なんだか最近クライミングがアツいらしい。特に人工ホールドの壁を登るスポーツクライミング(ボルダリング)は、東京オリンピックの正式種目として注目されたこともあり、全国各地にジムが増えている。
そんななか、GO OUT周辺のアラフォー世代でもハマっている人が続出している。そこでクライミング沼にどっぷり浸かっている3人に集まってもらい、夢中になっている理由を聞いてみることに。
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クライミング沼にどっぷり浸かるオトナが集結。
今回、集まってもらったのは、この企画の立案者であるスタイリストの伊藤さんと、ヘアメイクのジャンボさん、アートディレクターの高原さんの3名。
それぞれクライミング歴は、伊藤さんが半年、ジャンボさんが2年、高原さんが5年と、ハマった時期は違えど、共通するのは30代になってから。
そこでまずは、ハマったキッカケから聞いてみることに。
ハマって半年だけど、体型が変わってきた!
–なんでクライミングをやってみようと思ったんですか?
ジャンボ「最初はテレビでクライミングのドキュメンタリー番組を見て知ったのかな。それで少しだけやったりしていたら、2年くらい前から周りでやっている人が増えてきて、誘ったり、誘われたりしているうちにハマった感じです」
伊藤「自分はクライミングの現場の撮影で、実際にクライマーの人が登っているところを見て、衝撃を受けまして。それで高原さんがやっているのを知っていたから、連れていってくださいってお願いして」
高原「そこから一気にハマったよね? 今では僕より強いくらいだし(笑)」
伊藤「初めてジムに行った翌日に、クライミングシューズを買いましたから(笑)。本当にオトナになって初めてハマったアクティビティですよ。今までもランニングとか釣りとか、いろいろやってみたけど、なかなか続かなくて……」
ジャンボ「でもクライミングは、今のところ続いているもんね」
伊藤「そうなんですよ! 完全に趣味になりました。でもまだジムばかりで、外岩は未経験なんですけど。ジャンボくんは、クライミングにハマる前はナニかやってたんですか?」
ジャンボ「うーん、筋トレくらいかな。むしろ、そのパワーをぶつける先を探していた部分はあったかも……」
高原「身体の動かし方が、ちょっと特殊だからね。僕はクライミングの聖地って言われている、アメリカのヨセミテに行ったのがキカッケです。せっかくだからやってみようかなって。それまでスケボーとかサーフィンをやってきたけど、クライミングはカルチャーも含めて、なにもかも新鮮でしたね」
伊藤「確かに、この年齢になっても自分の身体の重心の置き方とか、新しい発見があることばかりです。まだハマってから半年くらいだけど、すでに体型が変わってきましたよ!」
いろんな外遊びをしてきたなかでも新鮮さを感じたり、オトナになっても新しい発見があるというクライミング。しかし、ハマっている理由は、それだけではない様子……。
仕事帰りに1人でさくっと行ける気軽さも魅力!
–3人ともアラフォー世代になりますが、オトナだからこそ楽しめる部分ってありますか?
