ホワイトマウンテニアリングとは?
ホワイトマウンテニアリングとは、「服を着るフィールドはすべてアウトドア」を掲げ、街と山を繋ぐ高機能ウエアを展開する日本発のブランドだ。
立ち上げは2006年。多摩美術大学で染織デザインを学び、コム デ ギャルソンの「ジュンヤ ワタナベ マン」企画生産部で経験を積んだ相澤陽介氏が独立を機にスタート。2009年の代官山直営店オープンを経て、2014年以降はパリ・ファッションウィークで継続的にコレクションを発表している。
「adidas Originals」や「UNIQLO」とのコラボレーションでも広く話題を集め、長きにわたりシーンの第一線を走り続けてきた。
そしてブランド設立20周年の節目となる2026年、相澤氏は3月31日付でデザイナーを退任。長年アウトドアとファッションの架け橋を担ってきた同氏の退任はひとつの時代の区切りとなるが、ブランドはここから新体制へとバトンを引き継ぎ、新たな歩みを始めていく。
「服を着るフィールドはすべてアウトドア」——揺るがないコンセプト
ブランドの根幹にあるのが、「服を着るフィールドはすべてアウトドア」というコンセプト。デザイン・実用性・技術の3つの要素を一着のなかに落とし込むものづくりを、立ち上げから一貫して続けている。
なかでも象徴的なのが、GORE-TEXとの関係性だ。使用認可の厳しい同社の素材だが、長年にわたり定番として起用している。今でこそ当たり前になった「GORE-TEXウエアを街で着る」というスタイルを、早くから自然に提案してきた存在でもある。
この世界観の原点には、相澤氏自身の幼少期の体験がある。父親に登山やキャンプへ連れられ、山での過ごし方を自然と身につけてきたという。アウトドアは単なるトレンドや後付けのコンセプトではなく、生活の延長線上にあるもの。だからこそ、生み出されるウエアにはリアリティがある。
自身のライフスタイルや興味とウエア作りを直結させていく。そんな相澤氏のスタンスが、一時的な流行に流されない堅実なものづくりを支え続けてきたのだ。
シーンに応じて選べる、複数のラインを展開
ホワイトマウンテニアリングは、メインコレクション以外にも、目的やシーンに合わせた複数のラインを展開している。
たとえば、「BLACK LAYER KNOWLEDGE(黒を重ねる知識)」をコンセプトに掲げる「BLK」。黒一色に絞り、ハイスペック素材とミニマルなデザインを突き詰めたストイックなコレクションだ。
かと思えば、休日にぴったりなリラックスシルエットの「Repose Wear」や、日々の着回しに重宝する「Wardrobe」といったデイリー仕様のラインもしっかり用意されている。さらに外遊び好きなら、キャンプ向けのウエアやギアに特化した「W.M.B.C.(White Mountaineering Base Camp)」も見逃せない。
そして2026年春夏シーズンからは、新ライン「Wair(ウェア)」も仲間入り。軽さや通気性、ストレッチ性を追求した無縫製ニットが主役のユニセックスラインで、よりストレスフリーな着心地を提案している。
ホワイトマウンテニアリングはどんな人に向いている?
