アウトドアスニーカーの永久定番モデル、ジャスパーが今年で15周年を迎えた「KEEN(キーン)」から新たにリリースされた、トレイルでのスピードと機敏性を追求した最新トレイルシューズ、ザイオニックコレクション。
FAST&LIGHTをコンセプトに、KEENがいままで培ってきた経験とテクノロジーを存分に詰め込んだ次世代型ハイパフォーマンストレイルモデルで、史上最軽量なうえに、クッション性、グリップ力のすべてにおいてワンランク上の機能性が盛り込まれている。
そこまで言われると、実際の履き心地はどうなのか、気になって試してみました。
まずは、ザイオニックコレクションを簡単にご紹介。ラインナップは大きく分けて3型あり、ローカットではキーンドライを備えた防水機能の有無で2モデルがあり、ミッドカットでは防水モデルのみをラインナップ。
今回は、3型ともお借りすることができたので、それぞれモデルの特徴も合わせてレビューしていきます。
Table Of Contents : 目次
ザイオニック実際の履き心地はいかに!?
着用したのは、国内外から200組以上のアーティストが出演し、11万人を超える来場者で盛り上がった、今年で26回目を迎えた「FUJI ROCK FESTIVAL ’23」にて。今回は、編集部の2名で、土日の2日間参戦。
まず、最初に着用したのは、ザイオニック ウォータープルーフ(ローカット)、そしてザイオニック ミッド ウォータープルーフ(ミッドカット)。天気予報は曇りでしたが、雨が降るかもしれない若干の不安要素もあったので、防水機能のあるキーン・ドライ搭載モデルの2型をセレクト。
ファーストインプレッションとして、足を入れたカンジはくるぶしまわりがキュッと絞まるので、ローカットながらホールド感あり。そして、驚くほど軽い!! というところが、長時間歩き続ける野外フェスでは大事なポイントとなってきそうだ。フジロック気分をさらに高めてくれるド派手なカラーリングが会場でもひと際目立っていた。
早く会場内に向かいたいところだが、会場の最も手前にあるピラミッドガーデンで一服することに。1日をとおして穏やかな雰囲気が漂うピラミッドガーデンは、会場外の離れた場所ではあるが隠れた人気エリアのひとつ。
ザイオニック ミッド ウォータープルーフは、ローカットに比べ、足首のホールド力は高め。これなら過酷なトレイルシーンでも、しっかりとサポートしてくれそう。
小腹を満たし、少しゆったりしたところで、いざ会場へ。お決まりのゲート前は、フジロックにやってきた感が一気に増し、この光景は何度見てもテンションがアガる。
大自然に囲まれたフジロックの会場はとにかく広い。ゲート外のピラミッドガーデンから、1番奥地にあるオレンジコートまでは、距離が約3km、寄り道しながらゆっくり歩けば1時間近くかかるので、一日中会場を歩くのは、リアルに山をハイクしているような運動量になる。
と、ここまで少し歩いたところで感じたのは、包み込まれるようなフィッティングの良さとクッション性の高さ。厚底のアウトソールとは違い、きちんと路面を捉えてグリップしているのが足裏に伝わってくるのはグッドなポイント。
オアシスに立ち寄りつつ、フジロックのメインステージとなるグリーンステージを横切り、ホワイトステージ方面へ。今年もオフィシャルスポンサーとして、グリーンステージの奥に位置するKEENのブランドブースの紹介は、つぎのページで。
そのまま歩いて行くと現れるのが、フジロッカーの癒しスポット、ところ天国。この日も厳しい暑さだったので、川沿いでひと休みすることに。
川を渡れば日陰があったので、川の中の石をつたって対岸に。雨が降ってきたときはもちろん、こんなときにもキーン・ドライ搭載モデルは安心だ。
ここで、シューズを同じローカットで非防水モデルのザイオニック スピードへと履き替え、ボードウォークを歩いてさらに奥地へ。
気になっていたポイントのひとつが、ボードウォークのような滑りやすい木道や、凹凸やぬかるみがある山道でのトラクション。実際に歩いてみると、そんな不安を払拭するどころか、期待以上のグリップ力にびっくり。
