40年代から羽毛を扱ってきた「ナンガ」が、原点回帰といえる布団づくりに向き合い、いまの時代にフィットする、スタイリッシュで高品質な羽毛布団をリリース。フルラインナップが出揃った今季、その魅力を代表の横田社長に聞いてきました。
Table Of Contents : 目次
こだわったのは保温性と、寝心地につながる重量感。
ナンガのブランドとしてのスタートは94年ながら、その前身となる会社、横田縫製では40年代から布団を手がけてきた 歴史がある。そんなルーツもあり、ナンガは昨年より再び布団づくりに着手。代表の横田社長が自らプロジェクトリーダーとなり、自社のラボ機関で研究を重ね、高品質な羽毛布団を完成させた。
なぜいま、布団なのか、横田氏はその真意を次のように語ってくれた。「ボク自身が40代を迎え、疲労が回復しづらいなかで、睡眠の大切さを再認識したこともありますが、同世代のヒトたちが、ちゃんとした羽毛布団が欲しくても、まず買いに行けるお店が少ないなと。それと、昔ながらの高級布団は和室をイメージしているから、現代のライフスタイルに合わない部分もありますよね。そうしたニーズを踏まえ、いまのナンガの実績なら、機能性とデザイン性を融合させた布団を提案できると思ったんです」。
この秋には旗艦店が原宿にオープンし、ファッションシーンでも話題になることが増えてきた。そんなタイミングだからこそ、いまの時代にフィットする新しい布団が作れると考えたとか。もちろん、もっともこだわるのは、日本を代表するダウンファクトリーとしてのクオリティ。
「保温性と同じくらい重要視したのが、使い勝手と寝心地です。ダウン製品は軽さを求められる部分がありますが、布団はあえて少し重量を感じるようにしました。軽過ぎる布団は寝返りするうちに、ベッドから落ちたりして扱いづらいんですよ。それよりも、ほどよい重量感に包まれながら、ダウンの温もりをダイレクトに感じてもらいたい。そのあたりのバランスを追求してたどり着いたのが、この生地感や羽毛量の配分です」。
今後は、地域ごとのニーズや性別に合わせたモデルの展開も考えている。「エリアによる気候の違いはもちろん、男女でも快適に感じる温度は変わりますからね。メンズ用やレディース用の布団があっても、おもしろいかなと」。
それと同時に、企業として注力していくのが、布団のリメイク事業だ。「羽毛のパフォーマンスを持続させるためには定期的なメンテナンスが必要。とくに布団は寝汗を吸うから、汚れがたまりやすい。当然、生地も劣化していくので、打ち直しにもチカラを入れていきます。寝袋のアフターケアと同じですね」。
しかし、そこにはナンガならではの、ユニークな発想もあり。「布団を打ち直しするときの選択肢として、その羽毛を寝袋やダウンジャケットにするサービスも考えています。原料のコストがかからない分、リーズナブルに作れるし、ジブンの家で寝ていた布団を再利用した寝袋なら、山でも快適に寝られそうじゃないですか?(笑)」。
独自の台形キルト構造で首元の保温性をキープ。
DOWN DUVET SINGLE(DX DOWN) ¥82500
高品質なホワイトダックダウンを1200gも封入したシングルサイズの掛け布団。中央部分にボリュームを持たせると同時に、独自の台形キルト構造を採用することで、首元にコールドスポットが発生しにくい仕様に。ダブルもある。
高さのある立体キルトにリサイクルダウン封入。
DOWN DUVET SINGLE (RECYCLED DOWN) ¥55000
厳しい品質基準をクリアしたリサイクルダウンを使用して、リーズナブルなプライスを実現したスタンダードモデル。上下の生地の重さを変えることで重心を下げ、寝返りでのズレを軽減するなどこだわり満載。こちらもダブルあり。
五角形キルト構造採用の直営ショップ限定モデル。
DOWN DUVET SINGLE DX (PENTAGON) ¥99000
ナンガ直営店限定でリリースされるモデルは、五角形(ペンタゴン)キルト構造を採用。カラダの形状に自然に沿うため布団内の隙間も減り、暖気の流出や保温力のムラが軽減される。その寝心地は現在、原宿の旗艦店で体感できる。
Photo/Takuma Utoo Report & Text/Masatsugu Kuwabara
(問)ナンガ tel:0749-55-1016 nanga.jp
「フィールド&アーバンの相棒的ダウンジャケット、ナンガの2大マスターピース。」の記事も併せてチェック!!