ドイツ・ミュンヘンで2月5日から8日まで開催されたスポーツ・アウトドア業界の見本市「ISPO」(イスポ)。2017年は同見本市ではこれまでで最大となる2732の出展者が揃い、8万5000人の来場者で賑わいました。現地で見つけた注目のギアや新製品の情報を、全3回にてお送りします。2回目は、アウトドアを明るく暖かく過ごすための“光り物”を紹介します。
Photo & Text/Aki SCHULTE-KARASAWA
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■ Petzl Noctilight(ペツル ノクティライト)
ペツルから登場した「ノクティライト」は、小型ヘッドランプを収めてランタンとして活用するための便利グッズ。ノクティライトにヘッドランプを設置するだけで、手元や行き先をくっきり照らすヘッドランプが空間をふんわりと明るくする照明に早変わりする。
ノクティライトの重量は85gとコンパクト。追加のランタン分の重量を気にすることなく荷物へ詰めておける。素材は全体的に柔らかく、中央を分断するようにジッパーがぐるりと一周配されている。ジッパーを開けると、折りたたまれたヘッドバンドごとヘッドランプが収まっていた。
ペツルらしい工夫は、本体のくぼみに沿って格納されていたゴムバンド。先端にはプラスチック製のかぎ爪が備わり、平面に設置するほかテント内やタープなどに設置する際に便利だ。
■ Enki Stove Wild(エンキ・ストーブ ワイルド)
火をおこして燃やし続ける。そんな原始的な手段に電力が加わったら? しかもそれが環境に配慮されたシステムだったとしたら? 「エンキ・ストーブ ワイルド」は、枯れ枝やペレットといったバイオマス燃料を活用できるストーブ。ガスカートリッジや炭などの燃料は不要だ。アルミのカップ状になったエンキ・ストーブ ワイルドに入るだけの枯れ枝(ペレットであれば200g程度)を詰めて着火すると、火力は電力によって半永久的に保たれる。
エンキ・ストーブ ワイルドの鍵となるのは、「熱分解プロセスが安定的に作用するドーナツ状の循環システム」(特許取得済み)。つまり、バイオマス燃料から発生するガスを再利用するために、外壁と内壁の間およびカップ内部の気流の循環を促す通気口と送風装置を配した構造だ。試しにカップ内部に手を入れてみると、ゆるやかな風を感じた。同構造による恩恵は追加燃料を必要としないばかりか、煙たくない炎を得られる点。また二酸化炭素排出量を最小限に抑えることができるという。
付属のコントローラーで送風装置を調整することによって「大・中・小」と3段階にて火力調整が可能で、バッテリーが続く限り火力は維持されるそうだ。バッテリーの寿命は最長50時間。電源のないアウトドアでも心配ないようソーラーパネル「パワーバンク」も別売りで用意されている。
さらに「どこでも料理を楽しんでもらいたい」とのコンセプトから、鉄板やポットを置くための台座を標準装備。オンラインショップには、エンキ・ストーブ ワイルドにフィットする直径42cmの円形グリル用鉄板もラインナップされている。重量は1.3kg、高さ21.5cm×幅15cm。より大人数向けの「ワイルド プラス」(重量2.7kg、高さ35.5cm×幅23cm)も揃う。
■ Luma(ルマ)
ヘッドランプをビーニーキャップに合体させた「ルマ」は、暗闇を行き交う際の心強い味方。ランプは前後に付属し、前方は白色LEDが上下に2灯、後方は小さな赤色LEDが4つ横一列並び、照明パターンは合わせて9とおりあるという。前方LEDの明るさは3段階で、ボタンを押すと25ルーメン、60ルーメン、125ルーメンと切り替わる。
ビーニーキャップに使用されている素材は伸縮性・透湿性に優れ、UVプロテクション機能(UPF 50+)が備わる。ランプを取り外せばもちろん洗濯可能なので、アクティブシーンでの使用も問題ない。重量はランプが設置された状態で70gと軽量で、重さを気にすることなく気軽に身につけることができる。
バッテリー寿命は最長で15時間半。カラーは5色、XS、S/M、L/XLのサイズ展開をしている。
■参考URL
Enki Stove:www.enkistove.com/en/wild_eng/
Petzl:www.petzl.com/INT/en/Sport/ACTIVE-headlamps/NOCTILIGHT#
Luma:shop.luma-enlite.com/luma-active-shop/muetzen?___store=en&___from_store=de