ジャンボ「オトナだからってわけじゃないけど、忙しい社会人でも自分のペースで楽しめるアクティビティですよね」。
高原「仕事帰りに1人でさくっと行けるもんね。平日の19時くらいから混んでくるジムもいっぱいあるし。自分の場合は、気分をリセットしたいときに行くことが多いけど」
伊藤「僕もちょっとした空き時間に行ったりしています。ジムは室内がメインだから天候に左右されないのもいいですよね。行きたいと思ったとき、必ず行けるのはありがたい」。
ジャンボ「なるほど。逆に僕は1人でフラっと行くことは、あまりなくて。どちらかといえば、友だちと遊ぶ手段のひとつですね」
高原「確かに、コミュニケーションの一環でもあるもんね」
ジャンボ「そうです。この年齢になると友だちと遊ぼうってなっても、飲みに行くくらいじゃないですか? だけど、クライミングのジムがあると、その選択肢が増える感じかな」
伊藤「個人競技だけど、みんなで楽しめるし、ジムなら誘いやすいですもんね。ランニングや登山より気軽にできるし」
ジャンボ「ジムって最初は敷居が高そうなイメージがあるかもしれないけど、1回行くと本当に気軽に楽しめるってわかると思う。あと、揃えるギアが少ないのもいいですよね。なんなら普段着で登ってもいいわけだし」
伊藤「それもオトナがハマる要素として大きい気がする。今からいろいろ揃えるのって面倒じゃないですか(笑)」
とはいえ、ファッション業界やアウトドアシーンにも携わる3人だけに、それぞれの愛用ギアも気になるところ。
3人のクライミングのアイテムをチェック。
そこで各自がクライミングで愛用しているアイテムをチェックさせてもらった。まずは外岩は未経験だけど、ジム通いに熱心な伊藤さんから。
「登るときはバックプリントのTシャツを着ます」
Tシャツもインパクトあるけど、香港のクライミング系ブランド、ドラゴンクライマーのパンツも最近のお気に入りだとか。
伊藤「まだ始めたばかりだし、外岩を登るクライミングをやったことがないからアイテムが少ないんですよね。そんななかでも、こだわりはバックプリントのTシャツを着るってこと。登るときは背中が目立つから、プリントがある方がちょっと気分がアガります(笑)」
「80年代のクライマーのスタイルを意識」。
続いては、クライミングのカルチャーや歴史にもハマっている高原さん。あえてアウトドアブランドのアイテムやスポーツウエアを着用しない、独自のスタイルで楽しんでいる。
高原「自分がハマったキッカケにもなった、80年代のクライマーのスタイルを意識しています。だからアウトドアブランドより古着を選ぶことが多いかも。あとはオーサムクライミングエキップメントのアイテムも愛用しています」
「クライミングパンツは日常でも愛用!」。
最後はジャンボさんの愛用アイテム。なるべくフラットなスタイルで、ジムと外岩をバランスよく楽しんでいるとか。
ジャンボ「基本的に普段着の延長で登っているから、スタイルに関してはカジュアルかも。でもパンツだけは動きやすいモデルを選びますね。むしろクライミングパンツを日常でも愛用している感じです」。
外岩を登るクライミングも楽しんでいる高原さんとジャンボさんはマットも所有しているけど、ジムでマストなギアはシューズと小物くらい。
伊藤さんの言う通り、初期投資が少なくて済むのも気軽に楽しめる要素と言えそうだ。そこで最後に、これを読んでちょっと興味が出てきた人に向けて、さらなるオススメのポイントを聞いてみた。
ヒッピー文化やスケートカルチャーにも通じる?
–クライミングが気になってきた人に向けて、メッセージをお願いします。
伊藤「単純に壁を登る気持ちよさを味わってほしいです。ルールも簡単だし、スタートからゴールまでが短いから、どんどん挑戦していける。そうやって、小さい達成感を自分なりに積み上げていけるのが最大の魅力だと思います」
ジャンボ「それはすごくわかる! そこから外岩もやってみたいって思った人は、ちょっと勇気を出して経験者に連れていってもらえば、登山やトレランとは違う、新しい山の魅力に出会えるんじゃないかと」
高原「実はカルチャー面も魅力あるんですよね。過去の映像とかを掘っていくと、ヒッピー的な要素や、西海岸のハードコアスケーターみたいな側面もあったりして、おもしろいんですよ。そのあたりが好きな人は、ちょっとカルチャーを掘ってみると、ハマる理由が見つかるかも」
伊藤「高原さんに教えてもらった海外のクライミングの動画とか、めちゃくちゃおもしろいですね」
高原「『VALLEY UPRISING』でしょ。ヨセミテでクライミングの歴史を作ってきたレジェンドたちのドキュメンタリー。映像の作り方もかっこいいんだよね」
ジャンボ「それ、まだ見てないんですよー。でもクライミングの映像は、ほんとにおもしろい。YouTubeでもいろんな動画が見れますよね」
伊藤「映像を見ているだけでテンションがアガりますよ。ジムもいいけど、早く外岩にも挑戦してみたいです」
高原「じゃあ今度みんなで、クライミングができるキャンプ場に行こうよ」
ジャンボ「いいですね〜」
伊藤「それ、めちゃくちゃ行きたいです!」
Photo/Fumihiko ikemoto