ホワイトマウンテニアリングが合うのは、アウトドアの機能性を街着として自然に取り入れたい人だ。登山服のようにスポーティに振り切るのではなく、モード感やデザイン性も含めて楽しみたい人にはかなり相性がいい。
特に、GORE-TEXや高機能素材を使ったアウターを普段着として着たい人、シンプルな服装に少しテック感を加えたい人、アウトドアブランドでも人と被りにくいものを選びたい人には刺さりやすい。
一方で、価格帯はやや高めで、シルエットや素材使いにもクセがある。万人向けのベーシックウェアというより、機能性とデザインの両方を楽しむブランドとして考えると選びやすい。
国境もジャンルも越えるコラボレーション
ホワイトマウンテニアリングの20年は、多彩なコラボレーションの歴史でもある。
なかでもスニーカー好きから熱い視線を集めてきたのが、「adidas Originals」とのプロジェクト。「Nite Jogger」などの名作を独自の素材ミックスで再構築し、シーンを賑わせてきた。また、話題を集めたのも記憶に新しい「UNIQLO」とのタッグでは、手の届きやすい価格帯でブランドの世界観を一気に広い層へと届けた。

海外メゾンとの仕事も欠かせない。モンクレール会長からのオファーで生まれたコラボライン「Moncler W」(2013-14年秋冬)は、相澤氏の名を世界に知らしめる大きな契機となった。
さらにその手腕は、ファッションの枠さえも飛び越えていく。2020年には、ヤマト運輸グループの制服リニューアルを担当。日本の伝統的な「矢絣(やがすり)文様」をヤマトの「Y」で表現するなど、街で見かける身近なユニフォームにも独自のアイデアが落とし込まれている。
サイズ感と選び方のポイント
ホワイトマウンテニアリングのアイテムは、全体的にややゆとりのあるシルエットが多い。アウトドア由来のレイヤリングを考えた設計や、リラックス感のあるパターンメイキングによって、普段のサイズでも少し余裕を感じるモデルが多いだろう。
アウターは中にスウェットやニットを着込む前提なら普段通りのサイズで選びやすい。街着としてすっきり見せたい場合は、着丈や身幅のバランスを確認しておきたい。パンツはワイドやテーパードなどシルエットの個性が出やすいので、サイズ表だけでなく着用画像も見て選ぶのが安心だ。
価格帯は高めだが、そのぶん素材やパターン、縫製、機能ディテールにしっかりコストがかかっている。初めて選ぶなら、主役になるGORE-TEX系アウターか、日常で使いやすいシャツやパンツから取り入れるとブランドらしさを感じやすい。
山でも街でも頼れる、注目の最新ラインナップ
「服を着るフィールドはすべてアウトドア」を体現する、街にも山にも頼れる一着の数々。ここからは最新コレクションのなかから、いま手に入る注目アイテムをピックアップして紹介していこう。
ギミックと快適さを両立した、ストレッチプルオーバー
ストレッチプルオーバー ¥69300
ストレッチ性とキックバックに優れたペーパーナイロン仕立てのハーフジッププルオーバー。経糸にセミダル糸を使うことで特有の光沢を抑え、マットで落ち着いた表情に仕上げている。軽量かつシワになりにくいのも、アクティブに動きたい日には頼もしいポイントだ。
前後に備えたベンチレーションに加え、両脇には大きく開閉できるファスナーを配置。衣服内の通気性を確保して快適さを保つのはもちろん、インナーとのレイヤードやジップの開け具合でシルエットの変化も自由に楽しめる、実用性の高い一着となっている。
クラシックな柄に機能を秘めた、マドラスチェックワイドシャツ
マドラスチェックワイドシャツ ¥52800
ストレッチ性と吸水拡散性に優れたポリエステル素材を採用したワイドシャツ。マドラスチェック柄を生地の織りではなく、転写プリントで表現しているのが特徴的なアプローチだ。
汗をかいても素早く乾き、シワになりにくいイージーケア仕様を備えているため、日常づかいからアクティブなシーンまで気兼ねなく着用できる。ゆったりとしたワイドシルエットで、風通しよく快適に羽織れる実用的な一着に仕上がっている。
WMらしい切り替えデザインが光る、ジョガーパンツ

ジョガーパンツ ¥48400
ブランドの定番カテゴリーとして展開されているジョガーパンツ。滑らかな肌触りと耐久撥水機能をあわせ持つ、50Dの高密度ポリエステルタフタを採用している。