深いラグのアウトソールがしっかりと路面を捉えてくれ、少しせり出したヒールデザインが着地時の安定性を高めてくれるので、トータルでの歩きやすさへとつながっているように感じる。
途中、木道亭で綺麗なメロディーが聞こえてきたので足を止めると、アーティストではなく、ストリートピアノを演奏する来場者だったという。とても素敵な演奏をあとにして、フジロックを象徴する空間、フィールドオブヘブンへ。
フィールドオブヘブンでは、バンドの演奏を聞きながら、その横で描いていたアーティストのライブペイントパフォーマンスを拝見。なんだか、ザイオニックも負けじといいカラーリング。
ザイオニック スピードは、キーンドライを搭載していない分、アッパーの通気性が良く、生地がよりしなやかに感じられ、履き口の厚みがより薄いのでフィット感も増している。ラインナップのなかで、ザイオニックコレクションの特徴でもある“FAST&LIGHT”を最も感じられるモデルといえる。
その後、オレンジコートまで足を伸ばしつつも、お目当てのアーティストのためにグリーンステージまで戻り、ライブを堪能。
トータルでバランス良好な、ワンランク上の履き心地。
ここまで、広い会場内を端から端まで寄り道しながら歩いたが、ひとつ驚いたのは、いつも感じる足の疲労感があまりなかったこと。
最も気になっていたポイントとなるが、長時間にわたり山道を歩くフジロックは、夕方ごろになると足がパンパンになって、どうしても疲れを感じてしまうものだが、今回は1日をとおして足が軽く感じたのはザイオニックのおかげ!?
フジロックで着用した感想として、快適なフィット感とホールド力による履き心地の良さ、そして、スタビリティプレートを採用した新設計ソールが足運びをスムーズにして、歩行をサポートしてくれたのは大きかった。
また、適度なクッション性とグリップ力、そしてなによりも、驚くほど軽量でノーストレスな履き心地は、実際に履いてみないと体感できない部分だった。これなら、トレイルの過酷な環境でも高いパフォーマンスを発揮する手助けをしてくれそうだ。
着用した3つのモデルを紹介。
今回着用したのは、こちらの3型。定番として人気がありそうなアースカラー的なオリーブのほかに、トレイルでもパキッと存在感を出してくれるオレンジやブルーといったビビッドなカラーも展開。
カラーだけでなく、キーンドライの有無、ローカットとミッドカットなど、自身の着用シーンや用途に合わせてラインナップのなかからセレクトできるところも嬉しい。KEENのすべてが詰め込まれたザイオニックコレクション、ぜひ一度お試しあれ。
防水ソックスも新登場。
ザイオニック コレクションに続いて、この秋、新たに発売となった、ニューポートの名を冠した防水ソックスだが、本当に濡れないのか、履き心地はどうなのか、レビューしていきます。
ニューポート ウォータープルーフ ソックス クルー 各¥4510
ポートランドの山をイメージしたラインソックスのようなデザインで、外側にはリサイクルナイロン、内側にはレーヨン、そしてその間に防水のメンブレンを挟むという、レインウエアなどの防水生地と同じレイヤー構造をしている。
実際に着用してみると、外側の生地はどうしても水が滲みてしまうものの、防水メンブレンから内側には水は一切入ってこないので、靴下の中は乾いたままという、なんだか不思議な感覚。でも、濡れた靴下のグチャっとしたカンジは一切しない。
ニューポートと合わせて、ところ天国の川に入ってみたが、ソックスの中はしっかりとドライな状態をキープしてくれた。非防水のシューズと合わせると防水シューズのようにもなるし、防水ソックスは防風効果もある。
これなら、いままで天敵だった雨の日でもサンダルを履くこともできるので、フェスはもちろん、着用シーンの幅をさらに広げてくれるキーアイテムとなりそうだ。
つぎのページでは、フジロックでのKEENブースの取り組みを紹介しつつ、会場でスナップしたKEENを着用していた来場者のフェススタイルをレポートします。