッションやストリートカルチャーとの融合を目指し、東京近郊を中心に盆栽のリースや販売を行うアーティスト集団だ。
その中でマネージメント部に所属する柴野さんの愛車は、フルカスタムされたカワサキのW650。「購入したのは3年前。最初はヴィンテージハーレーがいいなと考えていましたが、免許も取得したばかりで、毎日の通勤でも安心して乗れる、整備性の良い新しめのパラツインをベースにカスタムしました」。
手掛けたのは、独自のスタイルが海外での評価も高い東京の赤羽にあるブラットスタイル。ボバーをメインにさまざまなスタイルが組み合わされたオンリーワンなルックスに仕立て上げた。「ピンストライパーが手掛けたタンクなど、オリジナルなパーツも多いので、大切に乗っていきたいですね」。
柴野さんのライディングアイテム。
黒いヘルメットはシンプルなスタイル。

日常的に着用しているヘルメットはレトロなスタイルで人気のTT&Co製。「江戸川区にあるショールームで試着をしてこのモデルに決めました」。
バックに刺しゅうが入った本格派コーチジャケット。

少し涼しい夏の夜や秋口以降で大活躍しているというTRADMAN’Sのオリジナルコーチジャケット。背中のロゴマークは元々はプリントだったものが刺しゅうに変更されたそう。
バイク乗りには必須の瞳を守るサングラス。

夜でも視認性の良いレンズを装着したオリバーピープルズのサングラス。
あえて汚して履きたくなる白いオールドスクール。

ギアチェンジなど、ライダー特有のダメージをあえて楽しむためにヴァンズはホワイトカラーを選択。「ヴァンズはTRADMAN’Sのユニフォーム。盆栽をプリントしたコラボモデルもラインナップしていました」。
気持ちを落ち着かせる和テイストな練り香水。

ヴィンテージ・インディアンモーターサイクル乗りのチームである、東京インディアンズを主催する島菜有氏のブランド「Timc」とトラッドマンズがコラボレーションしたソリッドパフューム。バイクでも携帯しやすい練り香水は、盆栽の苔からイメージした香り。
軽装好きが選ぶメッシュな巾着バッグ。

普段バイクに乗るときはあまりアイテムやギアを持たないと話す柴野さん。ちょっとした日常使いの荷物はポーターの巾着型のメッシュバッグに収納。
サマーグローブはレザーのパンチング。

まだ暑いこの季節はパンチングタイプのグリップスワニー製のグローブを装着。「基本的にユニフォームと同じブラック中心にコーディネートを考えています」。
独創的にカスタムされたワビサビのある並列2気筒。

1960年代の人気ロードスポーツの雰囲気やスタイリングはそのままに、99年に登場。ノスタルジックな外観のエンジンながら、最新の技術が詰まった新設計エンジンを搭載。高速巡航では、安定したパフォーマンスを発揮。キックとセルの2つのスターターを装備する。



取り扱っているのは貴重な日本の伝統美。

さまざまな盆栽を取り扱う中で、TRADMAN’ Sが得意とするのが、幹が枯れて白骨化した状態の「舎利」、枝の「神」と「水吸い」と呼ばれる生きた部分のコントラストが美しい生と死をひとつの鉢で表現する真柏と呼ばれるもので、なんと樹齢は300年以上。これまでの思いを汲み取りながら、針金を使い彼らの解釈で形作っていく。
Photo/Fumihiko Ikemoto Text/Tatsunori Takanashi