ベースはシンプルなシルエットにまとめつつ、ホワイトマウンテニアリングらしい生地の切り替えを落とし込んでいるのが特徴だ。ウエストにはスピンドルを備えており、手軽にフィット感の調節が可能。水に強く丈夫な素材と使い勝手の良いディテールを備えた、実用性の高い一本に仕上がっている。
独特な生地目とステッチワークが光る、ジッププルオーバー

ジッププルオーバー ¥49500
ウェーブ調の生地目が特徴的な綿素材を使用したハーフジッププルオーバー。表情のある素材をベースに、インパクトのある生地の切り替えを取り入れているのが特徴だ。
デザインのポイントとなっているのは、その切り替え部分に配置されたテープとジグザグステッチ。ハーフジップの構造に細部のステッチワークとテープ使いがアクセントとして効いた、存在感のある一着に仕上がっている。
都会的なルックスに機能が光る、BRIEFINGコラボのバッグ2型
WM×BR DT PACK 各¥41800、WM×BR EVERYDAY SACOCHE 各¥22000
BRIEFINGとのコラボによるバックパック(WM×BR DT PACK / 各¥41800)は、ハリのあるシンセティックレザーを主素材に採用。各所のメッシュ素材で通気性と軽量性を確保し、アウターを留められるフロントのバンジーコードや、スマホ用の伸縮メッシュポケットなど、アクティブに使えるギミックを備えている。
同素材を用いたサコッシュ(WM×BR EVERYDAY SACOCHE / 各¥22000)は、「スマート収納」をコンセプトにしたデイリーモデルだ。細かなガジェットも整理しやすいよう仕切りやポケットを豊富に配置し、各部のサイジングを見直すことで利便性を向上。ビジネスからカジュアルまで、幅広いシーンをカバーしてくれる。
空間ごとブランドを体感できる、代官山の旗艦店
洗練されたショップが立ち並びつつも、どこかゆったりとした時間が流れる東京・代官山。その路地裏に静かに佇むフラッグシップストアは、まさにブランドの美学を空間ごと味わえる場所だ。メインラインはもちろん、「BLK」や新ラインの「Wair」に至るまで、すべてのコレクションを一堂に揃えるのはここだけ。
ウエアだけでなく小物やギアも充実しており、袖を通し、素材に触れながらブランドの熱量をまるごと体感できる空間となっている。伊勢丹新宿メンズ館や全国の主要セレクトショップなどでも取り扱いはあるが、まずはこの旗艦店で、妥協のないものづくりに直接触れてみてほしい。
■White Mountaineering代官山
営業時間 12時〜19時
tel:03-6416-5381
■White Mountaineering新宿伊勢丹
営業時間 11時〜19時
tel:03-3352-1111
FAQ
Q.サイズ選びのポイントは?
基本的には普段のサイズ選びで問題ない。アウトドアシーンでのレイヤリング(重ね着)を想定して、アームホールや身幅に適度なゆとりを持たせた設計のアイテムが多い。いつものサイズを選べば、街着としてスマートにまとまりつつ、中に着込むこともできる絶妙なバランスを楽しめる。
Q.どこで購入できる?
先述した代官山の旗艦店や伊勢丹新宿メンズ館のほか、全国の主要セレクトショップ、公式オンラインストアで展開されている。話題のコラボアイテムやGORE-TEX搭載の定番アウター類は足が早いため、シーズン立ち上がりのタイミングでデリバリーをチェックしておくのが確実だ。
Q.価格帯の相場は?
カットソーで1〜2万円台、シャツやボトムスで3〜5万円台、主力のGORE-TEXアウター類は8〜15万円前後が目安となる。決して安価ではないが、ハイスペックな素材使いや複雑なパターンメイキング、そしてタフに長く着られる実用性を考えれば、相応の投資価値は十分にある。
Q.キャンプなど、ガチの外遊びでも着ていける?
アウトドアにも合うデザインと機能を備えており、可能。とくにキャンプシーンを想定した「W.M.B.C.」ラインのアイテムは、外遊びでの実用性に長けている。メインラインのアウター類も透湿性や運動性をしっかり備えているため、ライトなアウトドアなら難なく対応してくれる。街とフィールドの境界線をなくすのが、このブランドの醍醐味だ。











